先日のレッスンにて。大人の生徒さん、Sさん。
小学校1年生のKちゃんのおばあちゃまです。
生徒さん全員にハイチュウをくださった、粋なSさん。
みんな先週今週は大喜び！
私に「ありがとうございます♪」って言ってくれていますが、
それはSさんに向けてなのです。
私が代わりにお礼を言われちゃって恐縮しています。
「だってね、先生。ピアノって難しいじゃないですか～。
それを子供たちは毎日練習してるんですもの、すごいです。」
…そうおっしゃっるSさん。
大人になってから、ピアノを始められたのですけれど、
これがまた努力家でいらっしゃる。
私が愛を込めて作った”ゆびのたいそうシリーズ”を、
”小悪魔先生のたいそう”とこれまた愛情を込めて呼んで
くださっています。
ドリルはもう何冊おやりになりましたでしょうか…。
6、7冊は軽くいきましたね。
音高・音価の理解は徹底したドリル攻略で、ばっちり習得
されています。
ピアノのテキストはこれで3冊目。
わずか一年ほどで相当数の課題をこなされました。
だからこそ、お孫さんのSちゃんの苦労もわかるし、
頭ごなしに”やりなさい”とは言えないとおっしゃる。
子供たちの吸収力にも改めて驚いていらっしゃいます。
「ピアノを弾いていて、両手になると特に難しくって、
”もう～～！！”と嫌になることもあります。
でも、またしばらくするとピアノに向かいたくなるんです。」
ピアノに向かいたくなる…！
練習マジックですね♡
練習すればするほど、うまくできなくても何度も挑戦します。
それでもうまくいかないときは、えいやっとピアノの練習を
放棄してもいいんです。その日はもう寝ちゃっていただいて。
そして一晩明けたら、またピアノへ向かう元気も出ますから。
というか…、ピアノに自然に向かえるのですよね。
そういうふうな癖が付くんです。
不思議ですね。
大人のピアノで一番大事なことは、一つでもできることが
増えたら自分を褒めること！
「先生、大人になったらだれも褒めてくれませんものね。
レッスンで先生がたくさん褒めてくださるので、本当に
嬉しいです。」
Sさん、そうもおっしゃいます。
いや本当に私は心から褒めたいんです。
だって、本当に素晴らしい演奏ですから。
一音一音、大切に良く気を付けて弾いていらっしゃる。
そのお姿から、おうちでどれだけ努力されたかが推測
できますもの。
今回のレッスンで、”いつか王子様が”を仕上げられました。落ち着いた雰囲気、譜ヅラもやさしげですが、おっとどっこい
実はそうじゃない。
右手も跳躍が多く、左手も一小節毎微妙に和音が変わりますから、
音数は少なくてもとても難しい曲なんです。
Sさん、諦めずに集中して最後まで演奏されました。
最後まで弾ききった時、私は
「素晴らしいです！すごく素敵！」
と心から拍手。
「本当ですか？！嬉しい～！」
Sさんの考え方、練習の工夫、諦めない気持ち。
全てが素晴らしい。
「苦労もありますが、一か所でも弾けるようになると、
嬉しいんです。」
いつもそうおっしゃいます。
その体験の繰り返しを積み重ねていけば、きっとずっと
ピアノを弾く楽しみは消えないと信じます。
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