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2013-05-23 23:21:02

Friday Food Club 〜『ビアトリクス・ポターを訪ねるイギリス湖水地方の旅』

テーマ:フードとドリンク
今回のブログは、ハーブ研究家、北野佐久子さんに執筆していただきました。




世界一有名なうさぎピーターラビットを生み出した作者、ビアトリクス・ポター。

そのビアトリクスに魅せられて湖水地方を訪ねるようになって20年余り、湖水地方ならではの素

敵な場所、おいしさにもたくさん出会いました。


ビアトリクスもかつてパーティーに招かれたというジョージア朝邸宅は、現在Storrs Hall (ストー

ルズ・ホール)というマナーハウスのような優雅な雰囲気のホテルになっています。

窓からはウィンダミア湖の眺めが美しい、湖畔に静かにたたずむこのホテルに昨年の8月宿泊した

ときには、その食事のおいしさを堪能しました。


まず朝食がおいしい!

$Britain Park ~イギリス日記~



$Britain Park ~イギリス日記~



メインとなる一皿に加えて、まるでジャムを保存するようなガラス瓶に入って出されたヨーグルト

は、あまりのおいしさに3泊した毎朝注文しました。




$Britain Park ~イギリス日記~



ルビーのように美しい、ラズベリーやブラックベリーなどの真っ赤なベリーのコンポートの味わい

が、ベリーがたわわに実るイギリスの夏の味わいそのものなのです。

トッピングのカリカリとしたオートミールのクランチも絶妙のコンビネーション。





ビアトリクスが住居兼アトリエとしたヒルトップのあるニア・ソーリー村はこのウィンダミア湖を

渡し舟のようなフェリーに乗って行くのが、私のお気に入りの行き方です。


そのニア・ソーリー村でランチを食べるのでしたら、ナショナル・トラストに保存されているパ

ブ、「タワーバンク・アームズ」でその建物の雰囲気と共に是非味わいたいもの。

「あひるのジマイマのおはなし」に描かれている、村で一軒しかないパブです。

湖水地方の地ビールを飲みながら味わう、ローストビーフとヨークシャー・プディングの一皿はロ

ンドンとは一味違う家庭料理のような素朴な味わいがうれしいもの。


ヨークシャー・プディングはローストビーフを焼いたときに出る牛脂の中に粉を溶いた生地を流し

いれ、こんがりふっくらとシュークリームの皮のように焼いたもので、プディングといってもお菓

子ではありません。これをグレービーに絡ませながら食べるのがおいしいのです。


$Britain Park ~イギリス日記~









$Britain Park ~イギリス日記~





また、湖水地方のあるカンブリア州が特産のソーセージ、カンバーランド・ソーセージも忘れては

なりません。

とぐろを巻いたようにこのソーセージは、あら挽きの豚肉のミンチにセージなどのハーブ、スパイ

スを腸の長さに詰めたもの。生なので、適当な長さに切ってこんがりと焼いたものがランチの一皿

になったり、朝食の卵料理と一緒に出されますが、歯ごたえのある、スパイシーな味わいは、まる

で肉を食べているかのようなジューシーなおいしさです。同じ名前でロンドンのスーパーで売られ

ているものとは全く違う味わいなのです。



甘いプディングでは、湖水地方のカートメルという町で生まれた、スティッキー・トフィー・プ

ディングが有名です。それを味わうなら、ニア・ソーリー村の隣、ホークスヘッドにあるティー

ルーム、Grandy Nook(グランディー・ヌック)がお勧め。



$Britain Park ~イギリス日記~




秘密にしておきたい、この愛らしいティールームで出すここのスティッキー・トッフィープディン

グは絶品です。

デーツの入ったスポンジに、生クリーム、黒砂糖、バターを合わせた温かいソースがかかっていま

すが、しつこくなく病み付きになるおいしさ。たっぷりのアイスクリームをからめながらいただく

味は最高です。



$Britain Park ~イギリス日記~







ピーターラビットの世界とおいしい味、湖水地方には何度行ってもまた行きたくなる尽きせぬ魅力

があります。





*************

北野佐久子先生の新刊『ビアトリクス・ポターを訪ねるイギリス湖水地方の旅』のご紹介です。



$Britain Park ~イギリス日記~



『ビアトリクス・ポターを訪ねるイギリス湖水地方の旅:ピーターラビットの故郷をめぐって』
北野佐久子 著 A5判・218ページ・カラー刷・本体価格2,300円(税込み2,415円)
ISBN978-4-469-24576-9




『ピーターラビットのおはなし』の作者ビアトリクス・ポターが,愛し,暮らし,描いた湖水地方

を巡る本ができました!

