旅日記「続カナザワ映画祭」 | 木島亭年代記

木島亭年代記

東北在住。
最近は映画も見てなきゃ本も読んでない。
コメントは承認制(不適切な内容及び不愉快な内容は削除)


空港で姐さんと合流し、まちバスで21世紀美術館へ向かう。1年ぶりである。懐かしい。相変わらず珍奇なオブジェに満ちている。2回目ということもあり、どこでチケットを受け取るか等も理解しているので、スムーズに手続きを完了。今回は4本みる予定。

少し上映まで時間があるのであたりをふらふらする。流石に観光都市だけあって、風情がある。気温もあの灼熱地獄に彩られた今月初頭とは打って変わって心地よい。

映画1本目。

「ポゼッション」
当初「エクソシスト」が上映される予定だったがプリントの都合で急遽差し替えられた作品。イザベル・アジャーニー主演のフランス映画で、共演には「ジュラシックパーク」のサム・ニール。今回の映画祭のテーマがオカルトやホラー、怪談 なので、些か懸念を抱きながらみたが、これがとんでもなく狂った映画で、頭から最後までイザベル・アジャーニーを中心とした俳優たちの怪演技大会があまりに凄すぎて衝撃。とりわけアジャーニーの地下道では謎の発狂ダンスは鳥居みゆきも真っ青。他にもラストのアクション映画タッチやアジャーニーの愛したタコ型UMAとか疑問符のオンパレード映画だが考え始めるとキリがないので保留。ただこれを爆音上映で何の予備知識もないまま見れたのはまさに僥倖。

続いては場所を移動し、シネモンド。金沢109にある小さな映画館で、普段は単館系を上映する会場。


木島亭年代記


本日2本目。

「海魔陸を行く」

これは凄まじい映画。1時間弱の動物ドキュメンタリーって聞いたからそのつもりで見たら、全く持ってドキュメンタリーではなかった。話はあるタコが漁師に捕まり、魚屋につれていかれるをだけど、なんとか脱出に成功し、陸から故郷の海に向かって大冒険を繰り広げるという内容。何が凄いってタコが本物なのだ。本物のタコが山を越え谷を(文字通り)転がり、荒野をさまよい、熊やら蛇やらと戦い、蝶と交流し、カマキリの生態に衝撃を受け、電車にひき殺されかけながらも海に向かい続ける感動のドラマなのだよ。とにかくこんな珍奇な映画、企画を考えた奴の脳味噌がみたいね。全編古めかしいナレーションつき。



木島亭年代記


本日3本目。

「クトゥルーの呼び声」

サイレント映画。ただ制作は最近。要するに超低予算。自主制作なんではなかろうか。出来としては悪くないがやや単調。


木島亭年代記


そしてラスト。

「夜半歌馨」

1937年の中国映画。寂れた劇場から真夜中に響き渡る歌声。顔の爛れた怪人の秘めた想いに革命を絡めた古臭いメロドラマ。正直ピンとこない。ラスト民衆に怪人が追われるんだが、その理由は怪人の見た目が醜悪であるからという理由の他に革命軍のメンバーだからというのがついて来るので悲劇が薄まり今ひとつ。あとヒロインが可愛くない。怪談要素はまるでない。映像の古さとさびれた劇場という雰囲気は素晴らしいだけにガッカリ。


木島亭年代記



3作品目はライムスター宇多丸師匠と高橋ヨシキさんもいらしてた。宇多さんは1年ぶりにみたけどデカいな。

夜は坐和民で乾杯。というのも金沢は11時ラストオーダーの店が多いのだ。

(つづく)