12月16日の衆議院議員選挙。
どの政党に入れるのが、一番望ましいのか。
『チダイズム』では、全部で12個ある政党の
本部の建物を見ながら、各政党の公約等を
ご紹介していこうと思っているわけですが・・・。
今回は、日本で唯一、本部が大阪に存在する
「日本維新の会」に行ってまいりました。
今回の選挙では、橋下徹先生のカリスマ的な
人気によって、一気に第三極の筆頭みたいな
雰囲気になっておりますけれども。
「日本維新の会」の本部の建物があるのは、
何のヘンテツもない、普通の街の一角です。
パッと見た感じ、地元の学習塾のようです。
こんな場所に本部がある政党が、もしかすると、
今回の選挙では「台風の目」になりそうなので、
しっかり写真に収めておきました。
「日本維新の会」のマニフェストは、他の党に
比べても、かなり個性的ですので、皆さんには
じっくりご覧いただき、判断してください!
なんだか、すごくやってくれそうな雰囲気は
あるんですけれども、僕が言うのは、とても
どうかと思うんですが、最近・・・、
天狗になってませんかね?
最初は、僕も「橋下さんはスゴい!」なんて
思っていたんですけど、この政策を見る限り、
本当に市民の気持ちを考えてくれているのか、
すごく心配になります。では、ご覧ください。
■ 政党スローガン
『日本を賢く強くする。』
まるでスローガンまで学習塾のようです。
そういう感じで見ると、橋下徹先生のキャラは、
東進ハイスクールの講師にいそうな雰囲気!
「賢く強くなって、志望校合格!」みたいな。
ただ、この「強くなる」という部分が、実際には
戦争における武力的な意味だったりすることに
あとで気づかされるので、少しゾッとします。
■ 政党プロフィール
結党して、まだ3ヶ月の歴史の浅い政党。
大阪での橋下人気により、急成長した第三極。
ご存知だと思いますが、代表は橋下徹ではなく、
あの石原慎太郎です。
もともとは、チンコが立たなくなったジジィどもが
集まって作った「立ち上がれ日本」という政党が
ありましたが、あまりにもパッとしなかったために、
今度は「太陽の党」という「太陽に吠えろ」的な
政党を作った石原慎太郎。
ところが、それさえパッとせず、最後の手段で、
かねてから裏で手を握り合っていた橋下徹に
相談し、日本維新の会と合流。リーダーに昇格。
いろいろな有名人が若くして亡くなる昨今ですが、
石原のジジィは80歳なのに、まだまだ達者です。
今回の選挙では、172名が立候補。
■ 基本政策
争点政策1位: 景気(54%)
争点政策2位: 行政改革(46%)
争点政策3位: 社会保障(37%)
実は、橋下徹と石原新太郎の政治思想が
微妙に違うため、けっこうフワッとしていますが、
「何かやってくれそう」という橋下人気によって、
ものすごくイメージが良い。
しかし、「日本維新の会」にお願いをすれば、
誰でも立候補できるんじゃないかと錯覚するほど、
いろんな人が立候補しまくっており、正直言って、
候補者個人が掲げている政策は、ややバラバラ。
「大丈夫か!?」というような候補者もいます。
■ 原発政策
原発は再稼働。
マニフェストには、「脱原発」という政策を
打ち出しているものの、リーダーの石原ジジィは
「原発を止めて、電気代が20%上がったら、
日本の経済は壊滅する」と言い、今すぐにでも
原発を再稼働したいと言いました。
しかも、民主党のように、2030年代までに
原発をゼロにするという夢のような政策ではなく、
「フェードアウトする」という、微妙な言い回し。
この言い方だと、2039年から減り始めるという
望んでいない形になりかねません。
言っていることが、いつの間にか変わったのに、
前々から言っていた雰囲気にさせてしまうのが、
いつもの橋下先生。弁護士だけあり、うまいこと
説得する能力に長けていらっしゃるため、庶民の
僕たちは、うっかり「あぁ、そうか」と思ってしまう
橋本マジックが繰り出されますが、しばらくの間、
原発を止める気は、まったくないようです。
■ 経済政策
最も驚くべき政策は、その「経済政策」。
なんと、労働者の最低賃金を撤廃するとか!
