「ビジュアル英文解釈part1」と言う(受験)英語参考書がある。

p226にて次のようなやり取りがある。

Rが生徒、Iが(著者の伊藤和夫)先生。

 

R:asの品詞を言えという試験問題が出たらどうしますか。

 

I:そういうのを取り越し苦労というんだ。絶対に出やしないよ。そんな問題は。

 

伊藤和夫先生は「他に覚える事があるだろう」と言いたいのだろう。

優先順位の付け方が悪いわけだ。

「そういうやつは受験では落ちる」と(苦笑)

 

しかし笑ってられないのが大人の世界でも同じようなことがある。

私は国の出先機関に勤める国家公務員である。

そうすると色々な質問を外部の方から受ける。

 

中にはわけの分からない質問がある。

「こんな事例が起こることがあるのか?」という質問を延々と繰り返すのである。

中には架空の事例だとしてもこの事例を理解することで制度全体が見渡すことができるということはある。

 

このお話は代ゼミ英語講師・富田一彦氏の動画を基にした記事「「抽象化」を知るために「限界」を知る」に通じる話。

この記事の後半でボーダー(限界)の話をしている。

ボーダー(限界)が分かれば、その中に収まるすべてのことが該当する、と。

 

 

このボーダーがわかるような事例は制度の本質を理解し、的を射た質問である。

しかしながらこんな的を射た質問をしてくる「細かい」質問者はほぼいない。

 

他方で5年間この仕事をしてきて1回も当たった事がない事例、そしてこれからも当たることが想定できない事例をいくつも作ってきて、さらにその事例の回答を<何に活かすのか思いもつかない>質問を繰り返す人がいる。

これは「ビジュアル英文解釈part1」のR君状態である。

 

さらに日本における困った事として「細かいことが褒められる」というのがある

「神は細部に宿る」というと<<なぜか>>大多数の日本人がテンションを上げまくる。

しかしながら、R君がasの品詞にこだわったように、何の意味があるのかわからないような架空の事例をたくさん作り上げ役所に質問を繰り返す人のように、細かいことが害になることもあるのである。

 

優先順位の低いこと、いや順位すらつかない(=不要なこと)に時間と労力を割くことを悪だと思わない訳だ。

場合によっては「悪魔が細部に宿る」のだということすら意識しない。

「ビジュアル英文解釈part1」のR君は若者なので良いが、良い大人がそれではいかがなものかと。

 

補足すれば「細かいことを知っている」人が無条件に賢いと勘違いされてしまうのも困ったことである。

「そんな事を知っていてどうする」事を知っているのは単なる雑学なのだが、細かいことを知っている人を賢い人だと判断しがちであり、自分でもそう思ってしまうのはやはり害なのである。

 

ちなみにp226にてasの品詞にこだわり続けたR君は肝心な事については「分かったような気もします」と言ってしまい、I(伊藤和夫)先生にガチギレされてしまう。

「ビジュアル英文解釈part1」はすごい構成の英語教材(笑)

 

 

 

 

 

記事は以上です。

髪が頭皮に宿ってない37歳おじさんの駄文を読んで下さいましてありがとうございます。

 

twitterやってます。

毎日禿げしく出没中\(^o^)/