詩人と哲学者 | 考えすぎ

詩人と哲学者

ほとんどの人は、当たり前のことを知っている。
しかし、自分がそれを知っている、ということには気づいていない人が多い。
気づいていないから、人は、特別な存在に憧れてしまうのだ。
当たり前のことをきちんと自覚しないまま、ただ、特別な存在になりたがる。



中には、当たり前のことによく気づく人もいる。
彼らは詩人である。
当たり前のことを、当たり前のこととして人々に伝えるのが役目。
人々は、詩人によって、当たり前のことに気づかされる。


一方、当たり前のことを知らない人もいる。
彼らは哲学者であり、
当たり前のことと当たり前でないことを、必死になって追究している。
人々は、哲学者によっても、当たり前のことに気づかされる。



ただし、忘れてはいけない。
詩人も哲学者も、それほど特別な存在ではない。
当たり前のことを、ほかの人よりも自覚して生きているのが詩人。
当たり前のことを、ほかの人よりも知らずに生きているのが哲学者。


・・・であるにも関わらず、
当たり前のことに気づいていない多くの人々は、
無意識のうちに、彼らを「特別な存在」に仕立て上げてしまっている。