これは、地域にもよりますが、東京の場合は、
時給850円以下で人を働かせてはいけないと
法律で定められています。
理由は、めちゃくちゃ働かされて、その時給が
400円とか500円なんていうベラボウに安い
金額になってしまうと、ワーキングプアになって、
働けど働けどお金をもらえず、生活ができなく
なってしまうから!
雇用されている人の生活を守るために
設けられた制度で、他の政党は、この金額を
高くしようと奮闘しているのに、日本維新の会は
これを撤廃し、ワーキングプアになる人たちが
めちゃくちゃ増えても、安い労働力を確保して、
経団連の皆さんに喜んでもらう大作戦!
経営者のことだけを考えれば大歓迎ですが、
雇われる若者の立場からすると、この政策は、
ますます貧乏ロードまっしぐら!
また、自民党と同様、2%のインフレを作り出し、
デフレから脱却するプランを計画しているため、
日銀法を改正するそうですが、失敗してしまうと、
安い時給で働かされているのに、物価が上昇し、
高い消費税も払わされ、貯蓄もできず、豊かに
暮らせない若者が続出することになる!
ちなみに、高齢者や女性雇用率を設定すると
公約に書いているため、若い男性には、かなり
厳しい時代がやってくることになりそうです。
■ TPP交渉
日本維新の会の公約は、交渉には参加し、
国益に反すると判断した場合には撤退する。
大飯原発の再稼働問題で、次々といろんな
話をされ、結局、「再稼働に賛成」と言っている
橋下市長率いる日本維新の会が、原子力ムラの
100万倍は厄介だと思われるアメリカ様に対し、
「国益に反するから撤退する」と言えるなんて
思えないのは、気のせいでしょうか。
交渉の席には着く。
日本人の交渉力に、どれほど自信を持って
いらっしゃるのでしょうか。アメリカ様と対等に
交渉できるなら、今頃は、沖縄の基地の問題も
どうにかなっていることでしょう。
■ 消費税
橋下徹、石原慎太郎という、日本の二大都市で
知事をやっていたツートップなので、地方に金が
回っていない現実を痛いほど分かっているらしく、
消費税は「地方税」として使えるようにするという
方針を掲げています。
なので、消費税の増税を中止しようなんてことは
まったく考えていないというのが日本維新の会。
■ 憲法改正
これが最も衝撃的と言えるかもしれません。
「日本は、戦争をした方が良いんだ」ぐらいに
思っている戦前生まれのジジィがリーダーなので、
自主憲法を制定し、自衛隊を軍として強化したいと
言っておられます。
しかも、キャッチフレーズの「強くなる」ですが、
日本維新の会は、防衛費の予算制限を撤廃して、
自衛隊や海上保安庁にガンガン予算を注ぎ込む
マニフェストを掲げており、石原慎太郎のジジィは、
「日本は核武装すべきだ!」とも言いました。
向かっている方向が、完全に「戦争」です。
徴兵制がないから日本は平和ボケしている国に
なってしまうんだと思っているなら、そっちの方が
よっぽど平和ボケなので、政治家がコレで本当に
大丈夫なのか、かなり心配になります。
■ その他の政策
橋下徹がかねてから戦ってきた因縁の相手、
「教育委員会」を廃止にすること。年金制度を
積立制にして、預けた分が返ってくるように変更。
核燃料サイクルを、核兵器を作るための大切な
技術として見直すことを検討する。
★ 有権者の判断ポイント ★
「日本維新の会」は、原発問題を通り越して、
核兵器を持てるように考えていこうという政策。
仮に政権を取ったからと言って、すぐさま戦争に
突っ走るわけではなくても、何度も「核」の脅威を
体験しているにもかかわらず、まったく反省もせず、
原発どころか、武器としての「核」を持つことを
許しても良いのかどうかがポイントになります。
また、最も危惧されるべきは、最低賃金の廃止。
ただでもワーキングプアが深刻な問題なのに、
インフレを作る政策を掲げながら、その一方で
最低賃金をカットすれば、給料は下がりながらも
物価が上昇するという現象が起き、フリーターが
ホームレス化する危険性があります。
おそらく、自民党にも、民主党にも投票したくない
ジジィやババァが、イメージだけで投票することに
なるかもしれませんが、まずはしっかりと公約を
吟味することが大切だと思われます。