今年の茶帯ペナ級大一番!高橋健太vs大塚博明!!・・・2012年アジア・オープン特集② | 柔術新聞

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柔術の事について書いていきますね。


近年世界の柔術界は、ヤングな天才達が完全に従来の技術体系を変更し、新しい段階に突入して活気づいています。
今回来日して多くの柔術家にショックを与えたミヤオ兄弟も、そういう新勢力の最右翼ですよね。

そして気がつくと、日本柔術界もその流れに乗って、フレッシュな技術コンセプトを持ったニュースター達がシーンを活性化させているという状況になってきました。

これは素晴らしい事ですよ!!!
若武者抗争、注目している方も多いと思います。
今一番面白いストーリーですよね。

アジア・オープンは、そんな若猛虎たちの、今年最後の決戦の場でもありました。

タレントひしめくアダルト茶帯ペナ級!
きましたよ初戦から!!!!!!!!!!!!!!!!!!111
2012年ヨーロピアン・アダルト紫帯ペナ級2位!新世代愛の戦士GSB高橋健太選手と、全日本選手権茶帯ペナ級2位、そしてあのコパブルテリア・アダルト茶帯完全制覇!戦うネクスト・キャビネット、次世代リーダー大塚博明選手がクラッシュ!!!!!

アダルト茶帯ペナ級・・・
高橋健太(グラップリングシュートボクサーズ)vs大塚博明(GRABAKA柔術クラブ)




初戦から各所に緊張感を走らせた大一番でした。
確かにこれはぱねえハイレベル・・・。
冒頭から大塚選手引き込みキワのTD!
少しのスキも見逃しませんね。


そして高橋選手も三角ロックから腕十字で応酬、素晴らしいですねー。
高橋選手は他の試合でも三角決めてますが、本当に足の上がりが速いです・・・。

1分20秒過ぎ、大塚選手が足流しレッグドラッグ・パスで攻め込むと、高橋選手は余った足を中に入れて防御!レベル高!!


その後
50/50戦に突入!!
これが駆け引きのある50/50戦で、見どころです!

お互いを立たせまいとして、必死のポイント攻防を展開。
両陣営のセコンド指示と併せて視聴すると、それぞれの思惑が浮き彫りとなり、より楽しめるのではないでしょうか。

50/50戦を余り好きでない方は、まだいらっしゃるかもしれません。
確かにムンジアル決勝とかで良く見られる、アドバン1差で逃げ切り目的の50/50戦は中々キツイですけど、こういう切迫した場面での取りに行く50/50戦は面白いと思います。

そして最近は海外でも段々そういう潮流になってきましたが、トップ日本人選手の50/50戦はあからさまな時間伸ばしが少なく、ポイント取りに行く選手が多いので手に汗握ります。
チェックしてみて下さい!

またそこまでハイレベルな話でなくても、いわゆる武道的観点から「競技柔術独特の動き」みたいに揶揄される事の多い50/50テクですが、このガードは技術や力で劣る人も、ハマれば強者を足止めできる優れたガードだと思います。
また序盤でいまいちバタついてしまった時などは、50/50に入って落ち着きを取り戻すという事もできます。

意外と入れるチャンスが多くて、フォームが簡単な割に最新の気分を満喫でき、しかも確実に相手が嫌がるという優れもののテク50/50、ヒザ絡むのでそこだけ注意しながら、良かったらどんどんチャレンジしてみて下さい!!!

そんな50/50戦ですが、グラバカ仕込みの強固なベース・キープを持ちながら、引き込み合いも当然のように熟知している大塚選手、あの高橋選手相手に序盤の50/50戦を有利に進めます。
4分10秒過ぎの見事なバック狙いムーブなどは、大変参考になる50/50ベーシック・ムーブですよね。大塚選手がやると強力ですねー。
ピンチの高橋選手ですが、持ち前の逆さ能力で耐えます!
バックに引き込む大塚選手と、膝十字などで回避を図る高橋選手、熱い攻防!!!


しかしそこから大塚選手、なんと逆に潜っていって後転気味にスイープ!!!


これはファンタスティックなムーブ。
50/50戦でまさかの劣勢を強いられた高橋選手ですが、そこは先端技術集団GSBの貴公子、再び50/50戦が始まった6分過ぎ、50/50のままナイス回転して一気に形成を有利に持って行きます!
GSBの回転力恐るべし・・・。
戦況を一発で逆転する力を持っていますね・・・。

しかし大塚選手も反撃!!
7分20秒過ぎ、魂のアームドラッグ!!!
見事に決まるも高橋選手なんとこれを逆さで耐える!!!
そのまま膝十字ポジションで上を奪取!!
このスーパーなムーブでポイントを上回ると、一気にバックを伺うまでに攻め立ててそのまま試合終了!

いやいや、大変な接戦の上に、非常にテクニカルで面白い試合でしたね。
両選手ともベーシックから最新テクまで、全てを駆使して魅せてくれました。
そしてこの大一番を制した高橋選手はその後も1本などで順調に勝ち上がり、決勝に進出します。

ちなみにもう一方のブロックは、なんといっても美猛虎チャールズ・ガスパー選手が本命でした。


しかしどうも体調悪そう・・・。
普段の躍動感溢れる猛虎ムーブは影を潜め、スタミナも早々に切れていた気がします。
そこへ一部で微妙に警戒されていたハファエル・ロバトBJJのザッカリー・アダムソンが襲いかかります。


正確なポジショニングで、試合はザッカリーがアッサリーと勝利します・・・。
そしてザッカリー選手は決勝でも高橋選手とギリギリ試合を行い、そのままレフェリー判定で勝利。
見事アジア・オープン屈指の激戦区を制しました。


話しかけるとまさに人の良いガイジンさんと言った感じで、中日に居たケン・モッカを想起しましたね。


連れのご友人は挨拶もカンフー風になっていましたし、日本文化にかなり興味を持ってくれているようで嬉しい限りですね。


このように、注目のアダルト茶帯ペナ級は海外勢のザッカリーさんが制するという結果になりましたが、高橋選手や大塚選手らの若きトップ選手達も必死に戦い、技術面においても日本柔術界の新しい鼓動を見せつけたトーナメントだったと思います。
この勢いのまま、今後も爆進して欲しいです!!