毎週レッスンに通ってくれる生徒さんが多いですが、
隔週で来る子もいます。
小学校高学年のSちゃんもその一人。
お姉ちゃんのKちゃんは高校1年生、ただいまピアノをお休み中です。
妹のSちゃんは、ピアノを自分のペースでゆっくりと学んでいます。
土曜日の午前中、二週間に一回のレッスン。
昨日は私からのご提案に納得できないことがあり、泣いてしまいました。

その涙が納得の涙に変わるまで、少々時間を要しました。
気が付けば時間オーバーでしたが、その後お昼でしたので対応でき
ました。

ご挨拶をし、ドリルの丸付けをし、ドレミ観覧車と音名フラッシュカード
でウォーミングアップ。
ピアノに移り、ゆびのたいそうで頭と指をピアノに慣らしてから、
本命の課題を弾いてもらいます。

ちょっと前までは、なんでも完璧にできないとゴキゲンななめになって
いたSちゃん。
あまり弾きこんでいない曲でも一発で間違えずに弾けたら、

「フルコンボ―!!」

と嬉しそうにその出来にご納得。
一つでも間違えると、

「もう弾かない!」

と言いながらふくれてしまう感じでした。

でもピアノは、練習もなしにカケで弾いてもあまり意味がない。
その時はピアノの前に座れて弾けたらOK!としていたので、
それでも良かったのですが…。
そろそろ本当の”弾ける喜び”の意味を教えたいと思いました。

最近は間違えたら弾き直すことができるようになりまして。
それはSちゃんにとっては素晴らしい進歩です。
間違えた自分を受け入れられるようになったのですから。
そうしたら次の段階ですね。
間違えるのが当たり前だから、お家での練習でも練習する
順番を守って(リズム打ち→階名読み→片手ずつ→両手ゆっくり)
毎日ピアノに触ること。

Sちゃんの成長の様子を見ながら、何年もかけて根気よく伝えて
来ました。
練習する順番も、毎日少しずつ~ということも、以前から繰り返し
あの手この手でアプローチしています。
…がっ。
Sちゃんはお家ではなかなか練習の習慣ができず、いつも前日の
練習のみ。だからレッスン室に入ってくるなり、

「先生、お伝えしたいことがあります~。
”うさぎ”(童謡の”うさぎ”です。8小節の両手奏の曲)が
超難しかったです~。」


と(^-^;。

「そうか~、そうだよね。難しかったかぁ。
Sちゃん、ところで練習はどのくらいしたのかな?」


「いっぱいしました!」

「おお、それは素晴らしいね。それはもしかして昨日かな?」

「はい~。もうすごく弾きました~。」

Sちゃんとしては、その一回の練習ですごく頑張ったわけです。
ものすごく苦労した感満載で、表情にも演奏にもそれが
顕著に表れていました。

わかるよ、わかるけれども。

「Sちゃん、頑張ったね。でも楽しく弾けたかな?
すごく緊張して弾いたんじゃない?」


「はい~。もうすごく緊張しました。」

「うん、そうだね。そしたらさ、もう少し楽に緊張しないで
弾けるようになるまでお家で頑張ってみようよ。」

そうしましたらば…Sちゃん号泣。

ギリギリ弾けたのに先生が丸をくれない、と。
そのことに憤りを感じ、悲しみMaxになり、嘆きました。

お父様が横でいつもレッスンを温かく見守ってくださっています。
お父様のご意見も私と同じだとわかっているので、
まずはSちゃんが落ち着くまで時間を置きます。
その後、

「…Sちゃん、ぎりぎりで弾けて丸をもらって嬉しいかな?
もっとさ、”ああ、弾けて楽しい”って気持ちで終わったほうが
良くない?」


Sちゃん、納得できず。
一発で弾けたのにどうして先生は〇をつけないのか。
心の中はショックでいっぱい。
もう一回弾いてみる!と言うので私は条件を出しました。
本当は間違えずにというキーワードは使いたくないのですが、
Sちゃんが自分の練習不足を理解できるように、敢えてこう
言いました。
Sちゃんは何としてでも〇が欲しいのです。

「じゃあさ、弾いてみて間違えずに弾けたら丸ね。」

…もんのすごく緊張しながら、そして注意深く演奏してくれた
Sちゃん。でも、確実性に欠けている演奏ですから間違えて
しまい…。またしてもSちゃん号泣。

「先生はね、Sちゃんに、”ピアノって楽しいな~”の気持ちを
味わって欲しいんだ。そのためにはもう少しお家で弾いてみて、
”うん、もう楽ちんに弾けるよ!”って感じにしてから、先生の
ところに持って来てくれるといいな。」

「ピアノって楽しいなって思えないと、新しい曲になっても
ずっと楽しい気持ちにはならないから。
先生はSちゃんに、ピアノの楽しさを教えたいんだ。」

…繰り返し繰り返し、穏やかにしかしはっきりとそう伝えました。
20分ほどかかったでしょうか。。

ようやくSちゃんの口から、自己を客観的に冷静に見つめる言葉が
出ました。

「私、間違った練習をしてしまったのですね。」

これはSちゃん独特の表現法です。納得したというサインです。

理解力も想像力もある子。
”苦労してやっと弾く”状態から抜け出すこともできるはず。
成長は彼女のペースでゆっくりですが、納得できれば先へ進めます。
それがどんなに時間のかかることであっても、私は寄り添うことに
決めています。

ピアノを弾くことの本当の意味を知ってほしい。
Sちゃんにも、少し伝わったようです。


  うたえる!ひける!ピアノ曲集①(DOREMI)




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