本日のレッスンでの一コマ。
小学校3年生のSちゃんは、最近とても表現力が豊かになって
きました。もともと指の力も体力もあるSちゃんでしたが、
指先だけでなく身体全体で音楽を表現できるようになり、
奏でる音には、力強さに加え、柔らかさと遊びが生まれています。
私の真似をしては時々おふざけもありますが^_^;、Sちゃんの
「こう弾きたい」の気持ちも大事にしたい私です。
Sちゃんには、がっちりした指導よりも少し自由度を持たせた指導が
合っているように感じています。
生徒さんの個性に合わせ、また生徒さんの年齢や置かれている環境、
その時の心理状態もさりげなく察知しつつ、その日のアプローチ
を工夫して即応することも大事かなと思います。
今日はレッスンの準備を終えるなり、立ったままピアノを弾きだしました。
となりのトトロ、そしてさんぽ。
おお、どうした？Sちゃん。
「あのね、Rくん（弟くん）がね、トトロ弾いて～っていうから、
弾いてあげたの。」
・・・なんと優しいお姉ちゃんでしょう。
SちゃんにはRくんという小さな弟くんがいます。
2語文、3語文が話せるようになったRくん。
すでに、「ピアノをやりたいよ～」と母ちゃんにアピールしているとか。
Rくんはトトロが大好き♡なので、お姉ちゃんにリクエスト！
Sちゃんは右手のメロディも左手の伴奏も、自分の耳で音取りして
最後まで弾いていました。
素晴らしいですね♪
和音やメロディが合っているとかいないとか、そういうことではなく。
弾いてあげたい、なんとか自力で弾いてみようとしたのが素晴らしい。
私はSちゃんを褒めました。
「Sちゃん、偉いね～！すごいじゃない。上手だよ。」
（Sちゃん、「うふん♡」とドヤ顔。）
いつも課題曲をこなすことで精一杯だけれど（←今Sちゃんは難しい
曲を頑張っています）、今度楽譜をあげようね。
本日は出した課題以上に弾いて来ました。
練習曲3曲、併用曲集より3曲、私のオリジナルのゆびのたいそう、
シリーズもの（これはSちゃんには簡単だけれど、好きなのです）を。
曲を弾く前のブレス、忘れずにできるようになったね。
まだちょっとブレスし過ぎだけどね(^_^;)。
併用曲集は総合力が試されるので、これはテクニックだけでなく
理解力、想像力、柔軟性、表現力…等々、自分の持てる力を
総動員して演奏しなければなりません。
良い演奏を目指して欲しいといつも願っている講師。
Sちゃんは指先だけでなく、手のひら・手首・腕・ひじ・肩の動きも
以前より滑らかになりました。
体幹を使って弾いている感じです。自由さが増してきました。
まだまだ道半ばですが、その”感じを掴む”のは本人しかでき
ないので、引き続き自分の表現力を高めていって欲しいです。
Sちゃんの面白いところは、しっかりと弾ける集中力を持っている
反面、ちょっと自分の演奏がアヤシイときもどうにかしてしまう
プチ・強引さ（笑）を持っているところです。
まま、できないところをごまかすのはいけませんが、
それでも「自分の音楽は、こうだ！」という強い意志は大事です。
そこを、頭ごなしにダメ出ししてはいけないかなと思います。
甘やかすのとは違います。
伸びようとするその子の芽を摘まないように、うまく誘導する機会
を狙っているのです。
ある程度の自由さを、生徒さんには持たせたい。
でも、適切な指導も忘れてはならない。
私も日々勉強です。
生徒さんとの駆け引き、褒めつつ妥協しないように、と。
叱ることや、強く指導することは簡単です。
でも、それが本当にその生徒さんのためになるかどうかは
わからない。
何がその時一番適切なのか、レッスン中は常に考えています。
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