彼女の絵本作家としてのみならず,自然保護活動家,キノコ学者,牧場経営者といったさまざまな

素顔を紹介しています。

300点以上の写真やビアトリクスが描いた挿絵・スケッチなどを眺めながら旅の気分を味わうもよ

し,また実際に湖水地方を旅する時のツアーガイドとしても携えたい1冊です。

各章末のコラムでは,食文化研究家の北野佐久子さんならではの,湖水地方特有のお菓子のレシピ

も紹介しています。






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2013-05-21 13:59:41

メンズファッションの聖地 サヴィル・ロウ

テーマ:ファッション
今週はイギリスの魅力を文化の視点から紹介している、ジャーナリストの長谷川喜美さんがお届

けします。



$Britain Park ~イギリス日記~

all pictures from the book SAVILE ROW by Edward Lakeman




世界で唯一、「紳士服の聖地」と呼ばれる場所がある。 

ロンドンの中心部メイフェアに位置するサヴィル・ロウ。

日本語の「背広」の語源が英語のサヴィル・ロウに由来するというのは、今や多くの人々が知っ

ている事実だろう。

英国王室御用達の老舗をはじめ、紳士服の仕立屋であるテーラーが30店以上も軒を連ねる世界で

も有名な通りである。


ここで特に名高いのは「ビスポーク」とよばれる注文紳士服だ。

英語の「ビスポークBe-Spoken」は本来「話し合う」という意味を持ち、

顧客と店側の話し合いによって作られるのが伝統なのだ。


相互の話し合いが重要とされるビスポークのテーラーでは採寸に始まり、

一着のスーツが完成するまで、一人の顧客を担当するのがカッターであり、

スーツ作りのすべての鍵を握る。

カッターが採寸したサイズから型紙をおこし、

その型紙に添って服地を裁断し、仮縫い、試着を繰り返す。


はじめてスーツを作る時は完成までに3~4回の試着を必要とし、

平均単価は一着のスーツで約£3,000(£1/155円換算で465,000円)となる。


「一度、ビスポーク・スーツを着たら、既成服は着られなくなる」

とされる快適な着心地、厳選された服地と最高の技術で作られるスーツを求めて

世界中の顧客がここサヴィル・ロウにスーツを作りにやってくる。



ヨーロッパのメンズファッションの歴史では、イングリッシュ・スタイル、

ひいてはサヴィル・ロウが常に世界を率いてきた。


サヴィル・ロウの創立者と呼ばれる老舗テーラー、ヘンリー・プールの創業は1806年。

1900年初頭には14名のカッターと300人のテーラーを抱えた

世界最大のテーラーであり、日本の旧宮内省を含むヨーロッパ各国の王室から

40に及ぶロイヤルワラント(英国王室御用達)を獲得している名門である。

ウィンストン・チャーチルや吉田茂、白洲次郎のテーラーとしても名高い。

$Britain Park ~イギリス日記~






サヴィル・ロウでロイヤルワラントを持つテーラーはヘンリー・プールだけではない。

三つ全て(現在はエリザベス女王二世、エディンバラ公、

チャールズ皇太子)のロイヤルワラントを持つギーヴス&ホークスを始めに、

長い歴史を持つ多くのテーラーが集結し、そのどれもが一定以上の

クオリティを保持している場所はこの場所以外には存在しないだろう。


$Britain Park ~イギリス日記~

ギーヴス&ホークス












世界最大の王室である英国王室の庇護のもと、軍服と礼服の需要のもとに、

サヴィル・ロウはスーツの起源当時から世界最高のクラフツマンシップを誇ってきた。

二百年を超える伝統を持ち、メンズスタイルとクラフツマンシップが融合した、

世界でも唯一無二の場所といえる。



現代のファッションの中心はパリ、ミラノかもしれないが、

サヴィル・ロウの名が示すステイタスは現在も色褪せることはない。

常に世界のミリオネアやセレブリティーは究極の富の象徴として、

ヨーロッパの金融と貿易、政治の中心であるロンドンを目指してきた。


メンズスタイルにとってスーツは必要欠くべからざるもの、

単なるファッションを超えたものだ。こうして常に世界最高の顧客は、

ロンドンのテーラリングの聖地サヴィル・ロウを求めてきたのだ。



ロンドンとメンズファッションに興味がある方なら、

一度はサヴィル・ロウに足を運んでみてはいかがだろうか。


ビスポーク・スーツのみを取り扱い、アポイントが必要な店も多いが、

前述のギーヴス&ホークスは既製服からビスポークまで幅広い品揃えを誇り、

理容店(バーバー)や靴磨き専門のサービスなども店内に備えている。

中2階に展示されたミリタリーなどの貴重なアーカイブも必見だ。

「紳士服の聖地」でグルーミングをするのも興味深い体験になることだろう。


$Britain Park ~イギリス日記~
 サヴィル・ロウ1番地に店を構えるギーヴス&ホークス





今まで語られることの少なかった紳士服の聖地サヴィル・ロウ。

その現状はどうなっているのだろうか。


時代の流れの中で大きく変貌を遂げるサヴィル・ロウ、

徹底した現地取材でその実像に迫ったフォトドキュメンタリー

サヴィル・ロウ

( 著者:長谷川 喜美 撮影:Edward Lakeman 万来舎 3,570 円 )



