来月半ばに合唱祭の本番を控えている、中学校3年生のSちゃん。

いつも課題で出す宿題よりも、難しい曲にチャレンジしています。

受験もあったりで勉強も忙しい中、みんなが歌いやすいように

伴奏者としての務めを果たそうと、一生懸命です。

「先生、学校の先生にこないだ指揮者の子と呼ばれました。」

「先生はなんと?」

「こことここ(←箇所を示して)、もっと速く。…もっとですよ、もっと。

この曲はテンポが微妙に変わるから、アッチェレランドでは

もっと前向きに。それから間奏ではもっと音を出して、って。」

「なるほど。じゃあ、まず通して聴かせてね。」

「はい!」

ということで通して最後まで。

もう仕上げの段階なので、私が合唱部分のメロディを歌いながら

伴奏しやすいように導きます。

…そうだね、前奏を弾く前はしっかりカウントしてね。

指揮者もあてになる場合とならない場合があるから(笑)、

指揮も見るけど、”このテンポ”としっかり自分の中でカウント

を取ってブレスもしながら入ってね。

テンポ、最初は76、そのあと84、76、84、88…と変化するね。

その合間にもちょこちょことポコリタルダンドやアッチェレランドが

入っているしね。これはこの速さ通りにしなさいということよりも、

歌詞の意味を受けての感情の起伏を表しているんだよね。

「よし。ここのリズム間違えてるよ。直そうね。

そうだなぁ、前奏・間奏・後奏はもっと右手のメロディを出して。

歌うんだよ、ピアノで。」

「あっ、そこ左手のアルペジオの音を覚えるので精一杯でした。」

「(笑)そうか。確かに意識している手の方が音が大きくなっちゃうよね。

でもそこは右手をもっと出さないと。せっかくのきれいな旋律だから。」

「はい。」 (私が弾いて聴かせ、Sちゃんも慣れるまで弾く)

「じゃ、今度は私が歌いながら指揮もするからね。」

「はい!」

私は指揮者と歌い手の二役をしながら、Sちゃんの伴奏を

引っ張ります。すると、

「荒木先生と一緒に演奏すると、やりやすいです!」

とのご感想。そうか、それは何より。

これは指揮者に力がないとなかなか曲が盛り上がらないかも

知れないね~。でも、こうしてこの曲の持つ魅力を一緒に感じる

ことは大事だから。

伴奏者は何かと要求されることも多いですね。

友達からも、

「オマエ、さっき間違えただろ~」

なんて辛辣な言葉ももらったりして。

伴奏者として必要な力は、まずテンポ通り弾けること。

そのテンポがむやみに揺れないこと。止まらないで弾くこと。

小さな間違いや突然の出来事に動揺しないこと。

歌もしっかり聴きながら合わせて弾けること。

そしてこれは講師としてはあまり…なのですが、音量があること。

学校の行事のために、伴奏者を務めることは大変です。

いつもより難しい内容なら尚更。

でも、「他のために」と努力することはとても良いことです。

それが結局は自分の力になりますから、経験することは

悪いことばかりではありません。

あと一か月弱、Sちゃんのやる気と本気にじっくり付き合おうと

思います。


【オマケ】

Sちゃんがどんどん上達していくので、そして苦手なところも

克服していくのを見ていて、演奏の途中でも

「Sちゃん。そう!うまいっ。」

とか、

「いいねぇ。上手だよ!」

と褒めまくりましたら、

「やだな~先生!もう褒められるとドンドン登っちゃうんで。

褒めないでくださいよ(笑)。」

とそんなやり取りを何度も。

…なんだかどこかで聞いたような、そんな人がどこかにいたような?


「いいじゃないの~。」

と言ったら、

「ダメよ~ダメダメ

と返されました。



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