獣医師は国家試験合格し一定水準を超えていればOK 2年前の国家戦略特区WGヒアリング(その1) | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

今からほぼ2年前の平成27年6月8日、「国際水準の獣医学教育特区(愛媛県・今治市)」をテーマとして、国家戦略特区WGヒアリングが東京・永田町合同庁舎7階特別会議室おこなわれました。その時の議事要旨が以下のURLで公開されています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/150608_gijiyoushi_02.pdf

 

 

2年前に国家戦略特区WGヒアリングがおこなわれた永田町合同庁舎のもっとも近くにあると思われる食堂(国会図書館の食堂)。 http://www.ndl.go.jp

1回もいったことがありません。永田町合同庁舎には食堂がない(?)ようですが、そこで働いている人は昼飯とかどうしてるんでしょうか?赤坂とかまで歩いて食べにいってるのか?毎日外食だとお金かかりますね。コンビニ弁当は保存料とかぶっかかっていますから、頻繁に食べないほうがいいですよ。

 

 

 

WG委員として、原英史委員(株式会社政策工房代表取締役社長)、本間正義委員(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)、八代 尚宏委員(国際基督教大学教養学部客員教授、昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授)の3名が出席しています。

 

 

関係省庁として、文部科学省高等教育局専門教育課の北山浩士課長、牧野美穂課長補佐、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課の藁田純課長ほか課長補佐2名が出席しています。

 

 

さらに、WG事務局として、内閣府地方創生推進室の藤原豊次長、富田育稔参事官ほか2名が出席しています。

 

 

2年も前の、このWGヒアリングの議事概要を読むと、初めは、WG委員・事務局に対して、強く抵抗する文科省側、それに追従する形で文科省をヨイショする農水省の姿が描かれていますが、

 

途中で、国家資格試験で一定以上の質が担保された獣医師が増えた場合に何が問題なのか、改めて、繰り返し、その理由をWG委員から問われ、文科省はたまらずに農水省に話を振るが、農水省側から「はしご」を外され、獣医学部新設を文科省の告示で規制するという文科省の既存の枠組みには明確な根拠がないことが明らかになっていく様子、すなわち文科省側の考えが破綻していく様子が見て取れます。

 

 

それにも関わらず、ほぼ2年後の2017年年5月25日の記者会見で、前川喜平・前文科事務次官は、次のように述べています。

 

「本来なら、農林水産省から獣医の人材需要への明確な見通しが示されるべきなのに、それは示されず特例を認めることになってしまった。極めて薄弱な根拠のもと認められた」

 

 

2年も前に、文科省自身の考えの方が根拠希薄の考えであることが明らかになり、既に瓦解しているのに、多くの国民がその事実を知らないと思ったのか、あるいは、いちいち過去の国家戦略特区WGの議事禄にまで目を通さないと高をくくったのか。

 

 

前川前事務次官は、その事実には触れず、既に瓦解したはずの旧態依然として自省の考えを、さも正論であるかのごとく、公言している、、、、ブログ主はそう感じました。

 

 

さて、この議事概要は長いので、今回を含め3つのブログ記事にわけて掲載していきます。なお、読みやすさを考え、文科省関係者の発言を濃い赤茶色で、農水省関係者の発言を濃い緑色で、表現することとします。

 

 

 

文科省の言い分 「愛媛県・今治市の獣医学部新設提案は石破4条件を満たしていない」

   

 

○藤原次長 それでは、始めさせていただきます。「国際水準の獣医学教育特区」ということで、愛媛県・今治市のほうから御提案をいただきまして、かねてから構造特区でもさまざまな提案をいただいていたのですけれども、今回かなりバージョンアップされて提案をいただいたこともありまして、既に成長戦略の成果ということでワーキンググループの先生方の御指示もいただきながら文科省のほうに案文を投げさせていただいているわけでございますけれども、ぜひその方向での議論を深めていただければと思っております。

それでは、原先生、お願いいたします。

 

○原委員 まず、文科省さんから御説明をいただいたらよろしいですか。

 

○藤原次長 はい。

 

○原委員 では、よろしくお願いいたします。

 

○北山専門教育課長 文部科学省専門教育課長の北山でございます。よろしくお願いいたします。

 

この獣医系大学の新設についてでございますけれども、昨年夏以来、国家戦略特区ワーキンググループ、このワーキンググループで累次にわたって御説明を申し上げてきたかと存じます。構造改革特区の26次提案の対応方針で文部科学省から回答させていただいておりますが、具体的には、既存の獣医者の需要については、農林水産省さんに確認をしたところ、現時点では獣医師の需給に大きな支障が生じるとは考えにくいとのことでございました

