北九州 -3 京都                  


【京都スタメン】
GKオ・スンフン。DF右から石櫃、酒井、バヤリッツァ、比嘉。MF底に工藤とジャイロ、右に駒井、左に山瀬。FW大黒とアレッサンドロ。


【京都交代】
1枚目(75分):アレッサンドロ→横谷。ポジションそのまま。
2枚目(86分):大黒→宮吉。ポジションそのまま。
3枚目(93分):駒井→田森。田森がボランチに入り、工藤が前に。


【対戦相手出場メンバー:北九州】
GK大谷。DF宮本、渡邉、前田、冨士。MF八角、風間(88分:→柿本)、小手川、井上(70分:→川島)。FW原(62分:→渡)、池元。


【得点】 *サイドは攻撃側から見て
8分、原(北九州1-0京都):右サイドから宮本が持ち上がり、DFラインの裏に縦パス。池元が抜け出し、ダイレクトでシュートを放つもオ・スンフンがセーブ。こぼれたところを原が右足で押し込む。
25分、アレッサンドロ(北九州1-1京都):自陣から持ち上がった酒井がアレッサンドロにくさびのパスを入れる。アレッサンドロは駒井に落とし、右サイドの石櫃に展開。石櫃のクロスにアレッサンドロがエリア中央で頭で合わせて決める。
61分、酒井(北九州1-2京都):山瀬の右CKをニアサイドにいた大黒が頭で合わせる。GKの目前で酒井が頭でコースを変えてゴールに流し込む。
90分、比嘉(北九州1-3京都):工藤のロングパスに比嘉と相手CBが競り合い、DFラインの裏にこぼれる。そのこぼれ球を横谷が拾い、エリア内に侵入する。切り返して後ろに落としたところに比嘉が走りこみ右足でミドルシュートを放つと、DFの体に当たってゴールに吸い込まれる。


【警告】
北九州:冨士(32分)、池元(80分)
京都:アレッサンドロ(39分)



いよいよ開幕を迎えました!

京都の開幕戦は今季もアウェー。
そろそろホームで開幕戦をやりたいですが、この時期の西京極は陸上関係のイベントも詰まっているとのこと・・・。やはり新スタか。J1に上がって土曜開催ならチャンスがあるのか。

今季の開幕戦の相手は北九州。
アウェーでは一度も勝てていない相手となります。
監督が柱谷さんだということに加え、今季から原一樹が加入したこともあって、親しみ深いながら厄介な相手となります。バドゥ監督も、地域決勝で敗れJFL昇格を逃した長野時代のリベンジの意識を持っているとのコメントをしていましたし、いろんな因縁が感じられる試合となりました。

なお、北九州はこれまでJ2の開幕戦は全敗とのこと。また、次勝てばJ通算50勝だそうで。
こういうフラグにうちは弱いのよ・・・と思いつつもキックオフ。



不安定な立ち上がりから先制を許す


京都のスタメンは、PSM・ガンバ戦 のメンバーを中心に外国人選手を加えた形。
アレッサンドロと大黒がツートップ、ジャイロが工藤とダブルボランチを組みます。バヤリッツァは酒井との組み合わせでセンターバック。これは昨季もよくやっていた組み合わせですね。

立ち上がりは非常に不安定でした。
ボールコントロールにミスが多く、ショートパスもズレてしまい、簡単に北九州にボールを渡してしまいます。ここまでメンバーを固定せずにやってきたことも影響があったかもしれません。PSM・ガンバ戦の前半でもそうでしたが、受け手と出し手が確認し合いながらプレーするような感じ。
また、この日の本城は風が強く、ハイボールが流れてしまうこともあったため、攻守に勘を掴み損ねていたようにも見えました。

北九州はDFラインの浅い京都の裏を狙い、池元と原を走らせます。
8分、早くもこの形から池元に抜け出され、最後は原に決められてしまいました。
京都が悪い形でボールを渡してしまうこともあり、するする持ち上がってきた宮本にチェックにいけてませんでした。
京都との対戦に気合いが入っていた原。しっかりお礼参りをされてしまいましたね。。。相変わらずガッツポーズがカッコいい。
余談ですが、原の試合後コメント で「(京都に)いたいと思っていた」との発言があり、今彼が京都にいない寂しさと、彼にそう言ってもらえるチームである嬉しさを感じました。



リズムを作った中盤の守備と石櫃のクロス


早々に失点を喫してしまいましたが、京都が徐々にリズムを作ります。
ポイントとなったのは中盤でのプレス。
失点時は外されてしまっていましたが、工藤、駒井、山瀬が相手の中盤にしっかり当たれるようになってからは、高い位置で奪い取る頻度が上がっていきます。中盤でしっかりプレスをかけられるようになると、北九州も蹴り出すしかなくなり、バヤリッツァと酒井の餌食に。

