カワイ音楽教育研究会 が発行している『あんさんぶる』5月号に、
「ピアノのみらい」と題して、
ピアニストであり東京藝術大学理事・教授である
渡辺 健二先生のお話しが載っています。
一昨年2011年は「リスト生誕200年」。
カワイ表参道・パウゼにて「リストフェスティバル」として、
シリーズで開催されたコンサートや講座の一つ、
リストの作品の公開レッスン&講座を拝聴しました。
その時の講師の先生が渡辺 健二先生。
レッスン生は先生の門下で学ばれている、藝大の学生さん。
曲は、ソナタロ短調。
非常に芸術的であると同時に、複雑で長大なソナタです。
その学生さんの演奏もすばらしかったですが、
先生の音の多彩さと奥行きの深さに、
テクニックを越えた美しさとでも申しましょうか…。
先生の解説とともに語られた演奏の中に、
リストの追求した音楽の可能性を感じることができました。
とかく”ヴィルトゥオーゾ的な”曲ばかりを書いた作曲家として、
一般的に知られているフランツ・リスト。
とにかく弾くことで手いっぱいな印象を与えているその作品たち。
でも本当は、音を通じて精神性を表した、
リスト独自の深い深い心の世界なのです。
私にとってもこの時のレッスン&講座は、
リストの作品に対する理解を変えたのでした。
そんな経験があったので、
今回のこの『あんさんぶる』5月号で渡辺先生の書かれている
お言葉に深くうなずき、2年前の先生の音色が思いだされました。
印象に残っている音を思い出すとき、
その時受けた感動もふわ~っと心によみがえってきますね。
そんなふわ~っと幸せな記憶を心にしながら、
読んだ文章の中で特に印象的だったのが、
「ピアノを弾く人には何よりもまず音楽を愛し、
楽しんでもらいたいですね。
その愛情が強ければ強いほど少々面倒くさくても
ピアノを練習しようという気にもなるでしょう。」
…本当ですね。
練習って面倒くさいものなのです。
でも、弾いているうちに楽しくなってくる。
そして、その演奏を聴いた人が喜んでくれたら
嬉しくてもっともっと練習したくなる。
練習って、そういうものです。
理屈ではなく、そうして数をこなしていかなければ、
本当の意味での”練習”はいつまでたってもわからないままでしょう。
「楽しい!」
「嬉しい!」
「もっと!」
…につながるから、私たちは練習するのです。
2011年日本で初めてオリジナルな国内版として出版された、
ロ短調ソナタの原典版楽譜。
野本由紀夫・校訂、渡辺健二・運指、ペダル。
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講師 荒木 安子(あらき やすこ)
ピアノ・声楽を教えさせていただいています。
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