大切な何かをはぐらかすため | 考えすぎ

大切な何かをはぐらかすため

喋れば喋るほど、
大切な何かをはぐらかしているような気がする。



沈黙に耐えかねて、喋りだす。その喋り初めは、溜め込んだ思いそのものだったはず。
それが、
いつの間にか、ただの習慣になっていく。
もう、その時は既に、切羽詰って吐き出された本心からの言葉なんかではなくて、
言い慣れて使い古された言葉。
それをさも新鮮なもののように言う術までもを身につけて。



僕が「死が怖い」と喋るのは、
死の怖さをはぐらかすためだろう。
誰かにわかってもらうことで、怖さをはぐらかそうとしているのだ。


本当に怖い時は、
悲しすぎて、何も言えない。