 

このため、愛媛県・今治市が獣医系大学を新設したいということであれば、その既存の獣医師でない構想を具体化していただき、ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要を明らかにしていただく必要があると考えております。

 

文部科学省といたしましては、愛媛県・今治市より、既存の獣医師養成でない構想が明らかになり、そのライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになった場合には、近年の獣医師の需要の動向を考慮しつつ、特定地域の問題としてではなく、全国的見地から検討を行う必要があると考えています。

 

この件につきましては、愛媛県・今治市に文部科学省から累次にわたってお伝えするとともに、直接御相談もいただいているところでございます。先日は、下村大臣のところに要望に来られました愛媛県知事に対して、下村大臣からこの旨をお伝えしているところでございます。まず、提案者のほうで既存の獣医師養成なり構想を具体化していただく必要があって、下村大臣からもそのようにするようにということで指示をいただいているところでございます。

この構想自体については以上でございます。

 

また、成長戦略の案文についてでございますけれども、今、申し上げたとおりでございまして、獣医系大学の新設、定員増につきましては、全国から入学者が集まって全国に卒業者が輩出されているという状況でございます。そのような状況でございますので、獣医系大学の新設につきましては、近年の獣医師の需要の動向、分野別、地域別の獣医師の偏在なども踏まえまして、特定地域の問題としてではなく、全国的見地から検討しなければならず、国家戦略特区等の特区制度を活用した対応は極めて困難であると考えております。

文部科学省からは以上でございます。

 

○原委員 文科省さんと提案者さんとの間でのやりとりという話がありましたが、事務局で何かお聞きになっている補足がもし何かあれば。

 

○藤原次長 まったく存じ上げません。

今のお話の中で解説をぜひしていただきたいのは、構造改革特区での対応方針は何ですか。どういう話でしたか。うちの事務局でもいいし。それをまずどういう議論が行われているかというのをきちんと、先生方は全く御存じないと思いますので。具体的なものがあるのだったらそれもあわせて。

 

○富田参事官 わかりました。まだ対応方針として内部でも調整中のものでございますので、一旦提案としていただいているという状況でございます。今お持ちいたします。

 

○藤原次長 誤解があってはいけないのですけれども、ここの成長戦略の中で書かせていただく文言については、必ずしも特区でやるものだけを書いているわけではなくて、少なくとも特区でという意味でございます。全国的な措置を行っていただくものもあわせて記述をこれまでもしておりますので、その点は誤解のないように。ここに書けば絶対特区でやらなければいけないとか、そういうことでは全くないので、そこは誤解のないようにしていただければと思っております。

とりあえず、事務局から以上です。

 

 

 

今後、獣医師が今の数で十分対応できるのか。

 

   

○原委員 先生方、何かありますか。

 

○本間委員 ただいまの御説明だと、従来の医学教育及び獣医師養成としての獣医学部についてのみの説明であって、肝心の今治市が主張している国際水準ないしは新しいタイプの獣医学教育ですね、それには触れていない。今治市は食の安全とか、人獣共通感染症あるいは越境国際感染症、そうしたものに対する対象が必要であるということを主張されているわけで、それがこれまでの獣医学教育とはかなり違うと私どもは受け取っているわけで、なおかつ、現在の獣医学の教育体制ではカバーし切れないと認識をしているところなのですが、そのあたりの見解についてはどうお考えでしょうか。

 

○北山専門教育課長 お答えします。愛媛県今治市さんから出されてきている項目でございますけれども、大きく①のところで新しい分野への対応ということが書かれているところでございますけれども、これまでの獣医学教育ではなく新しい分野の対応ということで言われておりますが、まず、公共獣医事を担う第三極の国際水準の大学獣医学部ということで、いろいろなことをやるということが言われております。例えば動物由来新興感染症の統御ということ、あるいは越境感染症の貿易ということでございますが、国、県において危機管理対応を行う人材の養成というものについては、獣医学教育のモデルコアカリキュラムというものをつくっておりまして、その中で既存の各大学で人獣共通感染症学であるとか、動物感染症学に関する教育研究というものを実施しているところでございます。獣医系大学の卒業生の約2割が公務員で、約1割が産業動物獣医師として全国で危機管理対応を既に実施しているところでございます

 。

また、次の食品貿易の安全確保、食料の安定供給、養殖産業振興ということでございますが、これらにつきましてもモデルコアカリキュラムで食品衛生学あるいは食品衛生学実習というものを実施しておりまして、現在の食品衛生管理者や食品衛生監視員などに卒業生が就職しているところでございます。

 

