2016年4月29日16:04キックオフ@キンチョウスタジアム 天候:晴

C大阪 0ー2 京都


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、下畠翔吾、本多勇喜。MF右から山瀬功治、佐藤健太郎、アンドレイ、堀米勇輝。FWダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、齊藤隆成、國領一平、田村亮介、エスクデロ競飛王、有田光希、沼大希
監督:石丸清隆

(選手交代)
68分、ダニエル・ロビーニョ→エスクデロ:ポジションそのまま。
78分、イ・ヨンジェ→有田:ポジションそのまま。
87分、堀米→國領:ポジションそのまま。


【C大阪メンバー】
GKキム・ジンヒョン。DF右から松田陸、茂庭照幸(78分:→田中裕介)、山下達也、丸橋祐介。MFボランチにソウザ(68分:→扇原貴宏)と山村和也、前に右から関口訓充(52分:→リカルド・サントス)、柿谷曜一朗、ブルーノ・メネゲウ。FW杉本健勇。
SUB:丹野研太、中澤聡太、玉田圭司、澤上竜二
監督:大熊清


【審判団】
主審:井上知大 副審:馬場規、藤井陽一


【得点】*サイドは攻撃側から見て
8分、アンドレイ(C大阪0-1京都):右CK、堀米のクロスをニアサイドでアンドレイが下がりながらの右足ボレーを決める。
48分、本多(C大阪0-2京都):左CK、堀米のクロスを中央で本多が頭で合わせて決める。


【警告】
C大阪:ブルーノ・メネゲウ(70分)
京都:佐藤(88分)



ゴールデンウィークの連戦に突入しました。
ここから中3日で3試合を戦います。京都の連戦初戦はアウェーでのセレッソ戦となりました。
去年もセレッソとは4月29日に対戦でした ね。ディエゴ・フォルランにハットトリックをかまされたわけですが・・・(笑)
京都は2連勝の後、熊本戦の延期を挟んで前節、徳島に敗戦。低調な戦いぶりが目立つ中でこの連戦を迎えました。
しかも、DF陣に負傷者が相次いでおり、群馬戦で負傷した高橋に続いて直前の練習で染谷が負傷。牟田も離脱しており、本職のCBは菅沼のみという状況であるため、下畠がCBに入り、本多が左SBとなりました。齊藤は初のベンチ入り。
ちなみに昨年のホームでのセレッソ戦 の直前にも菅沼が負傷してCBが足りなくなったため、下畠がCBに入っていましたね。なおこの試合では1-0で勝ち、石丸体制での初勝利となりました。

セレッソはこれまで、無敗で首位を快走していましたが、前節札幌に敗戦を喫して首位陥落。
今節は、これまで右サイドで起用されていた杉本をワントップに据え、右サイドに関口を起用してきました。また、CBに茂庭が復帰しました。



「分かりやすさ」がもたらした勝利


劣勢が予想された試合で、実際にセレッソに攻め込まれる展開ではありましたが、CKから2ゴールを奪って見事完封勝利を収めました。
完全に守り切ったかと言うとそうではなく、二次攻撃も含めたセットプレーのクロス対応で危ういシーンをかなり作られました。それでも、菅野のPKセーブをはじめとする好守にも助けられながら、全員の高い守備意識でモノにした勝利でした。


今季ここまでスッキリしない内容の試合が続いていましたが、今節の快勝については、「分かりやすさ」に尽きると思います。
前節レビュー でも、C大阪戦はやりやすいかもしれないと書きましたが、実際にそうなってくれました。
ここまで京都は攻撃に課題を抱えています。いかに引いた相手に対してボールを前に運び、崩していくのかというところで不具合が出ていますね。
一方で前線の選手の特性を考えると、前線のスペースを早めに使って縦に速く攻めたいところもあって、その折り合いをどう付けていくのかということも悩みどころでした。
この辺りの話は、もちろん対戦相手がどういうサッカーをしてくるのかということとの兼ね合いが関係してきます。


