全てを絶望に陥れる魔界製死のミキサー、日本に納品!・・2012年アジア・オープン特集① | 柔術新聞

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柔術の事について書いていきますね。

IBJJF主催アジア・オープンが無事終了しました。

見どころ満載でしたが、その中でもサトシ選手のマイケル・ランギ越えに匹敵するような今年度最高級の衝撃を受けた出来事がありました。


僕はミヤオ兄弟に関して、「世界最高峰のテクニシャン」という認識しか持っていませんでした。

もちろんこれは間違ってはいないと思いますけど、ミヤオ兄弟の試合を間近で見て、大事な部分が抜けている事に気づきました。

いやいやいや、この兄弟は魔界の使者ですよ・・・。

ヤバイなんてもんじゃないです。
特にパウロ!その圧倒的な、あまりに悪魔的な強さよ!!!!!
凶悪な殺人ミキサーは全てを巻き込み、その後にはペンペン草も生えません。

アダルト茶帯プルーマ級・・・
パウロ・ミヤオ(PSLPBシセロコスタ)vs物河祐亮(X-TREME柔術アカデミー)




ベリンボロ→逆さになってからの、足でのバックキープに注目です。
一瞬も気を緩めていませんね。
超絶なテクを有していながら余裕コキなど皆無、試合中は相手をぶっ壊す事しか考えていません。

アダルト茶帯プルーマ級・・・
パウロ・ミヤオ(PSLPBシセロコスタ)vs山田秀之(デラヒーバ・ジャパン)




パウロ・ミヤオと茶帯トップの山田選手、まさにファン垂涎のマッチアップ。
前の試合と同じく、世界最高峰のテクを持っていながら、テクだけじゃないんですよね・・・。
どんだけバックに飢えているんだよというくらいのバック餓鬼ぶりが強さの秘訣では!!
見ていて恐ろしかったです。
全局面でこんな表情をしながら、相手を引きずり込んでいました。


必死も必死、相手に何か恨みでもあるのかというくらいの勢い。
魔界からやってきて、相手を地獄に引きずり込む悪魔童子。
逆さになってちょっとでも手が引っかかったらそこを起点にバックを強奪。
そしてボウ・アンド・アロウは首を引き千切らんばかり・・・。

アダルト茶帯プルーマ級決勝・・・
パウロ・ミヤオ(PSLPBシセロ・コスタ)vs高亀洋介(パラエストラ熊本)



熊本キャンプの成果ここにあり!!
九州において江端講平選手と共に柔術革命を巻き起こし、選手としても見事アジア・オープンを勝ち上がって決勝戦に臨む高亀洋介選手!!
死の天使パウロと激突!!!


なんと高亀選手、パウロ相手にしょっぱなから喰らえ!ベリンボロ爆弾!!!!
フラザトにベリンボロかました中塚選手と同じく、勇敢極まる和の洗礼!!!
しかしパウロ、これをなぜかバック取りでカウンター!!!!!!!!!!!!!!
ハファエル・メンデスもそうですが、もう逆さ状態での理解度というか、バック取れるポイントに関する知識が、我々では想像も付かないくらい先に進まれてしまっているのかもしれません・・・。

そこからはもちろん死のバック!!


もう完全に何かの妖怪かってくらいまとわりつき、しかも極め狙いまくり!
僕も知りませんでしたが、もう一つパウロが凄いのはこの極めへの執着なんです。
ジョアオはバック取ってからのボウ・アンド・アロウというパターンを堅持していますが、パウロはイケそうならエゼキエルやアンクル等で全く躊躇無く相手を壊しにかかるんです・・・。


しかし高亀選手、パウロの絞め手を捻りながら、エスケープ成功!!!!!

パウロの悪魔バックから逃げられたのは凄いです・・・。
しかしパウロ、落胆など微塵も見せずに地獄続行!!!
魔界に引きずり込むかのようなドしつこいスパイダーから速攻で逆さになり攻め込みます。

どの試合もそうでしたが、パウロは逆さになってからの移動距離が長過ぎでした・・・。
あっという間に逆さになり、普段逆さで生活しているの?ってくらいのグッドバランスで、多少相手から離れていても、どこかを掴んでグイグイ近付いて来るんです。
かわいそうに相手は何か業を背負っているかのように、パウロに引きずられていくんです。

その後も高亀選手に粘られたパウロ、6分20秒過ぎから死のミキサー敢行!!
やっぱりミヤオはこれ!魔界のベリンボロ炸裂!!!!
逆さになって、高亀選手のガード足をしっかり制御しながら
ハーフ・レッグドラッグ上を奪取!
そこからパスやバックも面倒とばかりにエゼキエル!!!!!
魔界の首狩り童子が任務完了です。

恐怖レベルの強さ相手に、ここまで粘った高亀選手は素晴らしかったですね。
元々強豪なのが、熊本キャンプで更に強靱になって臨んだアジア・オープン、その実力を満天下にしらしめる事ができたのではないでしょうか。

しかしオーマイパウロ・・・。
試合してない時も常時ハイ・テンション、移動も忍者のように高速。
試合前の審判との握手もハイスピードで見えないくらいでした。
なぜそこまで????

しかし写真を撮らせて貰おうとすると、
「ミヤオ兄弟は無愛想」みたいな評判を事前に聞いていたのですが、こっちが焦るくらいのスピードであっという間にポジションに付いてくれ、凄く気さくに笑顔で対応してくれました。


今回、色々な面でこちらの予想を裏切ってくれたパウロ・ミヤオですが、兄ちゃんの方だけ茶帯である意味が試合を見てやっと分かりました。
ジョアオももちろん強いのですが、パウロは悪魔的です・・・。
アダルト茶帯アブソルート決勝では、クレベル・コイケ選手を強烈極まるベリンボロで吹っ飛ばし、あっという間に極めて優勝。
テクもそうですが、めっちゃくちゃパワフルなベリンボロでした。

誰でも引きずり込んでしまう、死の人肉ミキサーパウロ。
我々の想像を遙かに超えたその狂悪なまでの強さは、日本に衝撃を与えました。
しかし多くの人がその試合を間近で見る事ができ、しかも今後DVD等が発売され、美麗映像でパウロの動きを確認する事ができるようになるでしょう。

悪魔のムーブを消化した上での、日本柔術界のアンサーに期待ですね。