2016年6月12日18:04キックオフ@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:雨

京都 3ー0 山口 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、下畠翔吾、岩沼俊介。MF右から山瀬功治、佐藤健太郎、アンドレイ、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、有田光希。
SUB:清水圭介、染谷悠太、内田恭兵、國領一平、ダニエル・ロビーニョ、石田雅俊、沼大希
監督:石丸清隆

(選手交代)
64分、有田→ダニエル・ロビーニョ:ポジションそのまま。
70分、堀米→内田:ポジションそのまま。
90分、エスクデロ→石田:ポジションそのまま。


【山口メンバー】
GK一森純。DF右から小池龍太、北谷史孝、宮城雅史、香川勇気。MF底に庄司悦大と望月嶺臣(48分:→三幸秀稔)、前に右から鳥養祐矢(HT:→星雄次)、福満隆貴、島屋八徳(77分:→原口拓人)。FW岸田和人。
SUB:村上昌謙、廣木雄磨、ユン・シンヨン、安藤由翔
監督:上野展裕


【審判団】
主審:上田益也 副審:馬場規、松井健太郎


【得点】*サイドは攻撃側から見て
3分、アンドレイ(京都1-0山口):左サイドでのFK、堀米のクロスをファーサイドでアンドレイが頭で合わせて決める。
24分、岩沼(京都2ー0山口):左CK、エスクデロのクロスをアンドレイが中央で右足で合わせ、ゴール前で岩沼が左足に当ててコースを変えて決める。
89分、ダニエル・ロビーニョ(京都3ー0山口):自陣左サイドでボールを奪った内田が縦に蹴り出すと、相手との競り合いを制してエスクデロがキープ。タメを作って逆サイドから走り込んだダニエル・ロビーニョにパス。これをダニエル・ロビーニョが右足ダイレクトで蹴り込んで決める。


【警告】
京都:下畠(87分)
山口:宮城(20分)



平日開催を含んで中3日での3連戦目となった京都の今節は、3試合ぶりにホームに戻ってきての山口戦となりました。
京都は前節まで5試合続けて同じスタメンでしたが、今節は本多が累積警告による出場停止ということで、岩沼が左サイドバックに入りました。岩沼は今季初スタメンですね。
また、イ・ヨンジェが足を少し痛めているとのことで大事を取ってベンチ外。有田が入りました。ベンチには久々に石田と染谷が戻っていますね。
対する山口は、圧倒的な攻撃力でJ3を制して昇格してきたチーム。
J2でもその攻撃力は猛威を振るっていて、リーグ上位の得点数を記録し、順位も前節終了時点で7位につけています。
前節からはボランチの三幸に替えて望月を起用してきました。



山口の強みを摘み取り、弱さを突き崩した完勝


試合は開始3分にセットプレーから先制した京都が、前半のうちにリードを広げ、終盤にダメ押しして3-0の勝利。
山口の強みを消し、弱みをしっかりと突いてモノにした完勝でした。


山口の武器のひとつはショートパスを主体とした崩しです。
選手間の距離を近づけ、縦パスのコースを複数作るとともに、前方にパスを入れた時には受け手の後方にサポートする形で一人が寄る。こうすることによって相手の守備は絞りにくくなりますし、前→後→前というボールの流れで、視界に入っている選手を使いながら速いテンポでパスを回せるようになっているように見えます。
もちろんパスを出した選手がすぐに動き出さないと連続した攻撃にはならないのですが、それを徹底していることが山口の強みでしょう。

しかし京都は全く慌てていませんでしたね。早々に先制できていた余裕ももちろんあったとは思いますが。
DFとMFでしっかりと4-4のブロックを固めて縦パスを入れるスペースを制限し、持ち上がってきたボールホルダーに強めに当たる。特に望月と庄司のダブルボランチは起点となることが多いので、アンドレイを中心によく飛び出して潰しに行ってましたね。
山口は締められている中央を避けてサイドを起点にしようとしていましたが、ゴールを奪うためには最終的に中央に入らざるを得ないわけです。それでもボールに釣られてスペースを開けてしまうことがあるのですが、京都はそこは割り切っていて、中央をきっちり締めた上でスペースを制限していき、山口の侵入を見事に防ぎきりました。山口の前線に個人で打破するようなパワーがないことも踏まえてになっていたでしょう。


パワー不足は山口のウィークポイントでもあります。
爆発的な得点力の一方で、失点が多いのも山口の特徴で、しかも失点の半数以上がセットプレーから。
センターバックにもそこまでの強さは感じませんし、今節ではキックオフ直後の競り合いから有田が宮城に対して余裕を持ってプレーしていましたね。
高さもないですし、マンマークで外されることも多いので、セットプレーの失点が嵩んでいるのでしょうか。
いずれにせよ、この山口の弱みを試合開始直後から突いてリードを広げられたのは試合の流れを決定づけましたね。
また、山口の人数を掛けた攻撃に押し込まれたとしても、縦パス一本で有田やエスクデロがマイボールにしてくれる公算が高いですし、決定的なカウンターに繋げることもできやすい。
最後のダメ押しゴールも、前線へのアバウトなボールをエスクデロが無理矢理マイボールにしたところからですしね。やはり山口のDF陣は対応に苦慮していました。

前述の通り守備も機能していたので、ほぼ京都のペースで進められたと言っていいでしょう。
贅沢を言うなら3点目をもっと早めに奪いたいところだったでしょうか。
相手の強みを的確に消し、逆に相手の弱みをしっかりと突いて崩した頼もしい勝利でした。
これから気温も上がってきてしんどい試合も増えると思いますが、メンバーの変更もあった3連戦の最後にこういった戦いができたことはポジティブに捉えることができますね。



―2016シーズン通算記録―
9勝6分2敗 勝ち点33
25得点 15失点
今節終了時点での順位:4位
*第7節熊本戦は延期(6月29日に開催)

【ゴール】
4点:イ・ヨンジェ、堀米
3点:有田、アンドレイ
2点:山瀬、石櫃、ダニエル・ロビーニョ
1点:下畠、本多、沼、エスクデロ、岩沼

【アシスト】
6アシスト:エスクデロ
5アシスト:堀米
2アシスト:イ・ヨンジェ、ダニエル・ロビーニョ、アンドレイ
1アシスト:有田、佐藤

【累積警告】
3枚:菅沼
2枚:イ・ヨンジェ、エスクデロ、アンドレイ
1枚:有田、佐藤、ダニエル・ロビーニョ、下畠

*佐藤、本多は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり