松本 -2 京都                       


【京都スタメン】
GKオ・スンフン。DF右から石櫃、酒井、バヤリッツァ、比嘉。MF底に工藤とジャイロ、右に駒井、左に山瀬。FW大黒と有田。


【京都交代】
1枚目(77分):ジャイロ→中山。ポジションそのまま。
2枚目(77分):有田→三平。ポジションそのまま。


【対戦相手出場メンバー:松本】
GK村山。DF飯田、飯尾、犬飼。MF田中、岩間(88分:→椎名)、喜山、岩沼(88分:→鐡戸)。FW岩上、塩沢(88分:→パク・カンイル)、船山。


【得点】 *サイドは攻撃側から見て
74分、船山(松本1-0京都):自陣からの長いFKの流れからヘディングでの跳ね返し合いが続き、塩沢がエリア内にヘディングで入れる。これに反応して抜け出しかけた船山を酒井が押し倒したとしてPK。船山がゴール右に決める。
78分、三平(松本1-1京都):左サイドでの細かいパス交換から、工藤がエリア内に縦パス。大黒がワンタッチでコースを変えた所に走りこんだ三平が左足で流し込む。
85分、大黒(松本1ー2京都):バヤリッツァの縦パスを三平が落とし、受けた山瀬が左サイドから切り込んで、大黒にスルーパスを狙う。これはDFがカットするも、クリアボールを拾った石櫃がダイレクトで大黒に入れると、大黒は振り向きざまダイレクトで右足を振りぬき、ゴール左に決める。
90分、犬飼(松本2ー2京都):岩上の右CKに中央で犬飼が石櫃に競り勝ち、頭で合わせて決める。


【警告】
松本:なし
京都:なし



今節の対戦相手は松本山雅。
リーグ戦では過去4戦で2分2敗(天皇杯では1勝)と分の悪い相手になります。
アレッサンドロが負傷とのことで、スタメンには有田が入りました。



有田の充実とサイド攻撃の活性化


有田は初スタメンでしたが、チームに見事にフィット。
高さのある松本守備陣を相手にしても簡単には競り負けませんし、しっかりとしたポストプレーを見せました。
こうなると後ろも当てやすい。大黒も安定したプレーぶりでしたし、前線へのパスコースをしっかり確保できたことによって、ビルドアップは格段にスムーズに。
ツートップに神経を使わなければならないため、松本の3バックとボランチは中央を固めにかからざるを得なくなりました。

そうなると空いてくるのはサイド。
ビルドアップが安定したことによって京都は両サイドバックが高い位置を取りやすくなり、駒井&山瀬とともに松本のウイングバックを押し込みにかかります。そこに工藤が運動量豊富に絡み、何度も数的優位を作って連動性の高い崩しを見せます。

サイド攻撃が手詰まりになっても、ジャイロとCBがスムーズにサポートに入っていたのも好ポイント。厚みのある攻撃を展開しました。
また、松本ボールになっても中盤ではすぐさま守備に移れましたし、ロングボールは酒井とバヤリッツァが強さと速さを見せて封殺。

意表を衝いたセットプレーなども織り交ぜ、前半は完全に京都のペースでした。
ここでキッチリと先制できていれば圧勝もありえたほどの質の高さを感じました。これは今後も追求していきたいもの。



まさかの失点にも動揺せず


しかし、なかなか上手く行くばかりではなく。
後半も前半同様に、サイドを中心に押し気味に進めていましたが、74分、船山のPKで先制を許しました。
船山と競り合った酒井のプレーをファールと判定されました。確かに酒井の手は船山の体に触れてはいましたが、強い接触ではなく、酒井にとっては納得のいかない判定だったでしょう。
しかし試合後の酒井のコメントにもあるように、船山に上手く体を入れられてしまったこともあり、レフリーからは酒井が押し倒してしまったように見えたでしょうか。

こういう展開になると、動揺してしまってもおかしくないのですが、京都は気持ちの強さを見せました。
ジャイロ、有田に替えて中山と三平を投入。
攻撃的な布陣にするとすぐさま三平のゴールで同点。さらに、大黒の一撃で試合をひっくり返しました。
交代選手がスムーズに試合に入れているのも頼もしいですね。キャンプ中のメンバーシャッフルも活きているでしょうし、有田も含めてベンチにいるメンバーが試合上でのイメージをしっかり共有できているということでもあるでしょうか。
(今季は、本来のポジションであれば交代選手がスムーズに試合に入れている印象があるのですが、もう少し観察してみたいところ。)



試合の終わらせ方には課題も


これで終われれば良かったのですが・・・これまたそう上手くは行かず。

点を獲るために中山と工藤のダブルボランチにしましたが、この2人だと守備の強さには欠けます。
中盤での競り合いは松本に分があり、松本に前線へと配球される回数が増えていました。

勝ち越した時点で田森や福村を投入するという手があっても良かったでしょうか。
バドゥ監督はボールキープ率を高めて相手がボールを持つ時間を削ろうとしたように思いますが(横谷の準備を進めていたとも聞きました)。
反町監督が大胆にも3枚同時交代したこともあり、その様子を見たのかもしれません。
実際には様子を見る間もなく、すぐさま追いつかれてしまったのですが・・・松本のCKの精度は見事でした。


いい内容だっただけに、勝てなかったことは残念です。
ただ、スタメンでのプレー内容だけでなく、交代した選手もスムーズに入れていることも含めて、非常に密度の高い試合を演じることができたのも確か。
ぜひともこれを深化させ、内容でも結果でも勝ち切る試合を増やしていきたいところでしょう。



-2014シーズン通算記録-
3勝4分1敗 勝ち点13 13得点 8失点
今節終了時点:7位

【ゴール】
7点:大黒
2点:アレッサンドロ
1点:酒井、比嘉、バヤリッツァ、三平

【アシスト】
3アシスト:石櫃
2アシスト:大黒
1アシスト:横谷、ジャイロ、中山、バヤリッツァ

【累積警告】
2枚:アレッサンドロ、比嘉
1枚:バヤリッツァ、酒井、石櫃、工藤