「〇〇の秋」という言葉があります。
「読書の秋」「芸術の秋」といわれるのは、
集中して物事に取り組むのに、
秋は良い季節だということでしょう。
また、穀物や果実が収穫されるこの時期は、
「食欲の秋」「実りの秋」とも表現されます。
「スポーツの秋」といわれるように、
各地では運動会が開催されます。
江戸時代の碩儒として知られる佐藤一斉が記した
『言志四録』には、修養の糧や教育の心得が書かれており、
読書に関する一節もあります。
「読書は宜しく澄心端坐して寛く意思を著くべし。
乃ち得ること有りと為す。
五行並び下るとは、何ぞ其の心の忙なるや」読書する際は、
心を安静にし、
正しく座り、ゆったりとした心持でするのがよい。
そうすれば、得るところがあるだろう。
世間には、五行を一度に読み下す人もいるが、
なんて気忙しいことなのか、という意味です。
現代はおそらく、
江戸時代よりはるかに気忙しく、ゆとりがない時代でしょう。
秋の夜長は、ゆったりとした心で読書を楽しみたいものです。
穏やかな心で読書に親しみましょう!
碩儒・・・深い学問を身につけた学者
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