2016年3月13日13:03キックオフ@シティライトスタジアム 天候:晴

岡山 2ー2 京都


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から菅沼駿哉、染谷悠太、下畠翔吾。MF右から石櫃洋祐、アンドレイ、佐藤健太郎、本多勇喜。FW右から有田光希、イ・ヨンジェ、エスクデロ競飛王。
SUB:清水圭介、牟田雄祐、高橋祐治、内田恭兵、國領一平、ダニエル・ロビーニョ、石田雅俊
監督:石丸清隆

(選手交代)
82分、イ・ヨンジェ→石田:菅沼の退場を受けて4-4-1に。石田は左MF、エスクデロが右、有田のワントップ。
85分、有田→ダニエル・ロビーニョ:ポジションそのまま。


【岡山メンバー】
GK中林洋次。DF右から篠原弘次郎、岩政大樹、竹田忠嗣。MF右から加地亮、矢島慎也、渡邊一仁、片山瑛一、シャドーに押谷祐樹(71分:→豊川雄太)と伊藤大介(87分:→島田譲)。FW赤嶺真吾。
SUB:椎名一馬、澤口雅彦、関戸健二、田中奏一、久保裕一
監督:長澤徹


【審判団】
主審:井上知大 副審:三原純、蒲澤淳一


【得点】*サイドは攻撃側から見て
50分、イ・ヨンジェ(岡山0ー1京都):DFラインでのパス回しから、石櫃が縦パスを入れ、受けたイ・ヨンジェが有田に落とす。駆け上がった石櫃に渡して、クロス。エスクデロが胸トラップで抜けようとしたところは止められるも、こぼれ球をイ・ヨンジェが左足で蹴り込んで決める。
66分、伊藤(岡山1ー1京都):波状攻撃の中で矢島が竹田に戻し、竹田の浮き球パスに裏を取った伊藤がワントラップから右足で押し込む。
78分、豊川(岡山2ー1京都):後方での繋ぎから受けた矢島がミドルパスを送り、裏を取った豊川がダイレクトで右足ループを決める。
92分、石櫃(岡山2ー2京都):本多のサイドチェンジを石櫃がヘッドで落とし、受けたダニエル・ロビーニョが強引にシュート。GKが防いだこぼれ球を石櫃が右足で蹴り込む。


【警告】
岡山:押谷(63分)、岩政(81分)、片山(88分)
京都:本多(23分)、イ・ヨンジェ(68分)、菅沼(81分)、エスクデロ(86分)


【退場】
京都:菅沼(81分)



開幕から2戦続けてドローゲームとなった京都の3戦目は、前節に続いてのアウェーゲーム。岡山との対戦となりました。
今節はスタメンと布陣に変更があり、今季初めて3バックでのスタート。岡山の布陣と合わせる形ですね。
スタメンにはエスクデロと下畠が入り、山瀬が欠場、石田がサブへ。また、サブには牟田、内田、ダニエル・ロビーニョが今季初めて入りました。
対する岡山は前節、千葉に勝って今季初勝利を挙げています。U-23代表の矢島がスタメン、豊川がベンチ入り。また、CBに澤口に代わって篠原が入っていました。



布陣変更も課題は手付かずのまま


前節のレビュー で、石丸監督が今節どういう布陣を採用するのか注目と書きましたが、3バックを採用して、岡山とマッチアップがハッキリする形を選んできました。
これ自体はよくある話で、守備の役割を分かりやすくする狙いがあったはずです。
あったはず、なのですが、前半の京都はどうにも狙い所がハッキリしない守備をしてしまいました。


前節の反省として、相手FWを警戒して早くからラインを下げ過ぎたために中盤での守備がかけづらく、攻撃にも不具合が出てしまったということがありました。
選手コメントなどでも修正点として上がっていたはずですが、今節もまた深い位置取りをすることに。

赤嶺の高さを警戒しすぎていたというところもあるでしょうけれど、岡山のウイングバックがそれほど前に出てきていないうちから石櫃と本多を含めた5人が引いた状態に。
それに伴ってボランチも引くことになり、前線で3トップが相手の3バックとボランチ、場合によってはウイングバックも見る形になる場面が多かったですね。
さらに、前線3枚のプレスもそれほど強く行くわけではなく、全体としてどこで奪い取ろうとしているのか分からないままに。
特に左サイドでは、下畠と本多の2人が戸惑ったようなポジショニングを繰り返していて、中盤に下りていく伊藤や、駆け上がってくる加地に付ききれず。何度もフリーで受けられ、攻撃のリズムを作られてしまいました。
全体的に緩慢な印象も強く、中盤で安々と起点を作られては、余裕を持って裏を狙うパスを出されるために、さらに引いてしまうという展開。


