ブロンプトンで秘湯へ行こうセカンドシーズン。「吹雪の中いってきた」シリーズ第三弾、吹雪の奥塩原・元湯温泉『大出館』へ雪道をブロンプトンで行ってきた。


 

先週、会津の雪道 で試走した際は、比較的フラットで除雪が行き届いた湯ノ花温泉 への道を選んだ。今回は塩原温泉の奥過ぎるほど奥にある「元湯温泉」である。冬は関東とは思えないほど雪深くなる。元湯温泉に通じる山道は除雪が十分でなくて、また急勾配もある「悪条件」が期待できる。シュワルベ・ウインター の真の性能をここで試してみることにした。

 

[走行データ]
ルート 元湯入口バス停→元湯温泉『大出館』
距離 4.5km
最大標高差 240m
平均斜度 全体 3.9% 上り 6.7% 下り 6.2%
獲得標高 上り 251m 下り 37m


野岩鉄道 直通の浅草発の東武電車快速で、上三依塩原温泉口駅にやってきた。ここからはバスで、峠を越える。

 

天気予報では曇りという話であったのに、実際は大雪だ。

 

元湯温泉口で下車する。ここから急坂を伴う4.5キロの山道である。雪は強まる一方で、気温も零下3度と一向にあがる気配がない。従って、道路コンディションは最悪で、スパイクタイヤ を履かせたブロンプトンの性能を試すにはお誂え向きである。

 

踏み固められた雪道に新雪が積もりつつある。凍結路に滑りやすい新雪。いいぞいいぞ。

 

かなり強い雪になってきた。

 

チェーン装着していない車は引き返せという標識だ。しかし、ここまでのところ、スパイクタイヤ のブロンプトンにとって危ないところはなかった。

 

好調だ。坂道は時速6~8キロでゆるゆるとのぼっていく。

 

ときどき強く漕ぎすぎて後輪が空転する程度で、急坂の登攀になんら支障はない。

 

こんな悪路でもスパイクと溝が雪面をしっかりとらえてくれる。なるべく路面の堅そうな部分を選んで走るが、多少はずしても全く問題ない。

 

頼りになるタイヤである。ノーマルタイヤのように雪が付着してフェンダーに巻き込んで重くなることもない。

 

問題はブロンプトンではなく私のほうだ。吹雪で顔が寒すぎる・・・。

 

何だろう、この非日常感は。

 

こんなに美しく寒々しい雪景色の中で、大汗をかいて冷たいお茶を飲んでいる。なんだろうこれは。

 

「ここはすべる」。決して受験生が来てはいけないところである。

 

元湯温泉の分かれ道に差し掛かった。直進すれば『大出館』、坂を下れば『ゑびすや』と『元泉館』だ。今日は『大出館』なので直進する。それにしてもこの悪条件の雪道でシュワルベ・ウインター のブロンプトンは恐ろしいほど安定している。本日、唯一転んだのは、この写真をとった時だ。タイヤはすべらなくても、靴が滑るのだ。ブロンプトンを離れて歩いている時が一番あぶない。

 

教訓:雪道でシュワルベ・ウインター のブロンプトンに乗っているときは、決してブロンプトンを降りて雪面を自らの足で歩いてはならない。(それは無理やろ。)

 

それにしても本当に雪深い。こんなところに自転車で来てしまって良いのでしょうか。時折すれちがう車の皆さんが驚愕した表情をされる。

 

大出館が見えてきた。

 

着いた。秘湯を守る会および源泉掛け流しを守る会の宿だ。

 

(後編へ続く)