本年の夏は記録的な猛暑(激暑)でシートに覆われた復元工事現場の作業も蒸し風呂常態の中で大変なようです。

 先日、ある方より大変貴重な資料を頂きました。一番腐食の激しいシリンダーカバーを新製するための図面の提供を受けました。現場では現物合わせにより作業を進めておりましたが、図面の提供により正確な復元が可能となりました。また、オイルポンプカバーも新製されているようです。ただ、現在は安全の為にシートの合間から中を伺うしかありませんが、すでに塗装行程に入っているようです。

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 先般の打ち合わせにより、塗装は出来るだけ現役当時にと概ね黒の半つや消しで塗装する事になりました。しかし、磨きだしの部分はクリヤー塗装にしても耐久性に問題があり車輪等は銀色に塗装しなくてはならないと思います。シートの合間から真っ黒な動輪部分が伺えますが、再度打ち合わせをして色を決定するそうです。

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 また、現役に近い常態での復元を望んでいましたが、可動部分(逆転機レバー・加減弁ハンドル)については、一般公開時に指づめなとの危険があるとの事で今回は固定する事になりました。将来的に圧搾空気を使うようになれば当然可動するようにしたいと思います。

 解体論議の元となった塗装の剥離は、旧木次町が雲南市へと合併する際に緊急な保護措置として約50万円を掛けて塗装したようですが、まったくの素人作業で下地処理もせずただ上塗りをしたため下地と上塗りが経年変化により剥離したために見るも無惨な姿になったようです。しかしながら、これまで維持管理をされていた木次機関区OBの方々により献身的に維持管理がされており、全体的に塗装を剥離したところ保存状態は大変良好との事で、復元作業も順調に進んでいるようです。