12月16日、第46回・衆議院議員総選挙が
開催されることになり、かつてないほど多くの
候補者たちが、かつてないほど多くの政党から
出馬することになりました。
日本が潰れるか、生き残るか。
今回ほど1票が重要な選挙は、いまだかつて
なかったと思うんですけど、『チダイズム』では、
皆さんに投票に行っていただきたいとの願いを
込めまして、本日より、各政党の本部の建物を
めぐりながら、掲げている政策を、どこよりも
わかりやすくまとめます。
本当は、党本部の目の前の植え込みの土を
採取しまして、放射能を検査する計画でしたが、
最初の自民党・民主党を巡った時点で、猛烈な
職務質問の嵐に遭遇してしまい、スコップなんて
持っていたら、「スコップ男、侵入!」みたいに
新聞を飾ってしまう可能性があったため、今回は
おとなしく政策をまとめるだけにしました。
まず、第1回目となる今回は、長年にわたり、
日本の政権を握り続けた「自民党」さんです。
安倍総裁が出演しているCM の滑舌の悪さに、
芸人もビックリだったと思うんですけれども・・・。
永田町にある自民党の建物。
ちなみに、建物にカメラを向けた瞬間、すかさず
ポリスマンブルーがやってきて、どんな写真を
撮ったのかを聞かれる始末。
そんな中で、どうにか撮ることに成功したのが、
こちらのポスターでした。自民党にも民主党にも
共通するのですが、建物の入口が写ってしまうと
セキュリティー的に問題があるようです。
さあ、建物の紹介が終わったところで、さっそく
各政党のマニフェストや思想を紹介しましょう。
重要な項目と、それ以外の政策に分けました。
ここからは自民党になった気分で、皆さんに
マニフェストをご紹介してまいります。
■ 政党スローガン
『日本を、取り戻す。』
本音を言うと、「政権を、取り戻す」だけど。
ほんの少しだけ本音を出しつつ、それでいて、
ちゃんと日本のことを考えているっぽい感じで、
このキャッチフレーズは、けっこうお気に入り。
そうです、俺たちが自民党です。
もともと自民党が与党の座を下ろされたのは、
それまでの自民党政権時代のポンコツぶりに
嫌気が差した有権者が、二大政党制を夢見て
民主党に投票したのが、すべての始まり。
まさか、民主党がここまでポンコツだとは
自民党の俺たちさえ思わなかったんだけど、
一般ピープルのみんなは、もっと驚いただろう。
ということで、今回は「日本を、取り戻す」。
ただし、「失われた20年」と表現されるように、
自民党政権時代から、日本は既に失われてた。
今回の選挙で、何年前の日本を取り戻すのかは、
政権を取ってからのお楽しみ。3年前だったら
ごめりんちょ! まあ、その可能性も高いけど。
■ 政党プロフィール
いまや自民党を知らない人はいないでしょう。
それもそのはず、1955年に結党されたんだ。
前回の選挙では野党に転落。これは1993年の
細川連立政権以来2度目だ。でも、この選挙で
見事、政権をゲットしたら、安倍総裁が5年ぶり
2度目の首相に返り咲く、甲子園ストーリーが
待っている。今年の立候補者数は、337名。
■ 基本政策
争点政策1位: 景気(95%)
争点政策2位: 外交(59%)
争点政策3位: 復興(36%)
とにかく「民主党と違って、自民党は!」が
今回のキーワード。民主党と違って、できない
マニフェストは掲げないし、民主党と違って、
「まっとうな政治をする」ことを宣言してみた。
とにかく、経済が最優先! これだけはガチだ!
■ 原発政策
原発は再稼働。
今までずっと原発政策を推し進めたのに、
今さら「再稼働反対」なんて言えないでしょ。
それに、経済が最優先っていうのは、ガチだ!
目標は、3年以内に原発を再稼働すること。
原子力規制委員会が、科学的に大丈夫だと
言ったものを動かすんだから、きっと大丈夫。
公約にも書いていますんで、政権を取ったら、
金曜になるたび、首相官邸の前で太鼓叩いて
シュプレヒコールやるの、やめてくださいね。
あと、原発はウマウマするのに最高なので、
これからも主要電源の一つにして、うまいこと
原子力を廃止せずに済む「電力構成のベスト
ミックス」というヤツを考えたいと思います。
「やっぱ日本は、原子力が必要だよね」の
雰囲気を出すことによって、これからも原発は
推進していきますし、まだおいしい汁が残って
いるのに、ここで捨てるのは、もったいない!
さあ、原子力ムラの皆さん、我らが自民党に
清き一票をくださいませ!