そして、攻撃では右サイド。
石櫃のクロスは本当に武器ですね。序盤の劣勢時でも、石櫃にボールが渡れば可能性を感じさせるほど、右足でのクロスは精度が高い。
京都のテンポが良くなってきた矢先の25分には、ピンポイントクロスでアレッサンドロのゴールをアシスト。

失点からさほど時間を置かずに追いつけたことにより、京都には落ち着きが生まれ、北九州にはミスが増え始めました。
34分には、スローインから素早く逆サイドに展開して、アレッサンドロのクロスに大黒がフリーで飛び込みます(シュートは枠外)。
サイドへの素早い展開は今季の特徴になりそうです。うまく繋がらない場面もありましたが、アレッサンドロがサイドに開いたり、比嘉と石櫃が高いポジションを取る形を何度も見せていました。
サイドバックが高いポジションを取っても、ジャイロや山瀬、駒井がしっかりスペースケア。PSMの時に比べ、だいぶ動きがスムーズになっている印象。



新加入のブラジル人コンビ


アレッサンドロとジャイロの話題が出たので、今季から加入した2人について。

アレッサンドロについては、もっとエゴの強いストライカーだと思っていました。
しかし実際のプレーぶりを見てみると、積極的に動き回ってスペースを創り出したり、守備もしっかりやってくれたりと、チームプレーも十分やってくれるプレーヤーでした。大黒に合わせたクロスのシーンでも、切り込んでシュートを狙うとばかり思っていましたので・・・おみそれしました。
その上で、タイミング良く飛び込んで同点弾もゲット。
前半に足を痛めたようですが、75分までプレーできていましたし、大きな負傷ではない。はず。

ジャイロは繋ぎの部分ではまだ少し合ってないかなと思えるシーンがありましたが、読みとポジショニングの良さで中盤のフィルターに。ヘディングはそれほど強くなさそうですが、地上戦でのボールの刈り取りは大きな武器に。
運動量も多いし、バキ、酒井、スンフンと強固なセンターラインの守備を形成してくれそうです。



セットプレーで突き放し、手堅く締める


後半も京都ペースで進みます。
中盤を制圧し、高い位置で奪っては攻撃に繋げていきます。
奪われてもすぐさまチェックに行き、奪い返します。
大黒やアレッサンドロもボールを失った後にはしっかり追いかけていました。
CKからすぐにゴールに結び付けられたのも良かったですね。ニアでうまく大黒が体を捻って枠に飛ばしました。酒井も良い反応。

リードを奪ってからは無理をすることなく、後ろでブロックを作ってカウンターを伺います。
ブロックを作ると言っても、プレスのラインを少し下げただけで、北九州が侵入してくるとしっかりチェックに行けていました。ジャイロの見せ場が増えましたね。
途中交代で入ってきた川島にヒヤリとさせられた以外は、さほど危ないシーンは作らせず。


終了間際にはカウンターから比嘉のJ初ゴールまで飛びだしました。
・・・うん、まさかだったよ。つい笑ってしまったじゃないか!
「なぜ比嘉がそこにいるんだああああ」と思った人は多いでしょうねw
まさかあの時間帯にサイドバックがあの位置で中盤からのロングパスに競り合っているとは。
素晴らしい積極性と運動量を発揮してくれました。
もしかしたらああいうメンタリティをバドゥ監督は求めているのかも。


一方で、駒井に替えて田森を投入するなんていうリアリズムに溢れた交代も見せますし、コメントで言っているほど単純な攻撃志向じゃないだろうな、とも思いますが。
試合後の立ち居振る舞いを見ても、ますます興味を惹かれる監督さんです。


アウェーでの開幕戦、しかもこれまで勝ったことのなかった本城で勝利を上げるという幸先の良いスタートを切ることができました。
不安定な立ち上がりや、プレスを外された時にどれだけ上手く対処できるかなど、まだまだ改善するべきところはありますが、開幕戦を見る限り、今年も色々と楽しみなチームになっていきそうです。

次節もアウェー、というかまたしても九州で。福岡との試合になります。
正直、遠征プランを考えると九州開催はばらけさせてほしかったのだけど(笑)



-2014シーズン通算記録-
1勝 勝ち点3 3得点 1失点
今節終了時点:1位

【ゴール】
1点:アレッサンドロ、酒井、比嘉

【アシスト】
1アシスト:石櫃、大黒、横谷

【累積警告】
1枚:アレッサンドロ