「認定低炭素住宅」とそれにまつわる優遇措置について | 株式会社フロンティアホーム公式blog

「認定低炭素住宅」とそれにまつわる優遇措置について

「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」という制度が平成24年12月4日に施行されました(※1)。それに基づき、CO2(二酸化炭素)の排出を抑える措置が講じられた建築物を所管行政庁(都道府県や市区町村)に申請し、認定を受けると、様々な優遇措置を受けることができるようになりました。制度の運用が始まって以来、累計で9,305件の「認定低炭素住宅」が建設されてきました(平成27年6月末時点)。


今回は、「認定炭素住宅」と、受けられる優遇措置についてまとめてみましょう。

▼「認定低炭素住宅」とは

まず、「認定低炭素住宅」の定義についてです。「認定低炭素住宅」は、「定量的評価項目」と「選択的項目」によって判定されます。建築物を新築する際はもちろん、増築・改築・修繕・模様替え、また空調設備等の設置や改築の場合も申請が可能です。

「定量的評価項目」については、省エネ法(※2)で建築設備として位置づけられた設備(空気調和設備、換気設備、照明設備、給湯設備)により消費される一次エネルギー消費量が、省エネ法の省エネ基準より10%以上、下回っていることが必須条件とされています。 「選択的項目」については、以下の措置などを一定以上、講じているかどうかが認定の判断基準となっています。


  • (1)HEMSやBEMSの導入
  • (2)節水対策
  • (3)建築物の低炭素化
  • (4)ヒートアイランド対策

(1)HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)・BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)

HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)・BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)とは、エネルギー使用量を可視化し、節電を促進したり、ソーラー発電機などの蓄電器の設置によりエネルギーを再生利用したりするなど、使用エネルギーを監理するシステムのことです。

このようなシステムを導入した住宅では、家庭内の消費電力をディスプレイで表示する装置が室内に設置されているなど、使用エネルギーが「見える化」されていますので、それだけでも住人の節電意識を高める効果があります。

(2)節水対策

節水対策は、トイレ・水栓などに節水仕様のものを採用しているかどうか、食器洗浄機を設置しているかどうか、雨水・井水・雑排水を利用する設備を設置しているかどうか、などが該当します。

(3)建築物の低炭素化

建築物の低炭素化は、木造住宅であるかどうか、住宅の劣化を軽減する措置が講じられているか、耐久性の高い高炉セメントやフライアッシュセメントなどの資材が建築物の主要な部分に使用されているかどうか、などが該当します。

(4)ヒートアイランド対策

ヒートアイランド対策は、敷地・屋上・壁面などの緑化が該当します。

上記項目のような「定量的評価項目」を見たし、「選択的項目」の一定基準を満たせば、「認定低炭素住宅」として認められます。

▼優遇措置は?

所管行政庁に「認定低炭素住宅」として認められると、様々な優遇措置を受けることができます。

  • (1)所得税の優遇措置
  • (2)登録免許税の税率引き下げ
  • (3)金利優遇
  • (4)容積率の緩和
  • (5)省エネ住宅ポイント制度

(1)所得税の優遇措置

住宅ローンの借入額に応じて所得税が最大500万円まで控除され(10年間)、一般の住宅よりも控除額が大きくなります。(※3)

(2)登録免許税の税率引き下げ

住宅用家屋の所有権保存登記等にかかる税率が平成28年3月まで、保存登記、移転登記ともに0.1%まで引き下げられます。(※3)

(3)金利優遇

住宅ローン【フラット35】において、一定期間、借入金利を年10%引き下げる【フラット35】Sの適用を受けることができます。金利Aプランでは当初10年間、金利Bプランでは当初5年間の引き下げが認められます。金利Bプランに比べ、金利Aプランはより厳しい基準を満たす住宅に適用されます。(※4)

(4)容積率の緩和

低炭素化に資する設備(再生可能エネルギーを利用した蓄電池や自家発電設備等)について、容積率の制限における床面積合計から、最大1/20まで除外されます。(※3)

(5)省エネ住宅ポイント制度

発行期間内であれば、30万円相当のポイントが付与されます。ポイントは、商品券や地域産品などと交換することができます。(※5)

▼優遇措置以外のメリットとは

「認定低炭素住宅」は上記のような優遇措置が受けられるだけがメリットではありません。「認定低炭素住宅」は、断熱性、節水性、省エネルギー性が一般的な住宅よりも優れているため、光熱費や水道料金の低減が期待できます。

また、「認定低炭素住宅」のようなエコな建築物の増加が社会に与える影響も忘れてはならないでしょう。そもそも、地球温暖化の原因である温室効果ガスのうち、大部分を占めるCO2(二酸化炭素)の排出を減らす「低炭素社会」の構築は、世界的な課題となっています。更に、東日本大震災以降、日本国民のエネルギー需要や意識は特に大きく変化してきました。「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」は、そうした背景も受けて策定されたともいえます。


お財布に優しく、地球にも優しい、そんな「認定低炭素住宅」の需要は、今後も高まっていくのではないでしょうか。




※1)都市の低炭素化の促進に関する法律(国土交通省ホームページより)
http://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/eco-machi.html

※2)平成25年改正省エネルギー基準パンフレット(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000996591.pdf

※3)低炭素建築物認定制度 関連情報(国土交通省ホームページより)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000065.html

※4)【フラット35】Sの技術基準の概要
http://www.flat35.com/tetsuduki/flat35s/H241101.html

※5)省エネ住宅に関するポイント制度について(国土交通省ホームページより)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr4_000046.html