リンカーン

監督　スティーヴン・スピルバーグ

脚本　トニー・クシュナー

原作　ドリス・カーンズ・グッドウィン

音楽　ジョン・ウィリアムズ

撮影　ヤヌス・カミンスキー

編集　マイケル・カーン

出演　ダニエル・デイ＝ルイス、トミー・リー・ジョーンズ、サリー・フィールド、

　　　　デヴィッド・ストラザーン、ジョゼフ・ゴードン＝レヴィット、ジェームズ・スペイダー

2012年　アメリカ

第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーンを主役にした作品ですが、

彼の伝記映画ではなく、法律上の奴隷制を禁止したアメリカ合衆国憲法修正第13条が

成立するまでの政治的駆け引きをメインに、南北戦争終結までのプロセスや、

当時の政治状況など時代背景が克明に描かれるのと同時に、周囲の党員や妻子との確執で、

公私にわたって孤立するリンカーンの苦悩が浮き彫りにされていて、教科書的な偉人伝に

していないところに共感を覚えました。

リンカーンを演じて、３度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いたダニエル・デイ＝ルイスですが、

『マイ・レフトフット』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の激情型の演技とは対照的に、

トミー・リー・ジョーンズ、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン等曲者の役者たちの

受けに回った、狂言回し的演技に終始していましたが、彼らに食わることなく、存在感の違いを

見せつけていました。

合衆国憲法の修正手続きは、上下両院総数の３分の２の可決の後、３６州中４分の３に当たる

２７州が批准して発行される事になっていて、アメリカ合衆国憲法修正第13条は、

1865年12月6日にジョージア州が２７番目に批准して成立しました。

因みに、最後の36番目に批准した州は、言わずと知れたミシシッピー州で、ジョージア州で

成立してから130年後の、1995年3月16日でした。

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら