私の教室には「ツイッターノート」があります。
生徒さんや保護者さまに自由に呟いていただくノートです。
待ち時間等に、一言。
一言じゃなくてもいいし、絵を描いても素敵♡
書くのはちょっと~の生徒さんは、読むだけとか。
それぞれ好きなように利用してもらっています。
普段は、小さな生徒さんたちのかわいい絵やメッセージ、
思春期ならではのちょっと気になる悩み、
時々先生からの無茶ぶりクイズ・・・などなど。
低学年の生徒さんは、その日にあったことを日記代わりに。
はたまた、次なる目標をでっかく書く子もいます。
さてそんな中…昨日は「母の切なる嘆き」を記入してくださった方が。
左のページです。
(右には小2のSちゃんの無邪気なツイートが)
ピアノを初めて1年ちょっとの生徒さんのお母様より。
7/25(金)
皆様、先日の発表会大変お世話になりました。
課題が決まって「さぁ~練習!!」とがんばるのだろうと
思っていましたが…(4月ごろ、学校もいろいろ行事があり、
忙しいけれど)5月に入ってやるのか?と思っていれば、
ますます忙しくなり練習はまったく…。
もうすぐ弾き合い会…ん、毎日イライラモード爆発でした。
発表会まで本当に大変でした。
ピアノが好きなら練習も頑張れるはずなのに…
娘はなぜ?!と、仕事から帰るたび、またイライラ。
みなさん、そんな時はどんなお言葉をおかけしているのでしょうか?
”親としては、楽しく弾けるようになるまでは、がんばって
欲しいと思っているのです。”
~次の目標~
グレードももがんばって欲しいわ
時は金なりです、よね。
母の愛は無限です。偉大です。
でもあんまり怒ったりしてパワーを使いすぎたら、
お母さんだって疲れちゃう。寝込んじゃうヨ。
怒りたくないけど、怒らなきゃいけないときもある。
優しく諭すだけじゃ、子育ては成り立たない。
親って大変なんだよ~。私も一応親なのでそのお気持ち、
痛いほどよくわかります。
この生徒さんもお母様もすっごく頑張り屋さんなのです。
アイデア豊富で、明るい性格、しっかりもので、やるときには
トコトンやる生徒さん。
発表会では私のねらい通りに、表現力豊かに立派に演奏して
くれました。絶対やればできる子。
いえ、どの子もみんなできるんです。
性格はそれぞれ、育っている環境も違うし、生活のリズムも違う。
自分の置かれた立場の中でみんな精一杯頑張っています。
頑張っているけれども、どこかで自分に甘くなってしまう。
あと一歩の努力が足りない。
一日の一歩が積み重なって、一週間、二週間。
その積み重ねを怠ると…当然上達しません。
ほかの生徒さんと同じように「発表会」で、グンと伸びたこの生徒さん。
でもやはり、サポートする側の悩みは尽きない。
お母様の嘆き、私も激しく頷けます。共感します。
そうしましたら、本日のレッスンに付き添ってくださった保護者様の
お一人が…「先生、私も同じ悩みです~」と小声でこぼされました。
案外、というか結構この悩みをお抱えの保護者様はいらっしゃる
のですね。あまり大きな声で言わないだけで。
みんな音楽は大好き!やれば絶対できるはずなんだけど、
自分から進んで練習できる…とは限らない。
完璧を求めるあまり、練習し始めの「うまく弾けない自分」が
イヤだから弾かない~でも弾けるようになった自分は好き。
…とかね。
自分が今何をどう弾いているのか、ちゃんとわかる速さ(超ゆっくり)で
何度も繰り返し練習できるか。→それがついつい早くなり、
練習そのものがイヤになってしまう、とか。
つっかえたらその部分だけ、弾けるようになるまであきらめず
練習(ゆっくりとかリズム練習とか)すれば必ずできるように
なるのに~途中で投げ出しちゃったり、ね。
レッスンでやっていることを、家でもトコトン再現しようと努力すれば
いいだけなのに、やらなかったりね。
なんとなく理由をくっつけて、ピアノが目の前にあるのに
やらなかったり。
…甘い。甘いぞ…!
先生が今パソコンの前で食べている、
宇治抹茶かき氷より甘い。
人間だから、いつも自分に厳しくできはしないし、甘えも必要。
だけど、敢えてこの生徒さんには叱咤しました。
まずは練習不足でもピアノを弾いてもらいました。
家で弾いたのと、今先生の前で弾いたのではどちらが上手?
…今弾いたほうのです。
そう、順序立てて慌てずにコツコツと練習すればできるんだよ。
わかっているよね?
…はい。
じゃ、やりなさい。今じゃなきゃできないんだから。
やらないんだったら、先生が明日にでもKちゃんのピアノを
もらいに行っちゃうからね。
やりたくて始めたピアノを中途半端に投げ出すことは、
先生が許しませんっ。絶対だめ~~
石の上にも三年、ピアノの前に10年!わかった?
…はい。
お母さん、ちょっと厳しかったでしょうか?と聞くと、
「ぜ~んぜん先生、家ではもっと○▽※!⚓ですから。」
Kちゃんのお母様ともしっかり意思の疎通ができているので、
私もここまで言えたわけです。
本当に、辞めるのは簡単です。
でもこんなに中途半端で辞めたら、結局はそのお子さんのために
ならない。最後まで諦めないでやれるところまではやって欲しい。
できないときは仕方がないけれど、今まさにできるチャンスがある
のだから、やらなきゃ!
自分の甘えは克服しなきゃね。
最後にはKちゃんは、いつもの明るさを取り戻して帰っていきました。
お母さんの嘆きの後に、
「はぁー、でもやるぞ!!!」
と、でっかい文字で書き込んで。
「はぁー」って何よ?!とお母様と私で突っ込みましたが、
ご本人は今度こそやる気を無駄にしないと意気込んでおりました
ので、ま、いっか。
本当に魅力のある生徒さんです。
どの子も個性がきらっと光っています。
可能性に満ち溢れて、みんな輝いているのです。
もっとその子らしく、そして与えられた環境に感謝しながら
今の自分をもっともっと磨いて成長していって欲しい…。
その願いは、お母様も私も同じです。
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