さる8/5に、白山市松任城址公園で「白山薪能」の演能がありました。
三十回も続いている伝統ある薪能です。
事前に能楽講座があり、そちらにも参加させていただいて予習もばっちり。
現役の能楽師さん達のお話をお聞きして、薪能の見どころ、楽しみかたを伝授していただきました。
「能楽」というとお能ばかりのように思いがちですが、実際は狂言も含まれます。
能の間に狂言をはさむこともあり、能と狂言は切っても切れない?関係です。
当日はとても暑い日で夕方になっても気温が下がる気配がなく、熱帯夜の到来を予想させました。
お能の衣装はとても厚いので、演じる方は大変だろうなと思いながらの観能です。
火入れ儀式も終わり、まずは狂言「二人袴」から始まりました。
この演目は息子と父親が一つの袴を分け合って履くという滑稽な内容です。
観るのは二度目でしたが、今回の方が断然楽しめました!
途中で二人が袴を裂いてしまう場面があるのですが、観客にも大受けしていました。
能「杜若」は「伊勢物語」の東間下りを下敷きにした演目です。在原業平が読んだ和歌が重要なポイントになっています。
後半、シテ方が杜若の精となって舞う舞が、なんとも幽玄な趣なのです・・・「草木国土悉皆成仏」と謳われます。
それまでは喧びく鳴いていた蝉の声もピタリと止み、闇の中に浮かび上がった舞姿は、野外での演能ということもあって、自然と一体になったような不思議な心地。思わず夢幻の世界に引き込まれたのでした。
地元紙の記事より。