攻撃面でもやはり弊害は出ていて、前線との距離があるために縦パスを入れにくい。
また、マッチアップする形にしていたために、岡山も寄せやすいわけで。岡山の前線3人が京都の3バックにしっかりチェックに行けていたことで、京都の攻めは停滞。

これまでの試合では、ボランチの一枚が最終ラインに入って、4バックから3バックの形に変化し、相手の目先を変えることによって攻撃を作ろうとしていました。
相手とのマッチアップを崩すことで、相手の組織をバラしていこうとするもの。
そのため、試合中に3バックに変換しても大きな影響は出ませんでした。

それに対し、この試合ではある意味でそれを自ら放棄しているわけですよね。最初から組んだ状態を選択しているわけですから。違った組み立て方が準備できていると良かったですが、そこまではできなかったでしょうか。
そのため、3バックのフィード能力がより問われるところでもありましたが、昨季も見られたようにどうしても下畠は左サイドではぎこちなく・・・。
こういったところから見ると、守備から考えてたんだろうなぁという気がします。

昨季からたびたび3バックへの意欲を石丸監督は出していましたが、あえて3バックの練度が高い相手にぶつけたのは自信の現れ(過信とも言える)だったのか、テストの意味合いもあったのか・・・。
負傷者の影響もあったかもしれませんが、結果から行くとかなりマズい出来でしたね。
あと、ここまで3バック時に起用されていた高橋ではなく、下畠の起用になった理由も気になるところ。相手シャドーの動きに付いていけるように、よりスピードのある下畠をという選択だったと思うのですが、攻守に渡ってハッキリしないプレーが続いてしまいました。



見苦しい試合ながら何とかドローに



後半には、石櫃と本多が高い位置から守備を始めようとし、有田とエスクデロもサポートに回って強くく当たれるように修正。
また、ビルドアップ時には佐藤が引いて助けたり、速いテンポでボールを離せたりするようになって、徐々に運べるようにはなりました。

右サイドで石櫃が素早く縦に入れたところからサイドを崩し、最後はイ・ヨンジェがゴールを奪ったシーンはその代表格ですね。
前半の立ち上がりにも似たような形がありましたが、前線の3枚とサイドが絡んで崩すパターンは有効そうです。

ただ、守備の問題が解決しきっていた訳ではなく、有田の運動量に任せた形が多くなっていたのも確か。
その有田が寄せきれなくなると、前半同様に2列目から飛び出す選手へのフィードを安々と許すことに。
2失点はいずれも同じパターンで、前半から何度も岡山が狙っていた形でしたので、どうにか対応しておきたいものでしたね。


さらに、試合が荒れた展開になったのも考えもの。というか個人的には大いに不満。
主審・副審ともにジャッジが不安定だったのは確かなのですが、そこで冷静さを欠いてラフプレーが多い見苦しい展開に。
開始直後から赤嶺との空中戦で染谷がラフ気味に当たっていたこともあって、岡山も同様にイライラを募らせていたのか、互いに野蛮なタックルや露骨なファールアピールが見られるようになってしまいましたね。
そもそもどちらのチームも、序盤から手を使いすぎる印象はありましたけど。
もちろん、岩政の安い挑発に乗って退場した菅沼は猛省すべきですね。


一人少ない状態でありながら、前線に枚数を掛けて追いつくことが出来たのは良かったところ。
左サイドの本多から石櫃へのサイドチェンジが決まったところがポイントでしたけど、11人の状況であっても狙って行きたいプレーでした。
逆のパターンとして、石櫃から本多に振る形であれば、跳躍力のある本多のヘッドも活かせますからね(多くの場合、マッチアップするのはヘディングにそれほど強くない相手の右SBになりますし)。


その後、岩政を上げてパワープレーを仕掛けてきた岡山に対して、押し込まれましたが、得点は許さずにドローで終えました。
牟田や高橋がベンチにいながら、交代枚数を残して押し込まれたことにもやや疑問はありますが・・・。

最初の布陣もそうでしたし、菅沼退場前に動けなかったことも含め、ちょっと石丸監督にとって反省点が多い試合となりましたね。

次節も3バックを敷く長崎との対戦ですが、今節までの反省点にどう向きあうのか見ていきたいところです。



―2016シーズン通算記録―
3分 勝ち点3 4得点 4失点
今節終了時点での順位:13位

【ゴール】
1点:有田、アンドレイ、イ・ヨンジェ、石櫃

【アシスト】
1アシスト:有田

【累積警告】
2枚:佐藤、本多、イ・ヨンジェ
1枚:菅沼、エスクデロ

*菅沼は次節出場停止