13人の刺客 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
監督 三池崇史

脚本 天願 大介

撮影 北 信康

出演 役所 広司、山田 孝之、伊勢谷友介、沢村一樹

    稲垣吾郎、市村正親、伊原剛志、松方 弘樹

2010年 日本/イギリス


罪なき者を虫けらのように殺戮し、残虐非道の限りを尽くす将軍の弟

松平斎韶(なりつぐ)が、明年に老中への就任が決まる事を知った現老中の土井は、

このままにしておけば、天下の政(まつりごと)が乱れ災いが万民に及ぶことを危惧して、

御目付け役島田新左衛門に暗殺の命を下します。

本作は、『七人の侍』に影響を受けた、勧善懲悪物の鋳型に嵌ったチャンバラ映画なのですが、

新左衛門の元に集まった刺客12人と、暗殺計画を察知した斎韶の腹心鬼頭半兵衛が用意した

300人を超える兵との後半1時間に及ぶ壮絶な戦闘場面が受けたのか、アメリカの批評家から

高評価を得て、アカデミー賞の前哨戦として、次々に発表されている批評家賞の

外国語映画部門で検討して、セントルイス、ラスベガスの2都市で受賞の栄誉に輝いています。

本作と『七人の侍』の最大の違いは、『七人の侍』は、侍達ひとりひとりの個性が良く書けていて、

感情移入しやすかったのに対して、本作のように13人になると何人かの刺客は、

どうしてもその他大勢の扱いになってしまい、同じように我武者羅に刀を振り回しているだけで、

いつ終わることなく続く変化に乏しいアクション場面に、途中で飽きてしまいました。


島田新左衛門のような人物が、政治不信に混迷する現在の日本に求められるヒーロー像

なのでしょうが、新しいものに対して常に拒否反応を示して魔女狩りに奔走するネガティブな

マスコミと、洗脳されやすい愚民に支配されている限り、この国からヒーローは

生まれる事はないでしょう。


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