監督・脚本 リサ・チョロデンコ
脚本 スチュアート・ブルムバーグ
編集 ジェフリー・M・ワーナー
撮影 イゴール・ジャデュー=リロ
出演 アネット・ベニング、ジュリアン・ムーアマーク・ラファロ
ミア・ワシコウスカ
2010年 アメリカ
半世紀前に作られた映画『噂の二人』(オードリ・ヘップバーンと
シャリー・マックレーン主演)は、レスビアンの噂を立てられた
女学生二人が、一人は傷ついて自殺し、一人は町を去っていくという
悲劇を描いたものでしたが、現在では、一般の家庭と変わらず
レスビアンが愛の巣を構え、精子バンクを利用して産んだ子供を
育てるという映画が当たり前のように劇場で公開されるようになり、
レスビアンに対する偏見を描くことは時代遅れで、一歩進んで、
それに伴って派生する家族制度のあり方を問うた作品になっています。
本作は、子供たちが、精子を提供した生物学上の父親を探し出してから
起こる確執をコミカルに描いていて、女二人が親であることを除けば、
どこの家庭でも起こりうる男女の揉め事と変わらない描かれ方を
されているのが、今までのこの手の映画と一線を画す所でしょうか。
父親的な役割のレスビアン役を、プレイボーイとして名を馳せた
ウォーレン・ベイティを撃沈してしまったアメリカン・ビューティー・
アネット・ベニングに演じさせているのも洒落が効いていて面白く、
監督の遊び心を感じさせる映画です。
国の存亡に関わる少子化問題を抱える我が国ですが、
家族のあり方を考える上で、日本人が持っている旧態依然とした
狭義な倫理観や道徳観を変えていけるかどうかを問われている
映画だと思いました。
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