次に、ライフサイエンス分野における連携、研究、教育ということでございますけれども、これもモデルコアカリキュラムで薬理学、病理学、生理学といった講義、演習が既に明記されておりまして、既存の各大学で取り組みを行っていただいているところでございます。

 

企業からの求人も多くなっておりまして、卒業生の一定数が製薬、食品業界に就職し、動物を用いた製薬、薬効、安全性の確認等の実験研究に従事しているところでございます。情報ネットワーク構築、政策監視、疫学調査ということも新しい分野と指定されておりますけれども、情報ネットワーク構築、政策監視といったところについては、具体的な内容がよくわからないのですが、疫学につきましては、既存の各大学においてモデルコアカリキュラムに基づいて疫学に関する教育研究を実施しているというところでございますし、疫学調査についても各大学において実施されているというところでございます。モデルコアカリキュラムに基づいて、既存の各大学でも実施されているというところでございまして、これらを新しい分野というように位置づけるというのは若干困難があるのではないかと考えております。

 

○本間委員 量的な問題はどうですか。その前に、新しい分野としてここには書いていなかったのかな。水産への対応等も言われていて、今、獣医学部で水産関係の獣医対応というのは十分にはなされていないというように認識しておりますので、その点が1点。

 

今の御説明の中では、やられている、やられているというお話ですが、こうした御提案の背景にあるものとして新興感染症だとか、バイオテロだとかという危険が非常に高まっているという意味では、量的な拡大、つまり供給の拡大が望ましいというように我々は受け取っているわけです。ですから、今治市からの提案は、今、今治市の中でそういう体制をつくりつつあるということから出てきているのだと思うのですが、一般的に今おっしゃった中で獣医師の定員が決められている、あるいは獣医学部の学生の定員が決められている中で、あらゆることに対応しなくてはいけない。そういうことについて量的な確保がなされているのか。新しい需要がふえているという中の状況をどうお考えか。これは文科省さんと農水省さん、こうした対応について、今後、獣医師が今の数で十分対応できるのかどうか。あるいは今治市が提案していることに対してどういう体制で対応されようとしているのか。現状の獣医学教育の中で十分なのかどうか、そのあたりの御見解をあわせてお聞かせいただければと思います。

 

○北山専門教育課長 まず、文部科学省からでございますけれども、水産分野のことのお問い合わせがございましたが、水産分野について、まず獣医学のほうで取り組まれていることとしては、モデルコアカリキュラムに基づいて魚類の形態と構造、機能、あるいは水生動物の疾病。魚の病期の学という魚病学というものがあるようなのですけれども、それについての理解。あるいは魚介類の衛生管理に関する教育研究というものが実践されております。他方、漁業学については、獣医学部、学科ではなくて、主に水産学部、学科が教育研究になっているという現状がございます。

 

また、養殖水産物に使用することが認められていない医薬品等を使用するという場合には獣医師による処方が必要になりますが、水産業界からの獣医師の需要は余りないというように聞いております。また、量的な需要という点につきましては、まず、文部科学省では獣医系大学の新設等を検討するに当たっては、獣医師の需給見通しを含めて養成数を検討することが不可欠だと考えておりまして、この点につきましては、農林水産省さんのほうでの需要の見通しというものに基づいて検討をさせていただくことになろうかと思っております。

 

○藁田課長 農林水産省畜水産安全管理課長の藁田といいます。

まず、漁業の関係でございますが、今、文科省のほうから御説明があったように、水産学科と獣医学科、この両科の、言ってみれば卒業生が実際協力しながら物事に当たっているというのが現状です。私の課も畜水産安全管理課でございまして、水産の専門家、あとは獣医、この両者で協力しながらやっておって、現状としては対応できていると考えております。ちなみに獣医師国家試験でも、当然その範囲として魚病というのも網羅しているところであります。

 

もう一つ、需給の関係でございますが、これについては、これまでも御説明したとおりでございます。小動物、ペットの獣医療に関しては、基本的なのはとにかく犬、猫の飼養頭数が減少傾向にございまして、小動物分野の獣医療が大きく伸びるというのは非常に考えにくいかなと。また、産業動物の分野でございますが、当省としては若干残念な関係なのですが、畜産の飼養の確保数自体がかなり減少してきている。飼養頭数も減少傾向ということでございまして、今の産業動物分野における需要も大体今の段階でいえば、おおよそ全国的には賄われているのではないかと考えています。以上でございます。

 

 

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『獣医師国家試験は一定のレベルを超えていればOK 2年前の国家戦略特区WGヒアリング(その2)』

http://ameblo.jp/brendy6m/entry-12284136272.html

に続きます。