2016年5月22日14:03キックオフ@北九州市立本城陸上競技場 天候:晴

北九州 1ー2 京都


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、下畠翔吾、本多勇喜。MF右から山瀬功治、アンドレイ、佐藤健太郎、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、内田恭兵、岩沼俊介、國領一平、ダニエル・ロビーニョ、有田光希、沼大希
監督:石丸清隆

(選手交代)
75分、イ・ヨンジェ→有田:ポジションそのまま。
84分、堀米→内田:ポジションそのまま。
90分、エスクデロ→ダニエル・ロビーニョ:ポジションそのまま。


【北九州メンバー】
GK阿部伸行。DF右から星原健太、前田和哉、市川恵多、石神直哉。MF右から小手川宏基、風間宏希(85分:→多田高行)、加藤弘堅(72分:→花井聖)、本山雅志(52分:→井上翔太)。FW原一樹、小松塁。
SUB:鈴木彩貴、寺岡真弘、刀根亮輔、大島秀夫
監督:柱谷幸一


【審判団】
主審:塚田智宏 副審:佐藤貴之、西村幹也


【得点】*サイドは攻撃側から見て
30分、原(北九州1-0京都):自陣右サイドから星原が前線へロングパス。それに原が飛び出し、ワントラップから右足でシュートを放つと、ブロックに入った下畠に当たってコースが変わり、菅野の頭上を越えてゴールに入る。
37分、イ・ヨンジェ(北九州1ー1京都):下畠の縦パスを引いてきたイ・ヨンジェが受け、ターンして前にいたエスクデロにパスして追い越す。そこへエスクデロがスルーパスを通し、角度のないところからイ・ヨンジェが左足を振り抜いて逆サイドネットに突き刺す。
52分、山瀬(北九州1ー2京都):右サイドで得たスローインを石櫃が素早く前方に入れ、受けたエスクデロがワンタッチで落とす。そこに飛び込んだ山瀬がワンタッチで市川をかわしてエリア内に侵入し、右足を振り抜いて逆サイドネットに突き刺す。


【警告】
北九州:なし
京都:佐藤(43分)



前節、アウェーで愛媛を破った京都。今節もアウェーでの試合となり、北九州との対戦でした。
スタメンは前節と同じでしたが、負傷明けのダニエル・ロビーニョと有田がサブに入りました。
対する北九州は監督に柱谷幸一さん、コーチに美濃部直彦さんがいたり、原や加藤も在籍していて、縁のある選手や指導者が多いチームですね。今季からは大嶽コーチが北九州から京都に移ってきてもいます。
そんな北九州は今季苦しんでいて、前節を終えた時点で19位。しかしここ4試合は負けなしで、前節には好調の町田を破っています。
北九州も前節とスタメンは同じ。というか今節含めて4試合続けて同じですね。



先制を許すもスムーズな攻撃を続け快勝


前節の愛媛戦では、システム上のズレも利用しながら、攻撃の形作りが徐々に仕上がってきたことを感じさせました。
今節対戦する北九州は、京都と同じく4-4-2で戦うことから、選手同士のマッチアップがハッキリしやすいですし、そこをどうずらして崩していくかが焦点だったと思います。
そして実際にどうだったかと言うことになると、北九州の緩さに助けられたところもありましたが、愛媛戦に続いて内容の伴った形でやれていました。


北九州は2トップの原と小松のコンビが攻撃の核で、彼らのスピードや強さを活かしたカウンターが狙い。原が決めた先制点も自陣からのロングボール一発でしたし、京都が不用意だったとはいえ、強力なツートップなだけにハマるとゴールに繋がります。
一方で彼らはカウンターに特化しているのか、守備面ではそこまで働いておらず、京都としては下畠と菅沼が比較的自由にパスを出せる状況が多くなっていました。

また、これまでと同様に、京都は攻撃時にエスクデロが引くとともに、アンドレイが高い位置を取って2枚のトップ下のようにプレーします。そして、イ・ヨンジェが裏を狙い、堀米や山瀬がサイドに張って相手を広げます。
役割自体は状況によって変わりますし、堀米や山瀬が中央に入ってくることもありますけど、中央とサイドといった具合に複数のパスコースを作り、高い位置にボールを運ぶ狙いはだいぶこなれていますね。アンドレイやサイドバックが上がるタイミングもリスク管理を行いながら良くなってきていますし。


前述の通り、菅沼&下畠から前に入れやすかったですし、さらに北九州のダブルボランチに対してエスクデロとアンドレイが一対一で優位に立てていたため、高い位置で起点を度々作ることができました。サイドバックもアンドレイも自信を持って高い位置を取ることができていましたし。
あとはどうシュートシーンに繋げていくかというところでしたけど、エスクデロのキープにタイミングが合うようになると、エスクデロを追い越したり、後方から飛び込んできたりする選手が狙えるシーンが増えましたね。
2得点ともエスクデロの後方から走り込んでパスを引き出した形でしたし、欲を言えば3点目を奪っておきたかったくらいで。



失点を除いて守備面も大きな破綻はなく



攻撃面はかなりポジティブな試合でしたけど、守備面でもそれほど大きな破綻もなく終えました。
失点シーンは不注意というか、しっかり陣形を取る時間もありながら、原を警戒するあまりに下畠がポジションを上げすぎて、反転した原に裏を取られたところ。
リカバリーはしっかりしていたのですが、足に当たってゴールに入ってしまいましたね。

どうしても本職でない下畠のところが狙われることが多くなってしまい、失点に繋がることもあるのですが、下畠はかなりよくやってくれていると思います。
体格面で劣勢に立たされるだけに、大柄な選手をぶつけられるわけですけど、しぶとく食らいついて自由にさせないことと、スピードでしっかりカバーすることで中央を締めてくれていますね。

今節は枚数を掛けて相手を押し込んでいたため、ミスが出るとカウンターを受けやすい状況にも成り得たのですが、しっかり相手のツートップを潰しにいったことに加え、後半は高い位置でのプレスも効くようになっていました。
全体的に、手を使ったファールで簡単にFKを与えてしまうのは気になるところですが。


だいぶ余裕を持って戦えたと思いますし、先制を許しても焦ることなくしっかり攻略してみせたことに成長を感じます。
内容から言って勝つべき試合で、実際にキッチリと勝ち点3を持って帰ることがどれだけ大事かということですね。
次節はフィジカルに優れるツートップを並べるであろう横浜FCとの対戦ですが、我慢するべきところはしっかり我慢し、攻撃に繋げていきたいですね。



―2016シーズン通算記録―
6勝5分2敗 勝ち点23
17得点 13失点
今節終了時点での順位:7位
*第7節熊本戦は延期(6月29日に開催)

【ゴール】
3点:有田、イ・ヨンジェ
2点:アンドレイ、堀米、山瀬
1点:石櫃、下畠、ダニエル・ロビーニョ、本多、沼

【アシスト】
4アシスト:堀米、エスクデロ
1アシスト:有田、ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ、佐藤

【累積警告】
3枚:本多、菅沼
2枚:イ・ヨンジェ、エスクデロ
1枚:有田、アンドレイ、佐藤

*佐藤は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり