存続危機のVF甲府を助けてくれた清水エスパルスの話 | バス小瀬 (バス小瀬新聞)

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「10年ひと昔」とはよく言ったもの。今を遡ること10年前の出来事、それはそれは昔噺の世界


ヴァンフォーレ甲府の臨時バスを通じた仲間づくり-ドリームプラザ

ごくまれに背中に清水エスパルスのマスコット「パルちゃん」が描かれたアップシャツを見かけることがある。静岡市清水区にある商業施設「エスパルスドリームプラザ」の広告。それは10年前に清水の親会社鈴与グループがスポンサーであった証し


2000年冬、VF甲府は、チーム存続の危機に瀕していた。県の裁定によりクラブは存続したものの、金も選手もないないづくしのこのチームに、救いの手を差し伸べたのが、清水でありその親会社鈴与である


鈴与としては、ガス供給、GS事業などのエネルギー供給業を山梨県内で展開しておりその広告媒体として、また清水は出場機会のない若手育成の場という利害で一致したにせよ、その効果は計り知れない


2001年、MF太田圭輔、FW松島仁、DF谷川烈の20歳の若手選手が清水から移籍してきた。特に太田圭輔はこの年11得点を挙げ、チームの最多得点を稼ぐこととなる


2002年には、前年まで清水の大木武コーチを監督として招聘し、GK鶴田達也、FW鈴木浩介、DFアライールと若手が移籍。この年、大木監督の熱血采配で万年最下位から7位に躍進する


2003年大木監督が清水の監督として戻ると、入れ替わりに清水のコーチであった松永英機氏が新監督として就任した


2006年甲府のJ1昇格とともにこの蜜月関係は発展的解消を遂げたが、VF甲府の記念すべきJ1開幕戦の相手は清水であった。そして2011年、清水の至宝MF伊東輝悦とDF市川大祐が新加入。「10年ひと昔 」とはよく言ったもの、いや「邯鄲の夢」といったほうが正解か。ひと眠りして目が覚めても、清水から移籍した選手がVF甲府にいる光景は昔と変わらないから。


text by 太田町見付