今節はリーグ屈指の戦力を誇るC大阪を相手にすることから、あらかじめ守備を念頭に置いた戦いをしやすかったでしょう。
なるべくリスクは侵さず、一対一では対応が難しくてもサポートにすぐに入れるように全体をコンパクトにする。試合前からその意識は統一できていたでしょうし、プレーにもしっかり反映されていました。

元々高いラインを保って、全体をコンパクトにというのは昨季からの石丸監督の特徴であったはずなのですが、そういったところは今季は薄れていました。
高いラインを取り続けると、カウンターで裏を取られるリスクもあり、今季は慎重な構えで戦うことが多かったです。
この辺りは、石丸監督の意図としてそうなっていたのか、CBの主軸としてプレーすることの多い染谷のスタイルが関係しているのか判断に悩むところがあるんですけど。
一方で引いた相手を崩すことを意識して、FWは前線に張るとともに、サイドバックやアンドレイが前に出ていこうとする。
その過程で全体が間延びしやすかったですし、繋ぎも粗さがあったためにカウンターを受けると一気にゴール前まで運ばれやすく。そしてそれを怖がってDFラインが上げられないので、間延びに拍車がかかる・・・というような。

今節は菅沼と下畠のコンビで、高い位置を取ろうとはしていましたが、そこまで高い位置を取り続けることは結局できませんでした。しかし、中盤より前を下げて全体を圧縮することで、C大阪の攻撃からスペースを奪うことができました。
C大阪のボランチに対して、京都のツートップが当たりにいくようなシーンも多かったですからね。


もちろん全体が引き気味になっているため、攻撃には移りにくくなります。
それでも、奪ったらイ・ヨンジェを走らせるとか、ダニエル・ロビーニョや堀米にドリブル突破を図らせ、まずは前のスペースに運んでいくことを徹底することで、スムーズさを持てた印象が強いです。これまでのように人数を掛けて崩しに行くよりは、高い位置でのスローインやコーナーキックが取れればOKというくらいの割り切りですね。
中盤のサイドをこれまでと逆にして、堀米が左、山瀬が右となっていたこともその意識に繋がったでしょう。特に堀米が縦への突破を優先して、少ない人数で攻め切る意識を徹底しやすいですからね。
また、ここ数試合で前掛かりなポジショニングをすることが多くなっていたアンドレイもバランスを見ることを最優先し、機を見て上がるようにしていました。

実際、コーナーキックから早めに先制点を奪えたことによって得られた手応えや自信もあって、無理に攻めなくても良いという意識は強まったでしょうし。後半立ち上がりの追加点も大きかったですね。
得点シーン以外でもセットプレーではかなり優位に立っていたことで余裕も持てたでしょうし。


もちろん、相手のセットプレー時に離されやすいのは相変わらずでしたし、中盤で良い形で追い込めかけているのに奪い切れずにピンチを迎えるといったところは気になるところです。
C大阪の前線の守備の拙さもあって、ビルドアップの不具合はあまり顔を出しませんでしたが、これまでのように引かれてしまえばまだどうなるか分かりません。
枚数を掛けにくい場面で攻め上がりを待ち、結局奪われてしまうシーンが有ったように、判断の部分も磨いていく必要があります。
それでもそういった粗さを覆い隠せるくらいに、コンパクトさを徹底して粘り強く守備を行えたことは今後の指標となるはずです。
外された場面も多かったですが、中盤で縦パスが入った時に潰しに行く強さも続けていきたいところです。
この2つは相手との位置関係に関わらず保ち続けないといけないものですしね。


次節の相手も、リーグ内では屈指の戦力を誇る清水です。
今節得られた手応えを、まずは次節にどう繋げていけるでしょうか。




―2016シーズン通算記録―
3勝4分2敗 勝ち点13
11得点 10失点
今節終了時点での順位:14位
*第7節熊本戦は延期(開催日未定)

【ゴール】
2点:イ・ヨンジェ、有田、アンドレイ
1点:石櫃、下畠、ダニエル・ロビーニョ、堀米、本多

【アシスト】
3アシスト:堀米
1アシスト:有田、ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ、佐藤

【累積警告】
4枚:佐藤
3枚:本多
2枚:イ・ヨンジェ、菅沼
1枚:エスクデロ、有田、アンドレイ

*佐藤は次節出場停止
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり