レッスンをする上で非常に大切なのは「工夫」だと
思います。
構えてしまうと、アイデアって出ない。
なにか大きな工夫をしなくちゃ、レッスンで活かせない
…とプレッシャーに感じる必要はないんですよね。
生徒さんの個性や特性に合わせて、レッスン方法を
少しずつ変化させて対応して参りました。
これまでも、そしてこれからもそうしていくでしょう。
私の場合は、ふっと「降りて来た」場合が多い気が
します。
考えてなくはないけれど、アイデアや工夫を出すぞ~
と構えると、実践で使えるものは降りてきません。
この生徒さんに理解してもらうためにどうするのが
ベストなのか…真剣に考えては寝かせて~という
作業を繰り返すと、ある時ふと。
ポン!と膝を打ちたくなるような、自分でも直感で
(これは使える)と感じる何かが、降ってくるんです。
どちらかと言うと、もんのすごくでっかい工夫より、
小さな工夫を積み重ねてきたようです。
レッスン室や収納棚の中には、細々としたグッズが
たくさん詰まっています。
適切な時に、適宜、レッスンで使用してはしまって。
少し改良しては試して。
新しく作っては試して。
その繰り返しで27年。
本当に使えるものだけが淘汰されて残りました。
大きな工夫というか変化というのは、例えばレッスン室
を大改造したとか、楽器を変えたとか…でしょうか。
でもそれは滅多にできることではないですしね。
それに大きな工夫だけ…つまり環境を変えただけでは、
生徒さんがその時その場で必要なことを吸収できるとは
限らない。
環境や指導法だけ用意してもダメということでしょうか。
もちろん、その二つが無ければ指導できませんが。
その二つを最大限に活かして、生徒さんにわかるよう
に伝える=伝わる方法が「小さな工夫」でしょう。
それも、本当に使える工夫です。
自己満足のためにレッスングッズを作っても意味がない。
私はいろんなグッズや教具や教材を作っていますが、
ただ楽しくて作っているわけではないです。
確かに作ることが大好きなのですけれども、
”これを使ったら生徒さんが効率よく学べる”
と思うものを作っています。
音の階段然り。
順序立てカード(めくり版)然り。
ゆびばんごうつみき・どうぶつセット然り。
高さがあるピアノ椅子に一発で座れる工夫も然り。
その他もろもろ…これらは全て、物事を構造化した
結果、生まれたものです。
重い知的障害を伴う自閉症児として生きる娘から、
これまでたくさんのことを教えてもらってきました。
自閉症児に対峙するときに重要なのが、
”その子に応じたわかりやすさ”
で理解させること。ご存じの方もいらっしゃると
思いますが、TEACCHという、
「自閉症等コミュニケーションに障害のある子供達
やその家族への包括的対策プログラム」
があります。
「構造化された環境で認知発達を促す訓練をする」
というコンセプトにしたがって行われているものです。
構造化し視覚的な手段を使い、理解を助ける支援
をする…。私はこのプログラムを本格的に学んでは
いませんが、自然と構造化するクセがつきました。
娘を授かり、育てていく中で、自然と構造化が身に
ついたようです。
何か創意工夫を重ねて物を作る、というのは幼い頃
からずっと自然にしてきたので、当たり前でしたが。
ですから、私のそのモノづくりのクセと娘のために
構造化を考えることが、うまく合致したんですね。
娘のためにもいろいろ作っては挫折して~
試してみたら予想外に良かったこともあったりして~
よい方法だけが残った次第です。
…アラアラ、すみません。
もっと簡潔にまとめて早寝しようと思ったのに、
何故か長くなってまいりました。
この辺でまとめないとイケマセン。(笑)
なにが結局言いたいのかというとですね、最初の話
に戻りますが、「小さな工夫」を積み重ねていく。
これが大事だと思うんです。
構造化という言葉をタイトルにつけましたが、この
「小さな工夫」こそ、素晴らしい構造化だと思うから
です。
そしてそれは自己満足のためではないということ。
その工夫は提示し、生徒さんの正しい理解に繋がる
ものであること。
アイデアや工夫というのは、言葉で言うほど簡単に
出てくるものではないのも事実。
それにそれを本当に試してみないと、良い効果が
生まれるかどうかもわからない。
でもやってみる価値がある!と、私たちの心の中に
ある「講師魂」が言うのなら、試してみるのは悪いこと
じゃない。
知識と経験と直感を信じて、アイデアや工夫を生み
出して参りましょう。
(すみません、偉そうですね(;^ω^)。)
今日のおまけ。
先月友人にいただいた「MARAIS」(マレ)。
空き箱をパズルにしている先生方の投稿を拝見して、
私も真似します♡。
鍵盤の小箱を、生徒さんがいちいち開けないように、
開け口2か所を全てメンディングテープ(テカらないテープ)
でふさぎました。これでパズル作業だけに集中できる
でしょう。ふふふ。遊ばせないよ。
レッスンの待ち時間などでこれをパズルとして使って
いただきましょう。
毎日見ている鍵盤でも、バラバラだと組み合わせるのに
結構アタマを使うと思います(*´艸`*)。
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