こんにちは、東大合格請負人の時田です。
センター試験２０１８ 日本史 差がつく１UPポイント
第１問で出題された[土地制度]についてです。
Ｉ 東大寺領糞置荘開田図(くそおきのしょうかいだず)
名称自体を見たことないかもしれませんが、「荘」の字を見たときに
「荘園」はイメージできると思います。
これは、越前(今の福井辺り)にあった東大寺の初期荘園のことです。
東大寺が注目される時代なので、奈良時代の話です。
この図は、正倉院宝庫に収められています。
条里制は、
墾田永年私財法によって耕作地が急増したことで
採用された、農村の土地区分の方法です。
６町（３６０歩、約654m)四方に区分けした。
１区画はさらに３６等分されて、坪という名称がつく。
この坪は、千鳥式坪並(蛇行している形)と
平行式坪並(どの方向も同じ方向に並ぶ)がある。
条坊制は、
中国や朝鮮半島の都市にみられる都市の区分け制度です。
条は南北の路を表し、坊は東西の路を表します。
条と坊が、碁盤の目状に組み合わせた左右対称の都市を
つくる目的が条坊制です。
京内では、４町(約530m)ごとの路で区分けされている。
本問は、荘園の話ですから地方の条里制が適します。
都市or地方、しっかりおさえておきましょう。
II 伯耆国東郷荘の下地中図(ほうきのくにのとうごうのしょうのしたじちゅうぶんず)
伯耆国(ほうきのくに)は、今の鳥取県辺りです。
下地中図は、鎌倉時代の荘園のありようを示したものです。
まず、前提となる背景を知っておきましょう。
この頃、地頭請(じとううけ)という制度がありました。
これは、荘園領主が年貢の一定額分を地頭に請け負わせて、
代わりに荘園の経営を任せた制度です。
そんな事をしたらどうなるか、、、
はい、争いが生まれます。年貢の横領なんか起きちゃいます。
荘園領主と地頭との争いです。
下地中分を見てもらうと分かりますが、
この両者のサインがあります。
ｾﾝﾀｰの図では、さらに執権と連署のサインも
そこに載っています。
争ってる者同士のサインですから、
和解？妥協？する契約書かな、と想像できたら十分です。
下地中分は、地頭の荘園侵略に対して、
荘園領主が下地を区分けして、
領家分・地頭分に分け、相互の支配権を確認して、
それ以降、干渉・侵略しないことを約束する解決法です。
問題文には「荘園領主」同士という記述があるので、
この部分が誤りですね。
図を見るときは、絵の部分だけではなく
文字にも着目すると、ヒントをもらえます。
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