2016年2月28日16:04キックオフ@西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:晴

京都 1ー1 水戸


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、染谷悠太、本多勇喜。MF右から山瀬功治、アンドレイ、佐藤健太郎、石田雅俊。FW有田光希、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、高橋祐治、下畠翔吾、岩沼俊介、國領一平、永島悠史、エスクデロ競飛王
監督:石丸清隆

(選手交代)
76分、有田→エスクデロ:ポジションそのまま。
80分、石田→高橋:右から菅沼、染谷、高橋の3バックに。中盤はアンドレイがアンカーに入り、少し前に山瀬と佐藤。


【水戸メンバー】
GK本間幸司。DF右から佐藤祥、伊藤槙人、ソン・ジュフン、佐藤和樹(88分:→田向泰輝)。MF右からロメロ・フランク、内田航平(77分:→今瀬淳也)、兵働昭弘、船谷圭祐。FW三島康平、佐藤和弘(79分:→萬代宏樹)。
SUB:石井綾、細川淳矢、白井永地、山村佑樹
監督:西ヶ谷隆之


【審判団】
主審:窪田陽輔 副審:藤井陽一、勝又弘樹


【得点】*サイドは攻撃側から見て
53分、有田(京都1ー0水戸):FKをクリアされたボールを繋ぎ、山瀬が右サイドの深い位置から左足クロス。ロメロ・フランクがクリアしたところを、エリア外から有田が右足ボレーをゴール右に突き刺す。
73分、三島(京都1ー1水戸):縦パスからロメロ・フランクが突進しようとしたところを山瀬が止めるも、こぼれ球を佐藤祥が拾って後ろに下げ、それをダイレクトで兵働がスルーパス。受けた三島がワントラップから左足で流し込む。


【警告】
京都:佐藤(16分)、イ・ヨンジェ(59分)
水戸:ソン・ジュフン(75分)、萬代(90分)



今季もついに始まりましたね!
7年ぶりだかのホーム開催の開幕戦。
西京極の電光掲示板がリニューアルされ、ドット絵どころじゃなくムービーまで流れるようになる超絶進化っぷりに興奮してしまいましたよ・・・

開幕戦のメンバーを前の記事で予想していましたが、メンバーとしては牟田ではなく染谷でしたけど、布陣は違ってましたね(苦笑)
しっかり情報に踊らされたということでしょうか・・・(笑)

京都はノーマルな4-4-2で、石田が左MFに入りました。
エスクデロがベンチ入り。一方で負傷者の影響なのか、前線の選手がサブに少なかったのは気掛かりなところ。
対する水戸も大きくメンバーが入れ替わっての開幕。
船谷に加えて、兵働やロメロ・フランクが加わり、より前線の迫力が増した印象があります。こちらも4-4-2でのスタートで、互いに噛み合う形で試合に入りました。

前半をスコアレスで折り返し、後半立ち上がりにセットプレーの流れから有田のボレーで先制。
追い付きたい水戸は様々にポジションを変え、兵働のアシストから三島のゴールで同点に。
その後、互いに3バックへの変化を見せるシーンも有りましたが、スコアは動かず、ドローで終わりました。



バランス重視で臨み守備は狙い通りに


予想は外しましたが(笑)、2トップで試合に臨むということを知って、正直ホッとしたところがあります。

キャンプでは前線に3枚を置いているということが伝えられており、メンバー構成から1トップ2シャドーと予想していましたが、実際にはワイドに開いた3トップでやっていたようですね。
開幕前夜のKBS特番で映像も流れていましたが、昨季やっていた4-1-4-1よりもウイングが前に出ており、前線から嵌め込もうとするシーンがありました。
この時は、中盤の広いスペースを3枚でカバーしないといけなくなっていて、ケアが間に合わずに決定機を作られていました。
こういうシーンが多発すると厳しいし、FWの選手を3枚並べるとどうしても多くなるだろうという危惧があって。
また、前線のタレントを考えても、2トップの方が収まりが良さそうというところもあります。
この辺りを複合的に考えてこの日の布陣に至ったのかな、と思います。


中盤で4枚が並ぶことによりバランスは良く、水戸の攻撃にも落ち着いて対応できていました。
こういったところは石丸監督はさすが、といったところでしょうか。
水戸は三島の高さを中心に、ロングボールから押し上げていこうとする狙い。
この攻撃に対して、染谷とアンドレイがしっかり競り合い、こぼれ球にも集中して反応。
攻から守への切り替えの速さも上々で、相手の攻撃を高い位置で摘んで行こうというプレーもよく出ていました。

