「隠れていた宇宙」ブライアン・グリーン
を読みました。
最先端の物理学を一般人にもわかりやすく説明してくれる本。
大学生の時に「エレガントな宇宙」を読んで、当時出始めの「超ひも理論」に触れた。
あれから10年経って、「超ひも理論」はどうなっているのか、最先端の物理学はどうなっているのか、
知りたいと思って読みました。
▪️パッチワークキルト多宇宙
「並行宇宙」、「パラレルワールド」という考え方があるが、そんなわけないだろうと思っていた。
たしかに量子の状態は確率的にしかわからないが、それは色んな状態の宇宙が無数に存在するということではなく、
宇宙は一つであり、確率の中のたった一つの状態を選び取るのだ、と思っていた。
しかし、本書を読んで納得した。
宇宙が無限に広がっているなら、私達が見ている宇宙とそっくりな宇宙がたくさん存在する。
無限の宇宙には様々な宇宙が存在しているが、粒子の取りうる状態は有限なので、重複する宇宙が出てくるはずである。
同一ではなく、似ている宇宙だともっとたくさん存在する。
太陽系そっくり、地球そっくり、自分とそっくりな宇宙があって、でも髪の色が違ったり、趣味が違ったり、ほんのちょっとだけ違う宇宙。
▪️自然法則の統一
超ひも理論では「10次元の宇宙」という信じがたい考えが出てくるが、
4次元に生きている我々がその考えにたどり着けることがすごいと思いました。
4つの力(電磁力、強い核力、弱い核力、重力)を統一しようとしたが、
重力以外の3つは量子論で統一できるが、重力を当てはめるとでたらめな結果が出た。
超ひも理論がこれを解決する。
物体が非常に重い時は重力が影響し、非常に小さい時は量子力学が影響を及ぼすので、
相対性理論と量子力学の統一理論が必要なのは、小さくてなおかつ重いブラックホールやビッグバンを考える時だけである。
ひも理論の方程式には数学的な欠陥があったが、
空間が9次元と時間の1次元の時空が10次元ある宇宙であれば、問題がなくなることがわかった。
方程式を解くとたどり着く結果が10次元宇宙なのだ。
信じられないかもしれないが、粒子を細かく見ていくと、次元が小さく丸まっていて、見つかりにくいのかもしれない。
たとえば東京タワーくらいの長いストローがあったとして、近くで見れば丸みのある2次元だとわかるが、
遠くからみれば1次元の線にしか見えない。
絨毯は平面で2次元に見えるが、細かく見ると繊維がループしていて、別の次元が見えてくる。
同じように、粒子にも、最新鋭の顕微鏡でも見えない余剰次元があるのではないかと考えられる。
何がすごいって、余剰次元は見えないのに、数学の方程式を解いていったらみつかることがすごい。