□京都造形芸術大教授 竹村真一さん

■ボルネオの山奥でサッカー観戦 世界中の人と感動を共有する時代へ。

--青年時代に訪れた海外の秘境では、貴重な体験をされたようですね

竹村 ある時不思議な体験があったんですよ。そろそろサッカーのワールドカップが始まりますけど、有名なマラドーナの5人抜きでの伝説のゴール(1986年メキシコ大会)、あれを僕はボルネオ島の山奥で見たんですね。

--またすごいところで

竹村 電気も来ていない村で、一日にほんの1~2時間、発動機を回して白黒テレビを見るんです。そのときに子供たちが「マラドーナ、マラドーナ」と騒いでいた。僕は「マラドーナって誰」って聞いたら「お前、マラドーナを知らないのか」って。電気もきていない村で、子供たちがみんなマラドーナを知っていたんですよ。

「知らないんなら見ろ」と言われて、見ていると5人抜きでのゴールがあった。僕はそれまでサッカーには興味なかったけれど、さすがにびっくりしまして。それ以来サッカーを見るようになったんですが、初体験はボルネオ島の山奥でした。

--すごい体験でしたね

竹村 こんな山奥の子供たちがマラドーナを知っていて、リアルタイムに5人抜きゴールの感動を分かち合っている、ある意味、ワールドカップは地球サイズの宗教儀礼のようなものではないかと。「地球の何十億という人々がリアルタイムで感動を分かち合えるような時代が始まっているな」ということを、24年前に感じたんですね。

--なるほど

竹村 でも一方で、今はこれだけグローバルに電波でも貿易でもつながり合って、毎日「地球を食べている」わりに、僕たちの意識はついていっていない。グローバリズムの内実と、われわれの意識のギャップが、いろいろな問題を引き起こしていると思います。

生きた地球の姿が丸ごと見える、地球温暖化の様子も丸ごと見える、食べ物を通じた地球と自分とのつながりも見える、何よりこんなに美しい宇宙の中のオアシスのような星に暮らしているという実感をみんなが持つ-。万巻の書よりも感動を持って、こういう星に暮らしているんだということをみんなが共有することが(グローバリズムを実感する)解決の早道だと思って…。まあ本も書いたり講演もしますけど、美しい地球のモデルとして、デジタル地球儀「触れる地球」を小学校に置くことに力を入れているわけです。

--根源的に地球を見つめ直す取り組みですね

竹村 地球って本当に美しい星で、われわれはこんなに美しい星に生まれたことの幸運を感じられる世代なんですよ。

例えば、30年くらい前までは(SFの世界で)「火星人襲来」が言われたり、「ET」という映画もあった。地球のほかにも、地球のような星がたくさんあるはずだと考えていたわけですね。ところが最近、「ET」のような映画はあまりないですよね。

--確かに…

竹村 それはなぜかというと、はっきりと「宇宙人なんてそうそういない」ということがわかったからです。これは最近20~30年のことです。この間、急に宇宙の情報が増えて、宇宙がクリアに、高解像度で見ることができるようになった。そして何を発見したかというと、人類は地球を発見したと思うんです。

われわれは何で宇宙開発をしたか、宇宙へ出ていったかというと、地球を発見するために宇宙へ出ていったと、僕はそう思っています。(聞き手 溝上健良)

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