中国私論ー橘玲著書評 〜 橘玲氏という不思議な作家 | 本当の日本の歴史と、日本人を知って、自信を持つ日本人になるためのブログ

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日本の若者に、我々の先祖は、今を築いた立派な人達であることを理解してもらい、未来を切り開く自信を持ってもらうためのブログです。

閉塞した現代日本社会を打開するためにも、日本人としての自信を取り戻す必要があると考えており、そのための分析も試みています。

この本


読んでみた。


これ著者の体験、観察、調査に基づく、中国人論なんだけど、

不思議な書だ。


本のタイトルにもある通り、あくまでも

「私論」

なのである。


この書、基本的に中国人の分析は良く出来ていて、

多くの部分で正しいのではないかと思う。

で、なるほどなるほどと思って読み進んで行くと、

「だから何なの?」

という気分になってくるのである。


つまり、

「私の分析では中国人と言うのは、こういう人達です。」

と言う結論が丸のまま投げ出されており、

それがずっと続くのである。

普通、こういう分析を日本人がした書籍ならば、

だから我々日本人が中国人と付き合うときは、

こういう対応をするように

という提言を当然期待すると思うけど、それがないのである。


つまり、この書はタイトルの通り中国に関する彼の私論であり、

そこから日本人の公論が導かれていないし、

著者にはそれをする気は更々ないのである。


それで、僕は気がついた。

僕が以前読んだ、彼の他の著作、

例えば、これ


(正確には、僕が読んだのはオリジナルだけど)とかもそう。

「経済的合理性のある行動は、こうです。」

と読者に丸投げしているだけで、

それをすることを勧めているわけではない。

人生金持ちになることだけが目標じゃないけど、

「あなたがそれを目標にするのであれば、合理的な方法はこうです。」

と書いてあるのだ。

読んでいる方は、

金持ちになる方法を学びとろうとしているわけで、

当然筆者もそれをすること勧めているんだろう

との偏見で読んでいるから気付かないけど。

この著者の作品は、

読者にそれをすることを、勧めているわけではない、


ただ事実を丸ごと投げ出して、

読者の自由な判断に任せているのである。

なんとこの著者の、このスタンスは、かなり首尾一貫している。

このスタンスは、作家として、かなり特異なスタンスではないかと思う。


最近僕が賛同を覚えることが多い著述家は、

田母神俊雄さん、井沢元彦さん、小林よしのりさんとかなんだけど、

彼らは明らかに自分の意見を

世論あるいは公論にすることを目標にして、

その作品を作っているし、

その情熱が作品を作る原動力になっていることに、

間違いないであろう。


その与える影響力は段違いだとはいえ、

僕がこのブログをやっているのもそういうことだ。

ところが、橘玲さんにはこれがない。

彼の作品を見る限り、

読者に賛同してもらいたい、意見は何も書かれていない。

自分の分析結果を読者に丸投げして、

どうするかは全部読者に任せてしまっている。

これは作家として相当変わったスタンスだと思う。


これだけ大部の著作物を作ろうとすれば、

その労力は大変なもので、熱意が相当に必要になるはず。

普通この熱意は、

人々に自分の意見を受け入れ賛同してもらいたいという

熱い思いのはず。

ところが、この作家は、その熱意なしに

これだけの大部の著作を作っているように思える。


一体その原動力は何なのだろうか?

まさか、

自分にそれを作ることが出来ることの自己証明と、

お金儲けのためだけで出来ることなのだろうか?


この人の作品の文体の特徴は、極めて平静なその語り口なのだが、

その文体だけではなく、そもそも、この人の心の中には、

読者を説得しようとする熱意がまるで無いように見える。


それなのに、多量の著作物を持つベストセラー作家である。

彼の、この創作力の源泉は一体何なのだろうか?

彼は僕にとっては、とても不可思議な作家である。

ただ、いずれにしても、

中国社会に関する彼の鋭い分析は、一読の価値があると思う。


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