さあ、皆さん、大変お待たせいたしました。
共産党や社民党に投票したくはないけれど、
脱原発路線を進んでほしいと願う皆さんには、
とても注目されている政党だと思います。
「日本未来の党」。
一刻も早く原発を止め、再稼働にも大反対。
そんな政党は、なかなか貴重と言えるでしょう。
党の本部は、滋賀県ではなく、東京都にあり、
日枝神社の隣の大きなビルの中にあります。
新党きづな、国民の生活が第一、減税日本、
反TPP・反増税など、さまざまな政党を吸収、
合併して誕生した「日本未来の党」。
一体、どのような政策を掲げている党なのか。
皆さんと一緒にご覧いただきたいと思います。
■ 政党スローガン
『「卒原発」も、「脱増税」も。』
「原発をなくす」と明言している政党は、
共産党と社民党だけではありませんでした。
滋賀県知事の嘉田由紀子氏が代表を務める
「日本未来の党」も、政策スローガンに掲げ、
原発を卒業すると言っています。
また、名古屋市長の河村たかし氏が率いる
「減税日本」も合流しており、「脱増税」も
スローガンとして掲げています。
ただし、この「脱増税」に関しては、民主党の
野田総理が「財源はどうするんだ!」という
ブーメランツッコミを披露しており、財務省の犬、
野田首相が公約を破ってまで、増税路線に
突き進んだのは、財源が作れなかったから。
「財源は、どうするのか」という点については、
共産党や社民党のように「金持ちから取る」と
言っていないので、どのように対処するのかが、
まったく謎と言えるかもしれません。
■ 政党プロフィール
今年の11月に結党されたばかりなので、
日本で最も新しい政党と言えると思います。
それだけに、実績はまったくありません。
ただし、小沢一郎の「国民の生活が第一」、
亀井静香の「反TPP・脱原発・消費増税
凍結を実現する党」、名古屋の名物市長で
お馴染みの河村たかしの「減税日本」が
合流しているため、こうした政治家たちの
活動を実績として考えることもできるでしょう。
代表ということで、嘉田由紀子氏ばかりが
注目される「日本未来の党」ですが、実際は、
亀井静香、小沢一郎、河村たかしなど大物の
政治家たちが集結した政党と言えます。
■ 基本政策
争点政策1位: 消費増税(81%)
争点政策2位: 原発問題(80%)
争点政策3位: 景気回復(49%)
「再稼働反対、TPP反対、増税反対」という
3つを約束している政党は、5つしかありません。
日本未来の党、共産党、社民党、新党日本、
新党大地です。
このうち、新党日本と新党大地は、候補者が
ものすごく少ないため、投票できる人が少なく、
この2政党ほどではありませんが、社民党も
候補者が少ないとなると、実質的に、共産党か
日本未来の党という選択肢になると思います。
もし、あなたが「共産党には入れたくない」と
思っているなら、自動的に「日本未来の党」に
投票せざるを得ないというのが現状でしょう。
政党が乱立していると言っても、実際のところ、
僕たちの選択肢は、思っている以上に少ない。
そんな日本の政治の大きな欠点がありました。
■ 原発政策
再稼働反対。
多くの政党が「原発をなくす」という公約を
掲げていますが、「再稼働」を焦点にすると、
自民党も、民主党も、日本維新の会もすべて
「再稼働には賛成」という立場です。
共産党や社民党など、再稼働にも反対という
政党は極めてレアであり、「日本未来の党」は、
再稼働にも反対している政党になっています。
また、高速増殖炉「もんじゅ」、六ヶ所村の
使用済み核燃料再処理工場は廃止にして、
「卒原発プログラム」を定めるとしています。
おそらく、何も考えていないのに選挙に行く
アホなジジィやババァは自民党に投票して、
政治通ぶっている使えないジジィやババァは、
「橋下クンは面白い!」と言って、維新の会に
投票すると思うので、「日本未来の党」は、
かなり厳しい戦いになることは確かでしょう。
となると、少数野党の政党として、原発再稼働に
突き進むニッポンに、どこまでブレーキをかけて
くれるのかという点が、一つのポイントです。
■ 経済政策
「日銀法を改正してインフレを作る」という
自民党や日本維新の会のような大胆な政策は
掲げておらず、環境に配慮した産業を伸ばして、
なるべく正社員になれる人を増やすそうです。
正直、経済を良くするためのプランは、あんまり
考えていなかったというのを、マニフェストから
読み取ることができるかもしれません。
なのに、中学卒業まで年間31万2000円の
手当てを支給したり、高校の無償化の堅持を
宣言しており、おまけに消費税増税には反対。
確かに、野田首相が「財源はどうするんだ」と
ブーメランツッコミをかますのも納得できます。
マニフェストはバラ色に見えますが、果たして
実現できるのでしょうか。
■ TPP交渉
「TPPには、交渉すら反対する」というのが、
日本未来の党の特徴です。「反TPP」を掲げた
亀井静香が入っているんだから、当然でしょう。
多くの政党が「TPP」には、前向き、あるいは、
「交渉には参加しよう」と言っているのですが、
これほど明確に反対している政党も珍しいです。
もし、原発の再稼働問題は、どうでもいいけれど、
TPP参加だけは絶対に困るという人がいるなら、
かなり力強い政党であることは間違いないです。
■ 消費税
「減税日本」が加わり、「不況の時に増税して
経済が良くなった国はない」と、大々的に主張。
消費税の増税を中止したら、その代わりの財源は
どうするのかという話になりますが、残念ながら、
具体的なプランまでは示されていません。
とにかく、増税には反対するというスタンスです。
多くの国民は、自分のお金が取られるというのに、
「増税には賛成」というドMな人ばっかりなので、
ここに食いつく人は少ないかもしれません。
■ 憲法改正
そもそも「憲法を改正する」なんていうことを
微塵も考えたことがなかったため、マニフェストに
改憲問題については1文字も記しませんでした。
ちなみに、嘉田代表は「憲法改正には反対」と
述べていましたので、やがて話し合われることに
なったとしたら、憲法改正に反対の立場に回ると
予想されています。
■ その他の政策
最も興味深いのは、「脱官僚」を進めること。
政治主導を貫徹できる公務員制度改革を実施。
天下りの全面禁止と、政府関係法人の廃止を
謳っています。
これができれば、日本の将来にも一筋の光が
見えるかもしれませんが、あまりに巨大すぎる
利権との戦いになるため、そう簡単に進められる
問題ではありません。ただ、立ち向かう姿勢は
それなりに評価できるかもしれません。
★ 有権者の判断ポイント ★
原発再稼働の反対、反TPP、消費税増税反対。
この3つの看板を掲げている貴重な政党ですが、
具体的なプロセスや、その代わりに、どのように
問題を解決するのかという点が書かれておらず、
美しいマニフェストだけが並ぶ3年前の民主党と
同じように見ることもできます。
また、世の中のイメージは、自民党にするのか、
民主党にするのか、はたまた第三極筆頭である
日本維新の会にするのかが争点になっており、
最初から「日本未来の党」を選択肢に含まない
高年齢層が多いのも事実です。
ネット上では、支持する人が多い政党ですが、
TVメディアは地味に扱っており、かなり苦戦を
強いられることが予想されています。
とはいえ、「原発の廃炉はもちろんのこと、
再稼働にも反対なんだ」という有権者たちが、
「共産党や社民党には入れたくない」となると
選択肢は自動的に「日本未来の党」です。
多くの人が原発問題に無関心という世の中です。
この選挙で、「日本未来の党」がどうなるのかで、
ある意味、この先の日本を占えるかもしれません。