17日の日曜日、非常に贅沢なレクチャーコンサートを
聴きに行きました。



都内の光が丘美術館の2階にて。
雨風がすごいことになっている外の世界とは
全くの別世界に連れて行っていただきました。









尊敬するピアノの先生であり、私の親友でもある、中嶋恵美子先生
とご一緒に♪
おかしいのは中嶋先生も私も別に申し込んで、
「ああ、やっぱり目の付け所が一緒だったのね~」
と後で判明して笑ったところです。
私は娘の調子次第で行けるかどうか直前までわからなかった
のですが、前日にこれなら行ける!と判断し、ぎりぎりセーフで
チケットをゲットしました。

フォルテピアノ奏者・小倉貴久子さんによる
レクチャーコンサート、
「フォルテピアノとベーゼンドルファーの弾きくらべ」











隠れ楽器マニアなのでついつい珍しいベーゼン(世界に12台しか
ないそうです。でも中身は通常のベーゼンらしい)を、パチパチと
激写してしまいました。

でも、本当の目的は小倉さんの演奏とレクチャーを心行くまで
堪能すること…!


小倉さん所蔵のヴァルター。
ヤマハホール、第一生命ホール、近江楽堂など、
小倉さんの演奏会でお馴染みです。(私は、ですが(^-^;)
お馴染みですが、滅多にお馴染みにはなれないと思います。
私は日本に住んでいて、小倉さんも日本で演奏活動をされている
からこそ、こうした貴重な出会いをいただいているんです。



いつもこのヴァルターで小倉さんが紡いでくださる音色は、
本当に美しいです。
芸術的、と一言では表現しきれないほどの感動があります。
どんなに長い時間聴いていても、耳に心地良い。
それは私の心のど真ん中を捉えているからだと思います。
楽器と一体になる、作曲家の思いを伝えることは容易ではありません。
小倉さんは、柔らかな笑顔とともに超人的な演奏力で語り掛けて
くださいました。


膝ペダルと、足を載せる台。
見慣れてはいるのですが、これを操作することだけでも
凄すぎることだと感じます。
(以前、カワイの竜洋工場でチェンバロやフォルテピアノを試弾
しました。フォルテピアノのタッチの繊細さに対応できないばかりか、
この膝ペダルにアタマも身体も混乱しました(;´・ω・)。)



鉄骨のフレームは、当然フォルテピアノにはありません。
平行弦、弱い張力で弦が張られています。
とても繊細ででも表情豊かな楽器です。
しかしその多彩で魅力的な音色を引き出すことができる奏者は、
滅多にいないと感じます。
それだけ演奏するのが難しい楽器。
その難しさを微塵も感じさせない、美しさ。
美しい音色、私は小倉さんの演奏の一番の魅力はそこだと思います。


私は楽器の材料や構造にも興味があるので、ついついマニアックに
撮ってしまいます。


間近で激写できるのは、このようなレクチャーコンサートだから
こそです。演奏だけでなく、こういった機会も貴重です。

フォルテピアノ(ヴァルター)と現代ピアノ(ベーゼンドルファー)を
弾き比べの贅沢な時間。
…もうね、どうしてこういうコンサートにピアノの先生がいないの
かしらん~と中嶋先生とひそひそ語り合いました。
もちろん会場は満員御礼。モーツァルト好きなみなさまの熱気が
むんむんでした。
でも、友達に教えたいけれど教えたくないような気もするのです。
それは、自分自身と演奏との世界にどっぷりと浸りたいから。
ひっそりと秘密裏に行きたいんです(笑)。

中嶋先生がおっしゃっていました。
Facebookの投稿より、引用させていただきます。

「1曲1曲の背景が奥深く幅広くて、ピアノ指導者なら誰もが
聞いておきたいと思う内容。自筆譜が見つかったという、
これまでのものと自筆譜に書かれていたものとの聴き比べや、
それに関する小倉さんの解釈についてのお話。
モーツァルトが影響を受けたというグルックのオペラについての
お話。プログラムの構成がものすごく考えられていて、贅沢な
演奏会というだけでなく、贅沢な授業という内容でもありました。」

そう、今まで見つかっていなかった自筆譜が発見されたという事実。
事実もさることながら、更にはその内容のなんと貴重なこと!
小倉さんのお話は、ピアノ指導者のみならず一般の音楽好きな方
にとってもわかりやすいです。
しかも目から鱗のことばかり。内容の濃いこと、幅広いこと。

当たり前ですが現在とは違い印刷技術はなかった時代、
写譜することで作品が演奏され伝えられて来ました。
録音技術もないですからね。
モーツァルトの演奏が(ピアノロールでもいいから)残っていたなら、
作品に込められた意図を、より理解できたでしょうけれども…。
それまで私たちが信じていた楽譜と演奏法が…実は違っていたと。
小倉さんは、研究者としても一級でいらっしゃると感じました。
モーツァルト自筆譜から読み取られた内容の深いこと。
お話と演奏、交互にされる姿を拝見しながら、その卓越した洞察力に
あらためて度肝を抜かれていました。

プログラム

W.A.モーツァルト:ソナタ イ長調 K.331《トルコ行進曲付き》
(弾き比べ)

W.A.モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K.573
(ヴァルター・モデル・クラヴィーア)

J.Ch.バッハ:ソナタ 変ホ長調 作品5-4
(ヴァルター・モデル・クラヴィーア)

W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
(C.ライネッケ編曲によるピアノ一台版)
(ベーゼンドルファー)

〔お話しとピアノ〕
小倉貴久子 Kikuko Ogura (pf)

2年前に自筆譜が見つかったピアノ・ソナタ《トルコ行進曲付き》の
自筆譜で明らかになった箇所の弾き比べ。
モーツァルトの本来表現したかった音、リズムがわかって驚きと
ともに感動しました。
協奏曲23番一台ピアノ版も圧巻でした。一台ですよ、一台版!

モダンピアノとフォルテピアノを交互に弾くのは、常人では不可能
です。できないです。
似て非なる楽器…それぞれの楽器の良さを最大限に引き出しつつ
魅力的な演奏を聴かせるなんて、小倉さん以外に誰ができるだろう、
と家に帰ってからも考えていました。
さらにアンコールとして、幻想曲 ニ短調,K.397を。
この曲は未完であり、謎に満ちた作品としても有名です。
今回は小倉さんの補筆による演奏を聴きました。
モーツァルトのファンタジーを小倉さんによる補筆で。
最後の最後まで深く濃い内容の演奏に、心奪われました。
全てが、小倉さんだからできるお話と演奏だったと感じました。

感動しすぎると、人は言葉を失います。
放心状態で家路につき、その後は怒涛の日常に押し流されて
いますが、思い出すたびに幸せな気持ちになるのです。
幸せなだけではないですね。
心の中に、例えようもない宝物をいただいたのだと思います。
だから、また絶対行こうと心に決めてしまうのです。


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