12月16日の「NHKスペシャル 」はワーキングプア3~解決への道~



主要国の貧困率。


アメリカ・・・17%

日本・・・15.3%

韓国・・・13%

イタリア・・・12・9%

イギリス・・・11.4%



<韓国の状況>



畳2畳くらいの広さで月3万円の宿(元は受験生のための勉強部屋)に住んでいる31歳男性。おととし正社員を目指して上京。名門大学の工学部を卒業したが月11万円のアルバイト生活。

大学を出ても正社員になれない人が増えている。10年前の経済不況をきっかけに非正規雇用が増える。多くの企業が生き残りをかけて人件費を削減。

2006年の非正規雇用は日本の33%を大きく超える55%。

国会は非正規保護法を作った。

内容は2年以上働いた人を正社員化の義務。賃金などの待遇について差別を禁止した。さらに罰金を最高1000万円にまで引き上げ。しかし想定していない事態を引き起こす。

非正規保護法施行前に一斉解雇を行う企業が出てきた。非正規雇用で行っていた業務を外部委託に切り替えると言う。

国はあとは労使間の問題だと慎重な姿勢を崩していない。




政府労働部長官の話


「非正規職の保護も必要だが企業の都合も考えないといけない。法律だけで解決するには限界がある。労使間の信頼関係を築くことが大切なのです」


去年10月、非正規労働者が3人自殺。法律が変わっても変わらない実態がある。



<管理人の感想>



10年前に起こったアジア通貨危機。日本の金融危機とは比とはならない程、韓国は危険な状態に追い込まれIMFの管理下に入ると言った屈辱的な事態へ突入する。

この経済危機に対応するため企業は人件費を抑えようとし、非正規雇用が大幅に増えます。さらにグローバル化によって海外の企業と競争しなければならないため、非正規雇用が拡大し続けます。


大きな流れとしては


経済危機=大幅な正社員のリストラとその代わりは非正規雇用という流れができる→グローバル化による海外との競争のため非正規雇用の比率が高まる


と言った感じのようです。

これは日本のでの雇用情勢の流れに似ています。

ただ、経済危機が日本以上に危険な状態であったために、その非正規雇用化もラディカルであったようです。


韓国から学ぶ点が日本にもあるとすれば「法律だけ変えても上手くいくとは限らない」と言うことでしょうか。

最低賃金法を改正していくら最低賃金を引き上げてもそれだけで本当に上手くいくとは限らないということは頭に入れておくべきでしょう。

選挙対策としては分かりやすい法改正が選挙民の目につきやすく、票にもなりやすい。

でも、法改正だけでは、その狙い通りにコトが運ぶとは限らない。法改正だけではなく、法改正が意図している目的の達成、これをどう担保するか。

韓国の非正規保護法も逆効果に出てしまって、非正規雇用の職すら失ってしまう人が多く出てしまいました

確かに法施行前なので合法でしょうが、法の趣旨・目的から見れば真逆の事態です。

「あとは労使間」と言っているだけでは意味がありません。


立法や法改正は万能薬ではない


このことは忘れてはならないことだと思います。