■ 経済政策
自民党が政権を取ったら、まずは内閣に
「日本経済再生本部」を設置し、「失われた
国民所得50兆円奪還プロジェクト」という
壮大な企画をぶちかまそうと考えている。
このプロジェクトは、デフレを脱却するため、
まず「インフレを起こす」という禁じ手を使い、
世の中の物価を2%ぐらい上げるのを目指す。
失敗すると、世の中の物価が高くなっただけで
給料が変わらず、僕たちの生活が今までより
苦しくなるが、細かいことは、やってみてから。
そのためには、日銀法の改正も条件の一つ。
これくらい大胆なことをしないとダメだと思うよ。
これからは、日銀、政府、民間企業が一体に
なって、外国の国債を買いまくることによって、
ジャパニーズマネーのスゴさを見せつけたい。
貧乏な皆さんのためには、ハローワークを
強化しよう。どういうふうに強化するかは
これから考えるけど、とにかく強化する。
あと、産休や育児休暇を取りやすくしよう。
現実的に取りやすくなるかどうかは知らんが、
こう言っておくと、良いことしている感が出る。
あと、これから5年で、世界で最も大手企業が
活動しやすい国を目指すので、自民党は最高。
特に経団連の皆さん、どうぞよろしく!
■ TPP交渉
正直、TPPの交渉は、「アメリカの犬」として
お馴染みの野田君が勝手にやったことなんで、
ノータッチなんだけど、これから自民党に政権が
移った時に、アメリカ様がどんな態度で来るかを
見てから決めようと思っているんだよね。
「おい、テメエ、入るんだろう?」みたいに、
入らないといけない空気だったら入るだろうし、
「オマエ、どうする?」みたいな優しい感じで
言ってくるんだったら、もうちょっと考えようかな。
だから、こっちがいろんな条件をつけられない
雰囲気だったら反対っていうことにしておいて、
アメリカ様と世の中の空気を察しようと思う。
■ 消費税
「財務省の犬」としてお馴染みの野田君が
矢面に立って進めてくれたおかげで助かった。
消費税は、全額、社会保障に使うことにします。
まあ、なんだかんだ言っても、他のヤツに金が
流れるのは、いつものことだけどね。
■ 憲法改正
日本は、軍隊を持つべきだと思うのです。
だから、憲法を改正するどころか、新憲法を
作って、自衛隊を「国防軍」という名前にして、
さらに軍事力を強化しようと思うわけです。
こうすることで、アメリカ様と、さらなる強力な
タッグを組むことができ、今まで買えなかった
アメリカ様の武器や飛行機を買うことができ、
1都道府県に1台のオスプレイも夢じゃない!
そのためにも、憲法の改正を目指しましょう。
とりあえず、自衛隊の人数と規模を増やして、
予算もつけて、とにかくガンガンお金を注ぐ。
あと、最近は竹島や尖閣諸島の問題もあるし、
領土や領海を守る海上保安庁の予算も拡大。
これからは、軍事力利権でウマウマしていこう。
■ その他の政策
小学校6年、中学校3年、高校3年、
大学4年という制度を見直そうじゃないか。
変えたからって子供の頭が良くなるわけでは
ないんだけど、政治の力で変えてやった感が
出るので、なんだか良い感じである。
あと、海外では9月に入学するのが一般的。
これからの少子化社会、海外からの留学生を
受け入れないと大学もやっていられないから、
少しでも受け入れやすくするために、受験は
真夏にやることにしよう。
幼稚園は無料に、高校はお金持ちの人だけ
授業料を払う制度に変更。あと、「いじめ」は
良くないので、法律で「いじめ防止法」を作る。
あと、都道府県だと、ケアしなければいけない
地方が多すぎるので、道州制にしようと思う。
そして、これから10年間は、防災対策を徹底。
★ 有権者の判断ポイント ★
今回の選挙では、組織票や何も考えていない
ジジィ・ババァ世代の投票によって、自民党が
圧勝する公算が高くなっています。
しかし、3年以内の原発再稼働を堂々と掲げ、
今後も原子力ありきの電力構成を続けるのが、
果たして、日本のためになるのかどうか。
「日本を取り戻す」が、「原発を取り戻す」に
なっていないかどうかを検証するべきでしょう。
また、2つの大きな禁じ手を使うことに対しても、
有権者は考えるべきです。一つは日銀法改正。
インフレを作って失敗した国の前例があるから、
日銀法があるのですが、インフレを作って経済を
回復させるというスーパーミラクルは起こるのか。
せっかく「戦争しない」という憲法があるのに、
自衛隊を軍に昇格させ、「必要とあれば戦争を
やりましょう」という憲法にして良いのかどうか。
これらの政策を見て、明るい日本を想像できた
皆さんは、自民党に投票するべきでしょう。