2016年3月20日16:04キックオフ@西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:曇

京都 0ー0 長崎


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、染谷悠太、本多勇喜。MF右から國領一平、アンドレイ、佐藤健太郎、石田雅俊。FW有田光希、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、牟田雄祐、内田恭兵、下畠翔吾、山瀬功治、和田篤紀、ダニエル・ロビーニョ
監督:石丸清隆

(選手交代)
62分、石田→山瀬:ポジションそのまま。
80分、イ・ヨンジェ→ダニエル・ロビーニョ:ポジションそのまま。
89分、國領→内田:ポジションそのまま。


【長崎メンバー】
GK大久保択生。DF右から田上大地、上本大海、高杉亮太。MF右から松本大輝(63分:→村上佑介)、小野寺達也、田中裕人、パク・ヒョンジン、シャドーに田中輝希(41分:→中村慶太)、梶川諒太(91分:→ロドリゴ)。FW永井龍。
SUB:三浦雄也、前田悠佑、神崎大輔、佐藤洸一
監督:高木琢也


【審判団】
主審:塚田智宏 副審:伊東知哉、福岡靖人


【得点】*サイドは攻撃側から見て
なし


【警告】
京都:佐藤(60分)、有田(92分)
長崎:田中輝(34分)、田中裕(90分)



開幕から3試合連続ドローとなっている京都。
今節はホームに戻り、長崎との対戦でした。
長崎は開幕戦で勝利したものの、清水に大敗し、讃岐と引き分けてからの今節でした。

前節は3バックで臨んだ京都ですが、今節はまた4バックに戻しました。
出場停止の菅沼の代わりには高橋が初めてスタメンに。エスクデロが前日の練習で負傷したとのことで、國領がこれまた初めてスタメンで、右サイドハーフに入りました。
長崎はお馴染みの3-6-1。大卒ルーキーの田上がCBに入っていますね。ちなみに田上は流通経済大出身で、昨年の天皇杯での対戦にも出場しています。



今季初の無失点


前節は3バックでの臨んだものの、攻守に渡って整理されていないことが多そうで、相手が出てこないうちからズルズルと引いてペースを握られてしまいました。
そこから比べると、4バックに戻したことでやりやすかったのか、前線で奪おうという意識は強まっていたかと思います。
奪われた後に切り替えてプレスに出る速さもしっかり保てていましたし、どこから守備をスタートするかは統一できていそうでしたね。
相手の選択肢を奪い、囲んだところで取りきれるようになるとなお良いのですけど。
良い形に持ち込んでいるのに、奪いきれないシーンも目立ちますし、そこはもっと上げていきたいですね。

それでもまだDFラインは慎重に守っている印象が強いです。
下がり過ぎとまでは思いませんでしたが・・・。相手が前を向いてボールを持った時には裏を取られないようにしっかりと下がる。もちろんこれはセオリー通りなので問題ないのですけど、逆に押し上げる動きは抑えめですね。
菅沼が出場停止で、高橋と染谷という初めての組み合わせだったことも影響したかもしれません。
とは言っても、今季はずっとこういった慎重な構えを崩していませんね。
長崎が攻撃にそれほど枚数を掛けてこなかったので、もう少し大胆にやっても良かったかなとは思います。
昨季も試合序盤はDFラインが高くても徐々に深めになっていく傾向にありましたが、後述するように攻撃時に影響が出やすくなっているので、対策は必要でしょうか。

ここまで毎試合で失点を喫していて、前節は守備がほとんどハマらなかったことを考えると、無失点で終えることができたのは良かったです。
ピンチもありましたけど、大抵は攻撃時の簡単なミスや個々の対応のミスから引き起こされているものでしたし、組織的にやられることなく90分を過ごせたことは自信になるでしょう。
それをベースに、より強気な守備設定ができればというところですかね。攻撃を意識した守備というか。