イギリスを中心としたメンズスタイルにご興味ある方は

毎週更新するブログ『紳士の叡智 A Gentleman’s Wisdom』も合わせてどうぞご笑覧ください。

2013-05-16 00:21:27

Friday Food Club 〜 英国で最高に美味しい名産品を手に入れるには

テーマ:フードとドリンク
今回のブログは、駐日英国大使館のトム・バーン参事官(政治・広報ディレクター)に執筆していただきました。



英国を訪れたのに、ロンドンから出たことがないとしたら、それは英国で最高に美味しい物を食べ

るチャンスを逃したことになります。

英国を訪れると、当然一番美味しいレストランを探したいと思うものです。

でも、それだけでなく、日本にいる友人や家族のために、一番美味しい「おみやげ」を見つけたい

とも、きっと思うはずです。

また、英国に引っ越すとか、英国で生活するとなると、英国で最高に美味しい名産品はどこで買え

るのか、そしてどこで名物料理が食べられるのかを知りたくなるかもしれません。

(そもそも何が地元の名産品なのかを知りたくなることでしょう。)でも、何をよりどころに探せ

ばいいかは、簡単にわかるものではありません。

特に英国には、英国の食に関するとっておきの秘密を、世界に伝えるという習慣はないのです。



もしロンドンに行くなら、美味しい地元の食品を探すのは比較的簡単です。

ロンドンにある美味しいデリカテッセン、専門の仕入れ先、そしてフード・マーケットは有名です。

私からのとっておき情報をお知らせいたします。

美味しいコーヒーを買うならアルジェリアン・コーヒー・ショップ(The Algerian Coffee Shop)

をお勧めします。アルジェリアンという名前に反して、1887年創業の英国のコーヒー専門

店です。各種コーヒー豆はもちろん、紅茶も販売しています。



どこよりもフレッシュな生鮮食料品を買いたいなら、ロンドンで最も活気があり、

おしゃれなマーケットと言われている バラ・マーケット(Borough Market)がお勧めです。



美味しい英国チーズをお探しなら、コベント・ガーデンにあるニールズ・ヤード・デイリー

(Neal’s Yard Dairy)
へ。

(英国はフランスより100種類以上も多くのチーズを生産していることをご存知でしたか?)


$Britain Park ~イギリス日記~

<ウィキペディアより抜粋>





首都ロンドンを離れて地方に出かけること自体、すでに素晴らしい旅の思い出となるはずです。

しかし、多くの人たちが、どこに行けば英国で最高に美味しい食事ができるのか、という問題に直

面するのではと思います。旅行ガイドブックに載っているのはせいぜいロンドン、コッツウォルズ

そしてバースの情報ぐらいですが、実は国内各地で美味しい食べ物が作られているのです。



そこで、小規模の生産者が地元の食材で作る、良質で、その土地ならではの特産品を英国で試して

みたいと思っていらっしゃる方々に、現地ならではの情報を提供します。


地元の食材を使った質の高い食品の生産者や販売者の団体、、ザ・ギルド・オブ・ファイン・フー

ド(The Guild of Fine Food)が主催するザ・グレイト・テイスト・アワード(The Great Taste

Awards)
は、小売業やシェフ、レストラン評論家やフードライターなど約350名の食の専門家た

ちの厳正なる審査を通過した、最高の生産者による最高の食品にのみ与えられる賞です。

昨年は約2,500の生産者が作った8,800以上の食品が審査を受けました。このうちわずか123の食

品が、誰もが受賞したいと願う三ツ星を獲得いたしました。

この賞は英国の小規模生産者を擁護し、そして大規模な店では出会えないような、隠れた宝と言っ

ても過言でない素晴らしい食品を見つけ出すのに役立っています。

伝統的な英国の食品、外国の料理を英国風にアレンジしたもの、また世界各地の料理の本格的なレ

シピなど、選りすぐりの食品や料理が選ばれています。

2012年のベスト50は以下のウェブサイトでご覧いただけます。

http://www.greattasteawards.co.uk/top50/



トップ50に入賞した食品の中で私が注目したのは、ラドロー・フード・センター(Ludlow Food

Centre)
の最高に美味しい英国産ベーコンです。

実はラドロー・フード・センターは私の両親の家から、ほんの数キロのところにあるのです。

$Britain Park ~イギリス日記~




ここのベーコンはグロスター・オールド・スポット種という豚の肉から作られています。

この豚はイングランド生れの古代種で、体に黒い斑点があります。(別の古代種のバークシャー豚

は、日本では黒豚として知られています。黒豚が英国生まれだったことはご存じでしたか?)



$Britain Park ~イギリス日記~











残念ながらこんなに美味しいベーコンは日本では手に入れることができません。

ですから、ご自身でこのベーコンを味わっていただくためにも、ぜひとも皆さんに英国を訪れてほ

しいのです!





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