特に、昨季守備の緩慢さやポジショニングの悪さが目立ってしまった石田が、サイドハーフの位置でハードワークできていたのは嬉しいところ。こういった最低限のベースを築くことによって、攻撃面での上積みも効いてくるでしょうし。
今節は狭い局面でのターンや持ち出しにらしさを感じさせましたし、より強みを出していけるように励んでほしいですね。


失点シーンでは、その少し前くらいから水戸が追い付こうとしていろいろポジションを変えてきている中でやられたものでした。
船谷が左サイドから右に移ったり、中央に入ってロメロ・フランクを前に出したりですね。
その中で対応が遅れ、こぼれ球を拾った兵働に見事なワンタッチアシストを決められてしまいました。
ちょっと対応は難しかったかもしれませんが、状況に応じての対応は反省材料でしょうか。

その後にやった3バックについては、思ったより戸惑いは少なそうで、今後も使っていくことになるでしょうか。京都に帰ってきて、久しぶりの出場となる高橋も落ち着いたプレーぶりでした。



課題は残るもののパワーを前面に出した攻撃に期待も


攻撃面ではメンバーが多く変わったことによるぎこちなさはどうしてもついて回りました。
どのタイミングで走り抜けるのか、受けに来るのかといったところを探っている様子や、確認しあっている様子も見られ、まだまだ発展途上な印象があります。
単純にボールコントロールが合ってなさそうなシーンもありましたが。

リスク管理を徹底していたのか、ボランチが前に出ることは控えめにしていたこともあり、厚みのある攻撃というのはあまり見られなかったのは確か。
ビルドアップにも苦戦していて、特に前半は水戸の速いプレスに長いボールを蹴り出してしまうことも多くなってしまいました。
最前線でこういったボールに競り勝てるとまた違ってくるのですが、有田とイ・ヨンジェはそういったタイプでもなく、ボールが落ち着かない展開になってしまった一因に。


ただ、佐藤とアンドレイのボランチコンビはどちらもしっかりと受けと散らしができる選手である印象を受けましたし、上手くサイドに展開してスムーズにクロスを引き出す攻撃には好感が持てました。

また、昨季もありましたが、ボランチが一枚最終ラインに入って、CBが開き、両サイドバックを押し上げる形も多かったですね。
同時に山瀬と石田が中央寄りにポジションを取り、CBが持ち上がって斜めにパスを入れ、山瀬&石田および2トップを絡めてタメを作ってサイドの裏を取ってクロスを入れる攻撃でチャンスを創出。染谷も菅沼も縦パスを入れる狙いを強く持った選手ですしね。
昨季と違うのは、左利きの本多が左SBに入ったことによりクロスやサイドの幅を使った攻撃もスムーズでしたし、石櫃と併せて両サイドバックの攻撃を上手く活かしていこうというのは狙いとして持っているのでしょう。
まだまだ回数は少なかったですが、連携を深めていくことにより精度を上げていければと思います。

ある意味この変化形が3バックにした時の形で、最初から最終ラインに3枚置いていることによって、アンドレイと佐藤が前に出やすい状況を創っていました。
前後の枚数自体は変わってないので、ここでもしっかりとリスク管理している印象もありましたね。

エスクデロ投入もありましたし、イ・ヨンジェやアンドレイなどフィジカル能力に優れる選手を前線に並べてパワーで押し込もうという狙いもあったかもしれません。
連携が不十分な中で、単独でゴリゴリ押していけることっていうのは大事ですし(水戸の三島を使ったパワープレーも同じ効果がありますね)。
前半からロングスローを多用してもいましたし、高身長の選手を多く有していますのでセットプレーを含めてパワー重視の攻撃も、特に序盤戦では重要となってくるでしょう。
実際今節の得点もセットプレーの流れからでしたし。


開幕戦で勝利を掴むことはできませんでしたが、今季を戦うチームの輪郭はよく出ていたように思います。
楽しみなプレーも多かったですし、新加入選手も面白い選手が揃っています。
ここからどれだけ早く深めていけるかということが重要ですし、その中でも勝ち点をどう積み上げていくかというところは注目ですね。



―2016シーズン通算記録―
1分 勝ち点1 1得点 1失点
今節終了時点での順位:9位

【ゴール】
1点:有田

【アシスト】
なし

【累積警告】
1枚:佐藤、イ・ヨンジェ