東日本大震災から2年半。9月10日警察庁発表によると東日本大震災での死者数(全国)15,883人。行方不明者(全国)2,654人。避難者(全国)29万人。2年半たったが、復興は進んでいない状況だ。
鹿島アントラーズの小笠原満男選手は被災地への支援をしているアスリートの1人。先日、Number824号、825号の「3,11を超えて」に掲載されていた小笠原選手のインタビューを読み、彼の被災地に対する想いや行動に胸が熱くなった。
岩手県出身の小笠原選手は、母校の慰問や緊急物資を送るなど震災直後から積極的に復興支援に取り組んでいた。また東北出身のJリーガーと「東北人魂を持つJ選手の会」を結成し、Jリーグを巻き込んでの復興支援にも取り組んでいる。復興支援とコンディション維持の両立に苦しんだこともあったが、「身近な目標である僕たちが頑張れば、東北の子どもたちに力を与える事が出来る。」と不動のレギュラーとして活躍している。
私が共感したのは、「東北人魂・岩手グランドプロジェクト」での話。多くの校庭が仮設住宅となり、子どもたちが外で遊ぶことができず、サッカーを辞める子どもが増えていると知った小笠原選手は、仲間たちと手を組み岩手に子どもたちがスポーツできるグランドを作ろうと取り組んでいるという。自ら現地に赴き、「練習したくてもグランドがなくて困っている」という子どもたちの声を聞き、すぐ行動に移す。そして「子どもたちの笑顔が復興に必要だ」と子どもたちの将来を願い、行動する姿は、本日対戦相手ではあるけれども、いちJリーグのサポーターとしてリスペクトする。
1日でも早い被災地の復興と小笠原選手の願いが叶うように。
text by 犬岩石
※参考文献:Sports Graphic Number824号・825号「3,11を超えて」