今季初の無得点


守備で今季初の無失点だったわけですけど、攻撃面では今季初の無得点です。
と言っても2つの意味合いは違っていて。
守備は前節を除いて開幕時からそれなりに計算が立つ状態になっていました。
一方で攻撃面ではずっと組み立てのぎこちなさを抱えながらやり繰りしています。
メンバーは違っていても昨季もそうでしたけど。

長崎は前線の3枚が積極的に前に出て、京都のDF陣にプレスを掛けてきました。一方で後方の5人は自陣で構えることが多く、5-2-3のような形で守っていました。
当然中盤が空きやすいわけで、最初の3枚を外せれば持ち上がれそうではありました。
が、そういうケースはちょっと少なかったですね。

京都としては下がってくるツートップや、中に入ってくるサイドハーフに縦パスを入れて、そこから展開というのを狙いたいところでしたし、そういう動きはしていました。ただし、長崎もしっかり前に出て潰しに来ていて、ほとんど自由にさせてもらえませんでしたね。
前線の選手の受け方というよりも、受けた後にどうするのかっていうところでボランチの2人やサイドバックが上がってくる間を作れなかった印象。
ここのところは守備面でのラインの深さも影響してくるわけで、攻撃面だけとは括りきれないところではありますけど、前線4枚の動きも行き当たりばったりな感じですし、整理は必要。
前線の形やメンバーも変わっているので、合わせにくかったのかもしれませんが・・・。
特にサイドハーフの2人はその点でほとんど仕事ができませんでした。

前半こそ、奪ったらすぐにサイドに流れるツートップに入れ、フィジカル能力を活かしてキープしたところから押し込むことはできました。
特に左サイドでは田上に対して優位に立てましたからね。
後半になると長崎も警戒を強めていて、有田やイ・ヨンジェにボールが入りそうになると複数人で囲みに来ました。良い形で奪えなくもなってきていたり、奪った後の一つ目のプレーで簡単に失ったりということも続いていて、ちょっと攻撃になりませんでしたね。
サイドハーフも前線に張りすぎていた印象もあります。

こういうリズムの悪い時、これまではエスクデロにボールを預けて時間を作らせたり強引に突破にかかったりという方法もありましたが、今節は使えず。
そうなるとボールを落ち着かせて、人数を掛けて押し込みたいところでしたが、ビルドアップに不具合を抱えた状態ではなかなか難しく。
鍵となるダブルボランチもボールタッチが安定しない様子でしたし、厳しい試合になっちゃいましたね。

なんとなく、佐藤もアンドレイも、さらに加えると本多も大きな展開の中で活きそうなので、細かなテンポの速い崩しは不慣れな気がします。この3人がかなりミスが多かったですしね。一方で石田や山瀬などはこれまでの癖で細かくやろうとしているところもあるでしょうし。

守備の状態や前線の組み合わせから行くと、もう少し早めに、多少アバウトでもゴール前に入れていって良さそうですが、多少色気を出しているところはあるかもしれませんね。
どこかで相手に引かれてしまうシーンを考えておかないといけないでしょうから。


今季初の無失点であり、無得点であった試合。
守備は上手くいっていて、攻撃はダメだった・・・と言うことはできます。ただしこの場合は攻守を切り分けて考えた場合ということで、実際のサッカーではそういったことは有りえません。
でもついついそう言いたくなるような試合ではありました(なのでそういう構成で書いています・笑)。
つまり、守備の準備を攻撃時にできているか、攻撃の準備を守備時にできているか、そういったところはまだまだだろうなという印象です。
単純な技術的ミスも多い試合でしたけど、攻守がやや分断された形で進んでいる中で、ちぐはぐな部分がまだ出ているという。
些細なところのようで、難しいところ。
もう少し攻守両面でこなれてこればというところかもしれませんが、ここをどう乗り越えていくかですね。



―2016シーズン通算記録―
4分 勝ち点4 4得点 4失点
今節終了時点での順位:13位

【ゴール】
1点:有田、アンドレイ、イ・ヨンジェ、石櫃

【アシスト】
1アシスト:有田

【累積警告】
3枚:佐藤
2枚:本多、イ・ヨンジェ
1枚:菅沼、エスクデロ、有田

*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり