2015年4月5日14:04キックオフ@西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:雨

京都 0ー2 千葉


【京都メンバー】
GK杉本大地。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、山口智、内田恭兵。MF右から宮吉拓実、キム・ナミル、バヤリッツァ、山瀬功治。FW大黒将志、ダニエル・ロビーニョ。
SUB:山田元気、ファン・テソン、駒井善成、ファン・ジンソン、和田篤紀、佐々木勇人、有田光希
監督:和田昌裕

(選手交代)
57分、宮吉→有田:有田がFWに入り、ロビーニョが中盤の右に。
76分、山瀬→佐々木:ポジションそのまま。


【千葉メンバー】
GK高木駿。DF右から北爪健吾、キム・ヒョヌン、大岩一貴、中村太亮。MF底にパウリーニョと佐藤勇人、2列目右から井出遥也(52分:→田中佑昌)、ネイツ・ペチュニク、谷澤達也(88分:→オナイウ阿道)。FW森本貴幸(93分:→田代真一)。
SUB:岡本昌弘、町田也真人、佐藤健太郎、水野晃樹
監督:関塚隆


【審判団】
主審:松尾一 副審:数原武志、小椋剛


【得点】*サイドは攻撃側から見て
15分、キム・ヒョヌン(京都0-1千葉):右サイドからのFK、中村のクロスに誰も触らずファーに抜けたところを杉本がなんとか掻き出したところをキム・ヒョヌンが詰めて頭で押し込む。
54分、ペチュニク(京都0-2千葉):パウリーニョから左サイドに展開し、田中が受ける。田中のクロスを中央でペチュニクが頭で合わせて決める。


【警告】
京都:キム・ナミル(69分)
千葉:谷澤(22分)、井出(52分)、高木(56分)



3連戦の最後は、中3日で迎えたホームでの千葉戦となりました。
千葉はここまで無敗と好調ですね。
前節ようやく今季2勝目を挙げた京都としては、勢いをつけて望みたいところ・・・だったのですが、天候は大雨。
ピッチには至る所に水が浮き、とてもまともにサッカーのできる環境ではなくなってしまいました。
正直なところ、好調の千葉と良いコンディションで戦いたいところでしたが・・・こればかりはどうしようもありませんね。
(観戦するにも厳しい環境でしたし・笑)



フィジカル真っ向勝負で出し抜きかけるも


スタメンは前節の後半の形。キム・ナミルとバヤリッツァのダブルボランチを続けてきました。
雨で水の浮いたピッチですし、細かな技術よりも蹴り合いになりやすいことを考えると妥当な人選だったでしょうか。

実際、序盤はサイドの裏に蹴り合う中、セカンドボールの反応に良い出足を見せた京都がペースを握ることができました。
ラインを高く保ち、跳ね返されてもすぐにボールに詰めることができており、セットプレーも含めて良い形を幾つか。
特にナミルの縦パスからロビーニョが落として宮吉が左足で狙ったシーンは、ピッチ状況を考慮せずとも良い形でした。
また、セットプレーからもしっかり合わせる形ができていたのですが、ここで仕留め切れないのが現状の力でしょうか。

押し気味だったにも関わらず、セットプレーから失点。
中村太亮のいいクロスではありましたが、展開を考えると痛い失点でした。

とは言え、前半は総じて悪くないプレーをしていたと思います。
あのコンディションではやれることは限られていますが、その中でも山瀬やロビーニョ、バヤリッツァといったあたりはボールを運べていましたし、守備への切り換えも上々でした。
ただ、やや飛ばし過ぎだったところはあるかもしれません。



まざまざと見せられた「差」


雨は一瞬止みかけたものの、前半終わり際にはさらに強まり、後半にはピッチ状況はさらに悪化。
前半運べていた選手もかなり難しいプレーを強いられることになってきました。

動きが早かったのは千葉。
井手に代えて田中を投入し、よりフィジカルの強い、走力のある前線にしてくるとともに、サイドに流れるペチュニクと共に、守備に難のある石櫃を狙い撃ちにしてきました。
そして、宮吉と石櫃のマークの受け渡しにズレが出たところを突かれ、田中のクロスからペチュニクに決められ、リードを広げられてしまいました。

2点リードした千葉は、それほど無理をする必要がなくなり、キム・ヒョヌンと大岩のCBコンビはそれほどラインを上げず、跳ね返すことに専念。
逆に京都は、活発に動けるようになった千葉のパワフルな前線への対応に引きずられて前半のようにラインを上げることができず。また、プレッシャーを受けてしっかりボールを蹴ることができず、中途半端な蹴り出しに終始することになってしまいました。

こうなってしまうと、パワーに欠ける京都は苦しく。
和田監督が認めているように、ベンチメンバーにも有田を除けば軽量級の選手しかおらず(そもそもチーム自体に少ないのですが)、挽回するようなものを見せることはできませんでした。
運動量を何とか上げてどうにか、というところくらいだったでしょうか。しかし、その判断力・気力さえも奪われていた感じは受けます。


豪雨という悪コンディションの中、よりによって相手の得意とするフィジカル能力勝負で戦わざるを得ませんでしたし、残念ながら妥当な敗戦と言えるでしょう。
ただ、こういったピッチでも戦える「力強さ」は手にしたいところではありますが・・・
(その点、今季の千葉は今までよりも力強さを感じさせるチームで、相当強そうな印象を持ちました)


また、得意とする細かな技術面では、この状況でもボールを運べる選手がいたように、秀でていると言えると思います。
しかし、「ボールを強く蹴る」という観点での技術では物足りなさを受けたのも正直なところ。
ミドルシュートの精度が低いとか、ゴールキックも含めて効果的なロングパスがあまり見られないのも関係しているかもしれません。

こういった悪コンディションの中、チームとしての戦術はなかなか出しづらいところではあるのですが、一方で個人技術・戦術の面での足りなさも大いに感じる試合となりました。


次の試合にどのように臨むのかは、メンバー選考も含めて考えどころでしょうか。
次節もホームゲームで、これまた好調の長崎との対戦となります。


―2015シーズン通算記録―
2勝1分3敗 勝ち点7 7得点 9失点
今節終了時点:12位

【ゴール】
3点:大黒
2点:石櫃
1点:山口

【アシスト】
1アシスト:石櫃、駒井、山瀬、内田

【累積警告】
2枚:山口
1枚:佐々木、ダニエル・ロビーニョ、石櫃、キム・ナミル