前回の記事で、第三世代セフェム系経口抗菌剤(抗生剤)のバイオアベイラビリティが低く、ほとんど効いていないという記事を書かせて頂きました。
では、歯科医院はいったいどの抗菌剤を揃えれば良いのでしょうか
「薬 '17/'18 歯科 疾患名から治療薬と処方例がすぐわかる本(クインテッセンス出版)」を見ていきますと、大体歯科領域で選択すべき抗菌薬が分かってきます。
【薬剤名 (○○系) バイオアベイラビリティ】
クラビット(フルオロキノロン系) 99%
サワシリン(ペニシリン系) 75%
ミノマイシン(テトラサイクリン系) 93%
クラリス(マクロライド系) 50%
ジスロマック(マクロライド系) 35%
フラジール(ニトロイミダゾール系)100%
フロモックス(第三世代セフェム系) 35%
オラセフ(第二世代セフェム系) 50%
ケフラール(第一世代セフェム系) 93%
以上の様になっていますが、ただバイオアベイラビリティが良くても有効菌株に当たらないと、効果は期待できません。
更に、広域に効く抗菌剤(キノロン系etc...)は耐性菌の面からも出来るだけ、温存して置きたいものです。
以上の事柄を考慮して、2~4種類程度の抗菌薬を選び常備しておけば、大体の歯科領域はカバーできるかと思います。
あとは、手におえない症例をいち早く見定め、高次医療機関へ紹介することもとても大切な開業医の仕事であると考えております。
以上、「歯科医院にどの抗菌剤(抗生剤)を揃える?」のお話でした。