企業の信用力(後編) | 四十にして立つ ~1,000億円企業への道~

四十にして立つ ~1,000億円企業への道~

40歳を前に突然起業しようと思い立った現役社長が、実際の出来事を通して、企業経営の楽しさや苦しさを発信中!!
「10年後に1,000億円」を公言して起業した僕が、いかにしてその目標を達成したかを描くリアル・サクセスストーリー

救いの神が現れました!


頼りにしていた銀行に、まさかの口座開設拒否という通告をされた。
ショックを受けたが、落ち込んでいる暇はない。

幸いにもメガバンクは一つではない。
あと2つ残っている。
僕は、残りの2つの銀行に口座開設をお願いすることした。

残りの銀行のうちの一つには、前職で非常にお世話になった。
あるプロジェクトでは、一緒になってある会社の再生に取り組んだりした。
だから、なんとなく親近感もあった。
その銀行に口座開設のお願いに行った。

前回の反省も踏まえて、今回は準備を怠らなかった。
できる限りたくさんの資料を用意した。
説明するためのプレゼンも練習していった。

そして、その銀行を訪れた。
窓口の女性に対して、本気の本気でプレゼンした。
なんとしても開設させて欲しいという気持ちをぶつけた。

それに対する窓口の女性の反応は、

「よくわかりました。
それでは、今説明したことを証明するための書類を用意してください。

用意して欲しい書類は、○○と○○と○○と・・・・○○です。」


10を超える書類を出して欲しい、との要望だった。
その書類は、用意するだけで相当の時間を要するものや、
起業直後ではとても用意できないような書類もあった。

(これは丁重なお断りということだろうか・・・)

そう感じざるを得なかった。


そうは言っても、歩みを止めるわけにはいかない。
僕は、その銀行をあとにして、最後の望みである残り一つの銀行へとすぐに向かった。

その銀行の窓口で、前回の銀行同様に本気の本気のプレゼンを行なった。

すると、窓口の女性は、

「わかりました。
それでは、2週間以内に審査結果をお伝えします。」

と、言ってあっさりと終わった。
追加の資料の要求もなかった。

(え?それでいいの?)

拍子抜けをしてしまった。
だが、何も要求されないので、逆に不安になった。

(これはダメなのかもしれない)

そんな気持ちで、その銀行をあとにした。


窓口で説明してから2日後、僕の携帯が鳴った。

「○○銀行の△△です。
口座開設の審査結果をお伝えします」

(え?もう?)

あまりに早く結果が出たので、

(ああ、やっぱりダメだったんだ)

と、悪い結果がすぐに頭に浮かんだ。


すると電話の向こうから

「当銀行で口座を開設することで決定しました。

今後ともよろしくお願いします」


・・・本当に!!?

「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」

僕は、電話口の向こうの方に何度もお礼を言って、
見えない相手に頭を下げ続けた。


こうして、やっとのことで口座開設にこぎ着けることができた。

この開設してくれた銀行というのが、今のメインバンクになっているみずほ銀行である。
みずほ銀行が口座開設してくれなかったら、僕の会社は存続できなかったかもしれない。

口座開設の手続きが終わった時、僕は思った。

この銀行には、いつの日にか必ずや恩返ししなければならない。
                                                                                          
起業して1年も過ぎると、いろんな会社がうちの会社に支援をしてくれたり、
協業を提案してきたりしてくれたりする。

それはそれでものすごくありがたい。

だが、起業直後の時期。
まだなんの実績もない頃。

そういったつらい時期に、当社を助けるよ、と言ってくれて、
実際に支援してくれる会社が何社かあった。

そういう会社には、いつの日になるかわからないが、
絶対にお返しをするつもりだ。


■僕の気づき
調子がいい時期に近づいてくる会社は多い。
本当に大事にしなければならないのは、調子が悪い時に力を貸してくれる会社だと思う。