ドレスコード「作法は知った上で」 | Britain Park  - 英国政府観光庁 -

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イギリスの今が沢山つまったイギリス情報。
さあ、一緒にイギリスの旅へ出かけましょう!

 

90年代初め頃のブリ吉の体験です。ロンドンにしては暑い夏の日の午後。同僚とミーティングと称してホテルでティーを頂こうとクラリッジホテルのロビーに入っていったのですが、ドアマンに呼び止められました。

 

“ Jacket?, Sir? ”

ドアマンは制服の両襟裏に両手の親指を入れ、ポーズを取っています。

 

 
【ホテルのエントランスには往往にして、向かって左から2番目のフットマンスタイルの人物が出迎えてくれます。背が高くて、見栄えのする人物がお屋敷に雇われることが伝統であり、裕福な家にだけ可能な存在でした。お屋敷が売りに出されると、こうしたサーバントたちのノウハウはホテル業へと引き継がれたのですね】

 

ブリ吉、やっちまいました。その時、ネクタイはしていたものの、英国では稀な暑さゆえにスーツの上着を事務所に置いて来てしまったのです。

 

しかし、ブリ吉も然る者です。言い返しました。

 

“ Ah, you must have a strong air conditioning. Thank you for letting me know that”
(ああ、冷房がキツイんだね。教えてくれてありがとう)

 

超高級ホテルでもエアコンなど備え付けの無かった時代に、この言い様は相当嫌味な皮肉ですけど、ドアマン氏は、呆れ顔と微笑みを交えた表情で肩をすくめて両手のひらを見せるだけで当方に言い返したりはしませんでした。英国人的な切り返しを期待していたのに…。笑

 

 
【ホテルのエントランスでは、唯物的、且つ俗物な判断が下されます。身なり次第でどの程度のサービスを提供するべきか。サーバントたちは一瞬で人物評価し、判断します。高級車に乗っていると、一目置かれるわけですから、足元(靴)以上に効果があります】


総じて、場違いの服装をしてしまうと気まずいものですが、旅行でドレスコードを気にすると荷物の悩みが増えてしまいますよね。

 


【スコットランドの詩人バーンズを偲ぶ、バーンズナイトの一幕。スコットランドの民族衣装の中で、タキシードではやや違和感を覚えます】

 

90年代まではオペラやミュージカルを観に行くとなると、正装していくという同年代の友人もいましたし、「今日は30回目のファントムを観に行くんだ」と仕事場に着替えを持って来る同僚もいました。しかし、それは30年近く前に遡る話なので、現在の彼らがどんな姿で観劇に赴くのかは知る由もありません。最近になっても、必ず正装して観劇しているのはロイヤルボックスの方々だけのように見受けられます。

 


【19世紀のコスチュームは、現代以上にその人物の持つ社会的背景を語ってくれると思います】

 

VANジャケットの社長が創ったと言われる日本人英語のTPO(Time, Place and Occasion)というのは、ドレスコードに当たるものなのだろうな、と勝手に解釈していますが、最近の英国ではそうウルサクなくなって来ました。かねてから、そのドレスコードのようなこだわりは、特定の場所を利用する者にとって、誰にも邪魔されない場所、且つ他を寄せ付けない空間を作り出すことになっています。

 


【身分によって利用できる空間と入口が分けられていました。左はサルーンバー。右はサルーン。さて、両者の違いと言うと、立って飲むか、座って飲むかの違いでしょうか。このThe Old Shipはウィンブルドンにあります】

 

クラリッジなどの高級ホテルのラウンジでは、正装、平服、際立ってお洒落な服装、外国の民族衣装を召している人々がほとんどで、ジーンズとジャケット姿でうろうろしようものなら、「なんでお前がここに居るのか」という視線を周囲から浴びせ掛けられたり、正装のスタッフたちからは何度もMay I help you?(この場合の意訳は「出ていけ、お前に関わる暇はない」)と声を掛けられたりします。紳士倶楽部に至っては、門前払いを受けます。


 
【このパブの入口は身分別になっていませんが、2階はサルーンになっています】

 

昔は、パブにだってドレスコードがあったんですよ。

 

古いパブに行くと、サロンとか、パブリックとか、たまにladies(トイレとは異なる間仕切りだけの空間)と記されたプレートがドアに掛かっていたり、間仕切りしているところもあります。入店するのに、パブ用ドアがあったり、サロン用ドアがあったりして、階級やドレスコードで飲む場所が仕分けされていたんですね。でも、飲むビールの銘柄はサロンでもパブでも同じだったりして…。サロンでは背広の紳士が葉巻を燻らせながら、ビールやウィスキーをあおって金儲けや趣味の話をしていました。Top hut onlyみたいな札が掛かっているサロンの入り口があったりします。今ではほとんど見られない光景ですが、そんな時代もあったのです。


 
【ある大学の卒業式の光景です。卒業式やinvestitureにしか着ない服装というのも、アカデミックな世界でもドレスコードとして欠かせないものですね。この日、羽織袴の日本人女学生が一人だけいました】

 

英国人は必ずしも、カタチから入るわけではありませんが、ある程度の作法とドレスコードには気を付けましょう。という話ですが、せっかく英国に行ったのに、適当な服が無くて、入店を拒否されたとか、何かしらのレセプションに参加出来なかったという話もたまに聞きますので、スマートに見える服装を一着だけ持参していれば、何かと便利ですね。その点、男性はジャケット一着だけで済みますから、英国で買うのもまた一興かと。サイズについては前回のブリ吉の記事をご参照あれ。


以上、ブリ吉でした。

 

 

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