監督・脚本 ジャコ・ヴァン・ドルマル
撮影 クリストフ・ボーカルヌ
編集 マティアス・ヴェレス、スーザン・シプトン
出演 ジャレッド・レト、ダイアン・クルーガー、サラ・ポーリー
2009年 フランス/ドイツ/ベルギー/カナダ
生きている限り、常に人は選択を余儀なくされます。
あの時の選択が違っていたら、その後に導かれていた人生は?
本作は、主人公の選択によって、導かれていたであろう12通りの人生を、
主人公の創造する世界の中で複雑にからみ合わせて描いた、
言葉遊びならぬ映像遊びに徹したファンタジーです。
未来にある可能性なんて言い出したら、無限大にあるから、
それを映像にして表現することに限界があるのと一緒で、
結局、選択した人生が正しかったのか間違っていたのかは、
死ぬ間際になっても結論付けられるものではないし、
明日何が起こるか分からない不確実性こそ人生の醍醐味なわけで、
結果論で人生を語るのは邪道だと、監督は言いたかったのでしょう。
この作品で描かれている未来のように、人間が不死の世界を
手に入れて、何度でも人生をやり直すことが出来たら、
その人そのものの本質まで変えることが出来るのだろうか?
私は、後者のアプローチで人間を描いた方が、分かりやすい映画に
なったのではないかと思いました。
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