レ・ミゼラブル | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
監督 トム・フーパー
脚本 ウィリアム・ニコルソン、アラン・ブーブリル、ハーバート・クレッツマー
原作 ヴィクトル・ユーゴー 
音楽・脚本 クロード=ミシェル・シェーンベルクウ
撮影 ダニー・コーエン
編集 クリス・ディケンズ、メラニー・アン・オリヴァー
出演 ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ
   アマンダ・サイフリッド、サマンサ・バークス、エディ・レッドメイン
   サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム=カーター
2012年 イギリス

本作は、1本のパンを盗んだ罪で、19年間投獄していた主人公ジャン・バルジャンの
贖罪の日々と、19世紀初頭の動乱のフランスで生きた民衆の姿を市民革命を背景に描いた、
ヴィクトル・ユーゴーの全5部48章からなる大河小説を原作にしたミュージカルを、
「英国王のスピーチ」のトム・フーパーが監督したイギリス映画です。
原作のミュージカルは、1980年のフランスで上演されたオリジナル版を改訂した
ロンドン版で、歌とダンスをメインにしたブロードウェイ・ミュージカルと違って、
エンターティメント性の薄い政治色の強いシリアスな内容になっていますが、
ミュージカル映画が当たらないジンクスを破って日本でも大ヒットしたのは、
薄幸な登場人物の姿を広告の前面に出したことで、難病物などお涙頂戴映画の好きな
女性客の動員に繋がったからではないでしょうか。
原作のミュージカルは、台詞をオペラの様にすべて歌詞にして、ユーゴの膨大なストーリーを
さらに簡略化しているので、あらすじだけで構成されたような作品で、演劇と違って
写実的な映画になると、舌足らずの印象を拭えませんでした。

本作のファンティーヌ役のアン・ハサウェイは、髪をバッサリ切った痩せこけた姿で、
“I Dreamed A Dream(夢破れて)”をノーカットワンシーンで熱唱しますが、
この場面だけでアカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞したと言っても過言ではない
鬼気迫る演技で、一見の価値はあると思います。



余談になりますが、12歳の若さで蜂起に参加して、鎮圧軍の銃弾を受けて夭折する
ガヴローシュは、ドラクロワの名画『民衆を導く自由の女神』の先頭にいる少年の
モデルと言われています。

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら


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