1月30日(土)に行ってきました。『DUST-ダスト』(インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック)。
て、今更レポかい。(公演詳細は、拙ブログ「まだ席あるよ!『DUST-ダスト』 」をご覧ください。)

 

さすがに10日も経っているので、仔細な内容は忘れちまいました。だからこそ、今年はダンスレポをすぐ上げようと思っていたのですが、書き出すまでのイメージが湧かず、それを待っていたら記憶が薄れていったわけです。(実は『ON-MYAKU2016』も同じ日に行って、そちらは書きたいことが明確だったので次の日にレポ上げたのですが)

見に行ったのは森山未來が出ているというのもありましたが、そもそも以前、彼のイスラエル滞在の様子をセルフ撮影してNHKで放映された「踊る阿呆」の中で、実際にこの『DUST』の創作・練習風景から舞台で演じている様子なんかを見ていてとても興味があったわけです。
インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック ダンス・カンパニーって、どんな舞台やるの?てな感じで。

で、どんな舞台だったか、こちらの馬場秀和さんのブログをお読みいただくとわかりやすいのでリンクお借りします。(いきなり他力本願)
◎馬場秀和ブログ
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01


実際に見て思ったのは、これ、ダンスなん?ということ。未来も含めダンサーの動きはすごいんですけど、全体的な印象は、セリフのない演劇に近い。セリフがない分、ダンスで表現しているというか、ちょうど『死刑執行中脱獄進行中』にタイプが近いというか。(それこそ、机に飲み込まれるシーンとか重なる部分もあったりして)ただ、それよりももっと説明とか展開とかがないせいか(ま、ダンスだから当たり前やけど)、観客の方は今ひとつ入り込めない。あああ、ていう気持ちの高揚は訪れない。

公演パンフを読むと、舞台設定のイメージを巨大な厄災から人々が逃げ込んだシェルターかもしれない、とアブシャロムが語っていますが、いわゆる、どこか置き去りにされた空間、ここにいる子供たちは生きているのかあるいはあの世にいるのかもわからない、といった不思議な雰囲気があった。
舞台の照明が最初から最後まで変わらず、黄色というかオレンジというか肌色のイメージで、柔らかく、暖かい。ダンス公演でこの照明の色は見たことない。なにかあの世の雰囲気。
一言で言うなら寓話の世界というか、この世界観はアニメーションで描かれる非現実感に近い。そしてウェルメイドな映画を見たときのような安心感がある。どこか上質で洗練された喜劇を見ているような、パントマイムのようでもあり、サーカスでピエロが作る完成されたエンタテインメントショーを見ているのと同じような気持ちになる。

ダンサーの動きは、常にコミカルに動いているんだけど、時々見せる激しい動きに「すごい」と思わせるものがあって、特に未来と同じ子供役を演じたイスラエル人(?)男性のダンサーの動きが何げにすごかったんですけど、そのすごさ感、うっかりすると見落とすぐらいに軽々とやってらっしゃるんで、「他の観客の方、あの人すごいって気がついてるかしら」と思ったほど。
未来は突出することなく、あくまでカンパニーダンサーとして演じていたというか踊っていました。途中から、森山未來を見に来たことを忘れていました。意外なのが、他の男性ダンサーが背丈はあってもわりと華奢なんで、彼がちょっと大柄に見えました。

ふと、このカンパニーで「星の王子様」をモチーフにしたダンス見てみたいな、と思った。あの有名なイラストのタッチと、今回の舞台イメージがすごい近いんですよ。照明、音楽、衣装とか。そういうのも含めて、彼らのダンスって、大人よりも子供の方にストレートに受けるんちゃうかなとも思います。

 

 



ところで、彩の国さいたま芸術劇場のダンス・ラインナップ 2016-2017はまたまたすごいです。
http://www.saf.or.jp/arthall/information/detail/391
5月 アクラム・カーン&イスラエル・ガルバンによるデュオ『TOROBAKA-トロバカ』
6月 コンドルズ2016新作
10月 フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCAの最新作『CONTACT-コンタクト』
来年3月 ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団による代表作『NELKEN-カーネーション』

そして『TOROBAKA-トロバカ』はチケット発売中です。ブタマンはもちろん購入済みです。
http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/3350