高校1年生のSちゃん。隔週でレッスンに来ています。
基本の練習曲を弾いてから、好きな一曲に集中してレッスンを
しています。
今回は”魔女の宅急便”より「旅立ち」でした。
オクターブの和音が特に苦手なSちゃん。
曲の半ばの盛り上がる箇所では、右手はオクターブ奏の連続。
左手よりも右手の開きがあまり・・のSちゃんは、苦労していました。
これまでは、こういった場合には和音の中の音を抜いたり、
オクターブにならないようにアレンジしたりしていました。
しかし、今回は全て楽譜のままに。
しかも、私のお手本(録音)なしで自力で練習に取り組みました。
お手本を必ず録音してから、これまでは家で練習していましたが、
この前の曲(ハウル)から私からの提案で、
「Sちゃん、私の演奏はレッスンだけで、録音なしで練習してきて
ごらん。それもまた勉強だよ。」
と。
耳である程度聴いて覚えてしまうと、楽譜を真剣に読もうとしなく
なってしまうので、そうしたのでした。
果たして今回、この「旅立ち」の仕上がりは…とても早かったです。
一番苦手な盛り上がり部分を、徹底的に(10回、とかそれ以上)
弾きこむように促したのです。
難しい~できない~右手が開かない~とかなり悶えていたSちゃん。
でも、壁にぶつかるたびに私と一つずつ解決のための奏法を
勉強しました。
テンポもリズムも前回よりも格段に安定し、ゆっくり確実に演奏する
ことで非常に素敵な仕上がりを見せてくれました。
よくできました。これで一つまた前進です。
自力で音を読み、自力で困難を乗り越える努力をする。
当たり前のようですが、意外と難しい。
見事合格して次の課題は、
”バケモノの子”より「スターティングオーバー」。
彼女はこの夏2回もこの映画を見に行き、大ファンなのです。
私がお手本で弾いて聴かせると、もうノリノリで歌ってました。
「Sちゃん、大好きなんだものね。嬉しいね!お手本、録音する?」
と聞くと、
「いいえ、いいです。大丈夫です!」
頼もしいお言葉。
私の録音を当てにしなくても、自分で弾く力をドンドンつけてください。
その姿勢、素晴らしい。
なんでもやってみること。
自分で音楽を作り上げる醍醐味は、そこにあります。
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